#22調剤報酬の算定①☆基礎知識・全体像☆調剤報酬点数表と薬価基準について 調剤薬局事務向け
▼以下の文章は動画内容を文字おこししたものです。
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皆さんこんにちは、チャンネル運営者のSATOUです。
保険薬局で調剤を行った際に発生する「調剤報酬」。
基本的には調剤報酬は被保険者である患者さんから一部負担金をいただき、残りの部分を保険者に請求することで報酬を受け取ります。
調剤報酬は薬局にとって大きな収入の柱になることが多く、その算定方法を学ぶことは調剤事務の方にとっても重要な仕事の一つだと思います。
そんな実務にとっても資格試験においても重要な学習ポイントとなる調剤報酬算定の基礎知識について今回はお話します。
今日の動画では出来るだけ「調剤報酬」の概要、全体像をお伝えすることを大きな目的としております。
今までの動画でお話していない専門用語については今後の動画でお話していきますので、まずはなんとなく全体像を掴むために動画を最後まで通して視聴していただくと良いかと思います。
それでは早速いってみましょう!
まず、調剤報酬を算定する際に基準となるものとして「調剤報酬点数表」と「薬価基準」と呼ばれるものがあります。
それぞれの詳細についてはこの動画の後半でお話しますが、ここでは大まかに僕たちが勤務する保険薬局の調剤に対する報酬や薬の値段は国よって定められているとご理解ください。
それで、国によって定められているルールに基づいて調剤報酬を算定することになります。
・調剤報酬点数表について
調剤報酬点数表は、その名前にもある通り調剤報酬の単位が金額ではなく点数で示されている表になります。
ですので、調剤報酬は一旦「点数」で算定して最終的に金額に換算する必要があります。
例1)調剤報酬 【1点=10円】
金額換算する時に重要なルールとして【1点=10円】で計算することになります。
例えば、調剤報酬を算定した最終的な点数が123点だった場合
例2)123点 × 10円 = 1230円
こちらが調剤報酬を金額換算したものになります。
それでは、調剤報酬の中身はどのようになっているのでしょうか?
大きく分類すると次のABCDの4つに分けることができます。
・調剤報酬の中身
A.調剤技術料
B.薬学管理料
C.薬剤料
D.特定保険医療材料料
以上の4つから調剤報酬は構成されており、更にA.調剤技術料については
A-1.調剤基本料
A-2.調剤料
A-3.各種加算
ご覧のように、更に細かく分類することができます。
この中でAの調剤技術料とCは薬剤料は必ず算定する項目となります。
それでは、各項目について見ていきましょう!
A.調剤技術料
調剤技術料とは?
保険薬局では処方医が交付した処方箋を患者さんが持参して、その処方せんの内容に基づいて調剤することになります。
それで、保険薬剤師が薬の調剤をした技術に対して支払われる報酬のことを調剤技術料といいます。
調剤技術料は次のように
調剤技術料=調剤基本料(加算)+調剤料(加算)
調剤基本料とその加算、調剤料とその加算を合わせたものです。
詳細については、一つずつ別の動画でお話するつもりですので
ここでは全体像を理解するために簡単にお話します。
A-1.調剤基本料
調剤基本料とは ///
簡単に言いますと、保険薬局を利用する患者さんにかかる基本料金のようなものです。
薬局の規模であったり、業務内容によって点数が決められています。
具体的には処方箋の受付回数や集中率によって調剤基本料の点数がことなります。
これは、つまり薬局ごとに調剤基本料が異なる場合があるということです。
患者さんから見ますと、同じ処方内容の処方せんであっても薬局ごとに支払う金額が異なることがありますが、それは薬局ごとに調剤基本料が異なることが一つの理由になります。
調剤基本料の詳細は別の動画でお話します。
A-2.調剤料
続いては「調剤料」について
名前の通りではありますが、保険薬剤師が調剤することで算定できる料金です。過去の動画で学習してきた「内用薬」「注射薬」「外用薬」といった医薬品の区分ごとに調剤料の点数が定められています。
A-3.各種加算
各種加算について
先ほどお話した通り調剤技術料は
調剤技術料=調剤基本料(加算)+調剤料(加算)
調剤基本料とその加算、調剤料とその加算を合算したものです。
・調剤基本料の加算
それで、調剤基本料の加算については基本的には保険薬局の施設や運営体制が充実していると調剤基本料に点数が加算されます。
例えば、ジェネリック(後発医薬品)の調剤に使用する割合が高い薬局ほど高い点数が加算されるといった例があげられます。
・調剤料の加算
次に調剤料の加算ですが、簡単に言いますと通常の調剤よりも手間がかかる場合に算定できる点数です。
