#20処方箋 調剤報酬算定にも必要な知識☆処方欄の見方を薬剤師が解説
▼以下の文章は動画内容を文字おこししたものです。
////////////////////////以下、動画内容/////////////////////////////////////////////
皆さんこんにちはチャンネル運営者のSATOUです。
調剤事務の仕事をする上でも資格試験においても重要な内容として調剤報酬の算定があるかと思います。
調剤報酬の算定においては、処方箋に書かれている情報を正確に読み取る必要があるのですが、中でも処方欄に書かれている内容を正しく理解することが特に大切かと思います。
今日の動画では前回#19の動画に続いて処方箋の見方、特に処方欄の見方を中心にお話していきます。
今日の目次です。
・処方欄の見方(基礎知識編)
・薬剤の区分と剤形
・薬を飲む量(投与量について)
・用法
・投与日数と回数
以上についてお話します。
どれも実務や資格試験の知識において大切だと思うポイントをピックアップしました。今回は中でも薬剤の区分と剤形の所が量が多いので大変かもしれませんが、ここを乗り越えますと残りは楽に感じれると思いますので是非最後までご視聴いただければと思います。
このチャンネルでは調剤薬局事務の資格試験を目指している方や初心者の方に向けて情報をお伝えしております。
これから段々と調剤薬局事務の方にとって核となる調剤報酬の勉強について触れていきますので是非チャンネル登録お願いします。
それでは早速いってみましょう!
・処方欄の見方(基礎知識編)
まず、今ご覧いただいていますのが処方せんの全体図になります。
その中で赤枠に囲まれている部分が処方欄になります。
処方欄を拡大して。。。
例として書かれている処方内容を見てみます。
①「ムコスタ錠100mg 100mg 3錠
1日3回 毎食後 7日分 」と記載されています。
ここから読み取るべき必要な情報をみていきます。
詳細は後ほど解説しますのでまずはそのまま動画をご覧ください。
1.最初にムコスタ錠100mg・・・という薬の名前(薬剤名)から薬剤の区分が「内用薬」であること。また、薬の形(剤形)が「錠剤」であることがわかります。
2.次に 3錠・・・ここの部分から薬を飲む量(投与量)がわかります。
3.続いて 1日3回 毎食後・・・ここの部分から薬を飲むタイミング(用法)がわかります。
4.そして 7日分・・・ここの部分から投与する日数または回数がわかります。
それでは一つずつ解説していきます。
1.薬剤の区分と剤形
先ほどの例の場合、区分が「内用薬」で剤形が錠剤であることをお話しました。
剤形つまり薬の形については#10の動画で内用薬、#11で外用薬と注射薬についてお話した内容ですのでもし必要な方はご覧ください。
「薬剤の区分」についてお話します。
今ご覧いただいていますのは、厚生労働省のHPでhttps://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/tp20200401-01.html
❝薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和2年12月11日適用)❞
というページになります。
それで、こちらに書かれている「薬価」とは?
簡単に言いますと、国が定めている薬の価格のことです。
それで、薬価基準というのは各薬剤の薬価が書かれた一覧表のようなものとご理解ください。
薬価と薬価基準については他の動画で再度詳しく触れますので今のところは
薬の値段が書かれた一覧表があることを頭に入れてい頂ければと思います。
このページの区分という所に
”内用薬(口から飲み込むお薬)、注射薬、外用薬(軟膏、坐薬、吸入薬、うがい薬など)、歯科用薬剤の別”
と、書かれています。
薬価基準はこの4つの区分で分けられており、実際に薬価基準のPDFファイルを見てみますと
ご覧のように、一番左側に「内用薬」の記載があり、その他に成分名、品名、薬価などが記載されています。
今後、薬の値段、つまり薬価はこの薬価基準を元にすることを是非覚えておいてください。
それで、薬剤の区分には先ほど見て頂いた通り
①内用薬 ②注射薬 ③外用薬 ④歯科用薬剤
に分類されていて
①内用薬については更に
a.内服薬 b.頓服薬 c.内服用滴剤 d.浸煎薬 e.湯薬
以上の5つに分けられています。
a~eについては、レセプト作成時にも必要な知識ですので今のうちになんとなくでも覚えておいた方が後々楽になるかと思います。
a.内服薬
内服薬は簡単に言いますと、【定期的に飲む薬】のことです。
例えば 1日3回毎食後 のように
1日に薬を飲む回数、食後、食前、食間といった薬を飲むタイミングが医師によって定めらている薬です。
内用薬のうちで内服薬は今後も何度も出てくるワードなので是非覚えて下さい。
b.頓服薬
bの頓服薬は簡単に言いますと、必要な時だけ飲む薬です。
定期的に飲む内服薬とは対照的で臨時的に飲む薬です。
例えば、痛いとき、不眠時、吐き気がある時、服用してください。
といった感じで使う薬のことです。
c.内服用滴剤
cの内服用滴剤とは、漢字から想像してもらうとわかりやすいと思うのですが、1度に1滴~数滴のごく少量を使う薬で水剤になります。
写真のような滴瓶とよばれる小さな瓶から少しずつ液体を出して服用します。
d.浸煎薬 e.湯薬
dのしんせん薬とeのとう薬については、実務においては僕の経験上ですが取り扱っている薬局はかなり少ないのではないかと思っています。
資格試験についても概要だけ理解していれば問題ないかと思いますが、
