20代だけど、カセットテープにハマった
2ヶ月くらい前に、ラジカセとカセットテープを買った。
家の近くにカセットテープの専門店があって、気になっていたので行ってみたら、ラジカセの音と見た目に一目惚れしてしまった。
カセットテープを買ってから、ほぼ毎日聴くようになった。カセットテープの良さを、書いてみようと思う。
カセットテープのある生活
朝はやわらかい曲調のシンガーソングライター「Amy O」や「Katy Kirby」を聴く。
日中は、作業BGMとしてLo-fi Hiphop中心のレーベル「Inner Ocean Records」や「Nujabes」を聴く。
夜は、寝る前に韓国のシンガーソングライター「Mingginyu」やフィンランドのビートメイカー「Idearism」を聴く。
文脈やシーンごとに、カセットテープを使い分ける。その都度、ガチャっと開けてテープを入れ替える。再生ボタンを押す。しばらくしてやわらかい音楽が流れはじめる。
たまにカセットテープの専門店にいっては、気になるジャケットを手に取る。視聴機で聴いてみて、ビビッときたら買う。そうでなければ一旦置いておく。
ジャケットを見て選ぶので、今まで全く聴いたことのないジャンルやアーティストと出会える。
最近葉山に旅行した時も、カセットテープとラジカセを持っていった。そこまで大きくないので、リュックにも入る。
砂浜でレジャーシートを引いて、カセットテープでジャズバラードをかけながらひたすら寝っ転がった。角の取れたやわらかい音も相まって、とてもよい時間だった。
Spotifyと違って何がいいのか
数年Spotifyを契約しているが、忙しかったりすると家で聴くことが減ったりしていた。けど、カセットテープを買ってから、毎日聴いている。
この差はなんだろう。
実体がある
スマホのアプリはなんでもできるが、いつも同じ画面を触れる。あたりまえだ。
カセットテープは違う。テープのジャケットを見て、ラベルを見て、触れて質感を感じながら、ガチャっと開けて入れ、再生ボタンをカチャっと押す。少しノイズが流れた後に、ようやく音楽が流れ出す。
A面を聴き終えたら、ガチャっと音を立てて止まるので、B面に裏返してもう一度再生ボタンを押す。ここで、違うカセットテープに入れ替えてもいい。
手が濡れていたりすると、ちょっと気を使う。特に、テープラベルに紙が使われているものは、ちゃんと手を拭いてから触る。そうでなければ少しくらい濡れてても触っちゃう。
すべて、実体があるからこその体験だ。昔は当たり前だったようだが、デジタルで聴くことに慣れた自分には、それが新鮮に感じられる。
聴く選択肢が絞られている
あたりまえだが、カセットテープは "持っている曲しか聴けない"。
新譜だと1つ2~3000円、新譜として売られていないものは、高騰して4000円から10000円を超えるものも出てくる。
Spotifyなら、実質無限の曲の中から選べる。けど、無限の曲の中から新たな曲を探すようなことはしなかった。今思えば、選択肢が多すぎた。
カセットテープは、お店に行く。目についたものを手に取る。聴いてみる。よかったら買う。書店で本を買うのと同じような流れ。これがいい。
想像もしていなかった音楽に偶然出会える。自分の視覚・聴覚で感じてビビッときたものを買うことができる。
Amazonで良さそうな本を探すことは少ない。欲しいものをダイレクトに買いに行くことが多い。
同じように、Spotifyも、すでに「聴きたい」となった曲を探すことはあっても、知らない曲を探しに行くようなことはない。(少なくとも自分の場合)
家に帰ってきたら、カセットテープの棚がある(作った)。
今持っているのは10本程度。聴くときは、この中から選ぶ。無限ではない。これが心地いい。
買い足していくと、どんどん選びづらくなってしまうので、売るなりしまうなりしようと思っている。棚に入りきらない上に最近聴いてないものは、そのままにしない。棚に入り切る数が持てる上限。これによって、普段聴くときの選びやすさ、シンプルさに繋がる。
音がいい
カセットテープだからなのか、ラジカセのスピーカーなのか、角が取れてやわらかい音になる。これがいい。
すべての音に、やわらかいフィルターがかかったような音。同じ曲でも、印象が変わる。
自分で作れる
買ったラジカセには、マイクと録音機能もついていた。ブランクテープを買ってきて、好きな曲を流す。そうすると、自分だけのカセットテープが作れる。
Spotifyでいうプレイリストだろ?と思うかもしれないが、ここでも実体があることの良さが出てくる。
テープのラベルも自由につくれる。ためしに、マスキングテープを貼って、それをラベルとすることにしてみた。
カセットテープの良さが、もっと広まってほしい
1つ惜しいのは、周りにカセットテープを普段聴いている人がほとんどいないことだ。なので、こうしてnoteやしずかなインターネットに書いている。
新宿や下北沢のディスクユニオンに行ったが、売り場の大半をレコードが占める中、両手で囲えるくらいの一角にカセットテープがまとめられているくらい。
アメリカやイギリスだと日本よりもカセットテープが盛り上がっているようで、日本のレーベルも、海外専用でカセットテープを出していたりする。メルカリで確認したのは、YOASOBI、never young beachなど。古いどころか今も前線を走っているアーティストたちだ。
日本でももう少し広まってほしいな〜、今のレコードくらいになってほしい。けど、今くらいコアな状態だと、そんな中でも聴いている方とは熱を持って話せそうな気もする。
「カセットテープいいよね」となる方、もしくは「気になっている、気になった」方、今後どこかで語れたら嬉しいです。
気になった方へ
僕がハマるきっかけになったのは、このYoutubeです。2ヶ月前にラジカセを買ったお店、odd tape duplicationの紹介動画。
ここの店主さん、「こういう曲に興味がある」と伝えると、おすすめのカセットテープを5本くらい選んでくれたりする。
近くにこのお店があるからこそ、このお店の雰囲気やカルチャーへの良さが感じられるからこそ、ハマったようにも思う。