例えば、錠剤だと飲み込みにくい患者さんに対して錠剤を粉砕して粉末にしたり、薬局の開局時間外に調剤を行ったり、麻薬を調剤した場合などに加算を算定することができることがあります。
こちらも詳細は別の動画でお話します。
B.薬学管理料
薬学管理料は保険薬剤師が患者さんの薬歴(病院でいうカルテのようなもの)を記録したり、服薬指導、情報提供、在宅医療に取り組んだ場合に算定できる点数です。
一般的には「薬剤服用歴管理指導料」という点数で算定しますが、患者さんが特定の薬剤師をかかりつけ薬剤師として指名することで「かかりつけ薬剤師指導料」を算定している薬局さんも今は増えていると思います。
C.薬剤料
Cの薬剤料について、薬剤料は医薬品そのものの料金のことです。冒頭でもお話した通り保険調剤で使われる医薬品の価格は、国によって「薬価基準」で決められています。
D.特定保険医療材料料
自己注射と呼ばれる患者さんが自宅で自分で注射をしたり、在宅医療で点滴をしたりするときの医療器具の料金です。主に注射器や針が該当します。
この特定保険医療材料料も薬剤料と同じように材料価格が国によって決められております。
以上、調剤報酬の中身についてお話してきました。
それで、調剤報酬の算定については実務や資格試験においても重要な項目だと思いますので、調剤報酬の基礎知識として最後にいくつかポイントや補足についてお話させてください。
・調剤報酬点数表・薬価基準は定期的に見直される
調剤報酬算定の基になる調剤報酬点数表ですが、今ご覧いただいているものは調剤報酬点数表(令和2年4月1日施行しこう)という日本薬剤師会で作成されたものを一部抜粋させていただいております。
参照URL
https://ikuseikai.org/pharmacy/img/point.pdf
今回の動画でお話した調剤技術料のうちて調剤基本料について、各項目とその要件と算定上限、点数について細かく記載されております。
こちらのURLは動画の概要欄に載せますので是非一度目を通しておいていただければと思います。
今現在、保険薬局で勤務されている方ですと薬局内に【調剤報酬点数表】が掲示されていると思いますので見たことがある方も多いかもしれません。
それで、この調剤報酬点数表に記載されている項目や要件、点数は
通常ですと2年に1回、調剤報酬改定によって見直されます。つまり点数がかわったり今まで算定できていた項目がなくなったり新しい項目が増えることもあります。
この調剤報酬の点数の見直しは中央社会保険協議会(中医協)で話合われているそうです。
また、薬の値段である薬価が収載されている「薬価基準」も定期的に見直されます。
参照元
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和2年12月11日適用)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/tp20200401-01.html
今ご覧いただいているのは「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和2年12月11日適用)」という厚生労働省のホームページです。
このページの真ん中あたりに各医薬品の区分ごとに薬価が収載されたリストが載っています。
それで、今見ていただいているのは内用薬のPDFを一部抜粋したものです。
ちょっと小さくて見にくいかもしれませんが医薬品名の右の方に「薬価」が記載されています。
注意点としては、この薬価の単位についてです。
薬価基準に載っている薬剤の薬価の単位は「円」です。たとえば薬価の欄に5.6と記載されていた場合は5.6円、つまり5円60銭が薬の値段になります、この薬価については消費税が含まれた金額になります。
薬剤料から点数への換算方法も今後お伝えしていきますので今後の動画も是非ご視聴いただければと思います。
この薬の価格である「薬価」も定期的に見直されて薬価が高くなったり低くなったりすることがあります。
以前は調剤報酬点数表と同じように2年に一度の調剤報酬改定にあわせて薬価改定が行われていたのですが、今後は薬価の方は毎年改定されていくことになるようです。
それで、薬価基準に収載される薬剤といのも今後は毎年見直されていくことになると思います。
基本的なことではありますが、薬価基準に収載されていない薬剤は保険調剤において使うことができませんので覚えておいていただければと思います。
以上、ここまで調剤報酬算定の基礎知識、全体像についてお話してきました。
今後の動画では今日お話した内容を元に各項目の詳細についてお話していこうと思います。
今後も調剤薬局事務の初心者の方に向けて情報をお伝えしていきますのでチャンネル登録いただけると幸いです。
最後までご視聴いただきありがとうございました。
後述
調剤報酬点数表と薬価基準のURL
レセプト記載欄と調剤報酬の中身の実例