もしかして出題されたら困るので一応、厚生労働省の通知に記載されていた文章を抜粋したものを載せますのでご確認ください。
/////////////以下、抜粋////////////////////////////////////////////////////////
浸煎薬とは、生薬を薬局において浸煎し、液剤として製したものをいう。
湯薬とは、薬局において2種以上の生薬(粗切、中切又は細切したもの)を混合調剤し、患者が服用するために煎じる量ごとに分包したものをいう。
////////////抜粋ここまで//////////////////////////////////////////////////////
ここまでが、薬価基準の区分、内用薬についてです。
②注射薬
続いて②の注射薬とは、注射針を使って、薬剤を皮膚の内側の組織か血管の内部に直接投与する液状の薬のことです。
保険薬局では、インスリンと呼ばれる糖尿病の治療薬など、患者さんが自分自身に注射をする自己注射を調剤する場合があります。
②注射薬 ③外用薬 ④歯科用薬剤 については、内用薬のように細かな分類はありませんのでひとまず薬の商品名を見たときにどの区分にあたるのかを確認できれば良いかと思います。
例えば
②ランタス注ソロスター 300単位1キット 1日1回朝4単位
次のような処方の場合、商品名のランタス注のように「××注」という
注射の注の字が記載されている薬品は注射薬であることが判断できます。
③外用薬
③の外用薬については、軟膏、坐薬、吸入薬、うがい薬など
皮膚や粘膜に直接塗ったり貼ったりして使う薬のことです。
細かな剤形については是非#11の動画をご覧ください。
④歯科用薬剤
④の歯科用薬剤は名前の通り歯医者さんで使われる薬剤のことです。
資格試験においては①内用薬②注射薬③外用薬の区分がわかれば問題ないかと思います。
薬剤の区分と剤形については、後々レセプト作成の際にも必要な知識だとおもいますのでちょっとボリュームがあったかもしれませんが、いかがでしたでしょうか?
少し疲れた方は動画を一時停止して少し休憩したあとに続きをご覧ください。5秒後に動画の続きをお話します。
///////////////////
①「ムコスタ錠100mg 100mg 3錠
1日3回 毎食後 7日分 」と記載されています。
2.次に 3錠・・・ここの部分から薬を飲む量(投与量)がわかります。
3.続いて 1日3回 毎食後・・・ここの部分から薬を飲むタイミング(用法)がわかります。
4.そして 7日分・・・ここの部分から投与する日数または回数がわかります。
////////////////////
それでは、①の処方例に戻って続きを始めます。
2.(投与量)
2つめの薬を飲む量(投与量について)
処方せんに書かれている薬の投与量は、先ほどお話した薬剤の区分ごとに意味が違ってきます。
まずは、内用薬の5つの区分から見ていきましょう!
a.内服薬 b.頓服薬 c.内服用滴剤 d.浸煎薬 e.湯薬
a.内服薬
処方例①の場合、こちらの処方は区分が「内服薬」となります。
内服薬の場合は、赤丸の投与量は1日に飲む薬の量を表します。
つまり、飲み方が1日3回毎食後とありますので
朝食後・・・1錠 昼食後・・・1錠 夕食後・・・1錠
合計で1日3錠服用するように調剤してください。という意味になります。
例えば Aカプセル50㎎ 50㎎ 6カプセル
1日3回 毎食後 7日分
という処方でしたら
朝食後・・・2C 昼食後・・・2C 夕食後・・・2C
合計で1日6C服用するように調剤してください。というのが処方医の指示になります。
b.頓服薬
bの頓服薬について
処方例b)
レンドルミンD錠0.25mg 0.25mg 1錠
不眠時屯用 5回分
処方例bの場合、投与量は「1錠」の部分になります。
頓服薬の場合は投与量は「1回に飲む量」が記載されます。
つまり、この処方の場合は1回に1錠飲むように5回分の5錠を調剤するのが医師からの指示となります。
c.内服用滴剤
処方例c)
【般】ピコスルファートナトリウム内用液0.75% 0.75% 20ml
1日1回 就寝前 15滴
続いて処方例cの場合、投与量は「20ml」の部分になります。
内服用滴剤の場合は投与量は「調剤するべき全部の量」が記載されます。
つまり、この処方の場合は全部の量が20mlとなるよう調剤するのが処方医からの指示となります。
d.浸煎薬 e.湯薬
最後に浸煎薬と湯薬は内服薬と同じく
投与量は1日に飲む薬の量が記載されます。
②注射薬 ③外用薬
また、注射薬と外用薬の投与量は内服用滴剤と同じく
「調剤するべき全部の量」が記載されます。
このあたり、文字だけだとわかりにくいかと思いますので、次回の動画で
実例をあげてお話しますので今日の所は全体像をなんとなくでも掴んでいただければと思います。
3.用法・・・薬を飲むタイミング
続いて3.の用法について
用法とは、薬を飲む回数や食後・食間・食前といった薬を飲むタイミングのことです。
処方例①の場合でしたら
「1日3回 毎食後」の部分が用法になります。
4.投与日数と回数
処方例①のように「内服薬」の場合は投与日数が7日分と記載され。
処方例b)のように「頓服薬」の場合は投与日数が5回分と記載されます。
以上、ここまでが処方せんの処方欄の見方、基礎知識となります。
もっと皆さんにわかりやすくお伝えできるように僕自身も頑張ります。
是非、一緒に勉強を頑張りましょう!
それでは最後までご視聴いただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?