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フィリピンという天竺 Day 1. 後編
初日から夜のウォーキングストリートに繰り出した筆者は
中ほどにある大きなゴーゴーバーCLUB XSの入り口でまるで蝶のように舞う
チーママに捕まる。いや、この場合は逆であちらが蜘蛛でこちらが蝶か。
「コノミセガ ピリピンデ イチバンサイコーヨ」「マチガイナイネ」と
見事に蜘蛛の巣にかかり、店内へと。
映画館のような作りの店内。100人以上は優に座れる座席があり、2階建ての舞台には1階に40人ほど2階のバルコニーには30人ほど、総勢70人ぐらいの女性が聴いたこともないユーロビートに身体を揺らしている。
席について周りを見ていると、どうやらスタッフが持ってるレーザーライトを女性にピピピっと当てると、席に呼べるようだ。
面白いシステムだなー、これを日本でやれば流行るんじゃないかと考えたりしてると、屈強なボディーガード数名がこちらに寄ってきた。
「アナタ イイカラダ シテルナ」
酔っ払いのトラブルなどを収める為にいるボディーガードが当時、特に目的もなくイイ身体になろうとジムに通いだして2年ほど経っていた筆者に声を掛けてきたのだ。
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そこからは女性にチヤホヤされようと行ったゴーゴーバーなのに女性には目もくれず屈強なボディーガードたちと片言の英語で筋肉談議に花を咲かせ、酒をおごってやり、キャッキャッと騒ぎまくっていたら、それを見つけたチーママが寄ってきて、輪に入り、今度はチーママのフィリピンママ特有の豪快な猥談に花が咲き、ひとしきり健全?で楽しい時間を過ごし、何が目的なのかわからないまま、また来るねと店を後にし、ホテルへと戻ってきてしまった筆者なのである。
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戻ってきて鼻歌まじりのシャワーを浴びてる最中に、
違う!違うぞ!フィリピンの夜だぞ!こうじゃないぞ!!
と急に思い直し、再び夜の街に繰り出すことに。
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今度は目についた雰囲気の良いプールバーに入ってみる。
フィリピンでは娯楽としてのビリヤードが広く浸透している為、プールバーがそこかしこに点在している。今ではすっかり下戸の筆者も当時は嗜む程度にお酒を飲んでいたのでカウンターに座り、スタッフにあまりアルコールのきつくないおすすめを聞いたら、教えてくれたのがこの後、筆者がフィリピン滞在中にはまりまくって飲みまくったサン・ミゲル社のフレーバービール。特にアップルが気に入って、そればかり飲んでいた。
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しかし、なんとも雰囲気の良いプールバーだ。
ゴーゴーバーやクラブで遊び疲れた人々が酒を楽しみ、賭けビリヤードに興じている。店員以外アジア人は少なく、それが拍車をかけてまるで映画のワンシーンのよう。そんな空間に酔いしれていた筆者に、急に声掛けてくる1人の男がいた。
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「もしかして日本人ですか?」
その流暢な日本語にハッと目を見張るとそこにはどうもアジア人、、、それも日本人とおぼしき男。前情報では現地で話しかけてくる日本人には気をつけろ、、、と。
「僕も日本人で、今、フィリピンに住んでるんですよ。」と。
怪しい、、、、怪しすぎる、、、。
「ちょっと今はこれから彼女と予定があるんですが、明日とか観光案内しましょうか?」
いや、騙す気だろう、、、法外なコーディネイト料をせしめるつもりか、、、コーディネートはコーデネートとかなんとかいっちゃったりなんかしちゃったりして、、、
愛想笑いで話半分聞き流しながら、一旦連絡先だけを聞いて別れたのだが、
そこから物語は大きく動きはじめるのであった。
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Day 2.へと続く。。。
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