電車の小さな短い恋の物語
気づいたとき、恋が始まっていた。
僕は、すぐに人を好きになってしまう。すれ違った人にもよく心をドクンドクンとさせられたものだ。
僕たち人間の多くは、時計のように生きている。同じ目的地でなくとも、いつも電車で見かける人をなんとなく覚えてしまうものだ。会社や学校、人それぞれ向かう場所は違う。しかし、同じ時間に同じ電車に乗るのだ。
嫌でも記憶に残ってしまう。
だが、君のことはすぐに覚えてしまった。君のカバンに書いてあった名前、ゆいなちゃん、、、白くて透き通った肌に、きれいな瞳、アダルトなスタイルで顔は少し幼い、天使のような子だ。
今までで出会った人の中で、一番心をドクンドクンとさせられたものだ。
声を掛けてみようか、、何て言えばいいんだ。
ただ同じ時間、同じ電車に乗っている人に好きになってしまいました、付き合ってください、友達になってください、連絡先を教えてください、などと言えば、どう思われるのだろうか、、、悪い想像しか浮かばない、
しかし、当たり前のような日常がいつまでも続くとは限らない。
君と過ごす時間を、永遠にしたいと願い、思い切って声を掛けてみようと、声を出した。
あ、あ、あ、あ、あの、、、(だめだ声が出ない、初めての会話でこんなダサい僕は、、ダメだ、、一周回って何も感じない、あぁ、)そう思って、ぼんやりしていると、、、
ん?と一言だけ、ゆいなちゃんが言葉を言い、首を少し右に傾けた。。
おっぱいがプルプル揺れ、サラサラな髪が揺れ、いい匂いがほんのり香った。アロマだろうか、、なんで女の子は良い香りがするんだろうと常々思っていたが、ゆいなちゃんは、すべてが特別だ。
今までとは比べ物にならないくらい、ドクンドクンと心臓の鼓動が永遠に収まらない気がした。
ドクンドクンドクン、、、ドクン、、ド、、記憶が遠のいてゆくのを感じた。鼓動が止まったのだ。
気を失ったようだ、なんて恥ずかしいんだ。ゆいなちゃん、、、
目を覚ましたが違和感を感じた。
あれ、僕ゆいなちゃんにキスされてる?????!
あれ、僕が見える、僕とゆいなちゃんが見える、、、
それは、僕から見えるはずのない景色だった。僕が感じた違和感は、鏡がないのに、自分が見えていたこと、ゆいなちゃんとキスをしていたことだ。
しかし、それはキスではなかった。
こんな僕を助けるために、人命救助をしてくれていたのだ。僕のファーストキス、、そして、きっとゆいなちゃんも初めてのキスだ。
一瞬冷静になった。あ、僕、、、死にかけてる、、、キスではなく、人工呼吸だったのか、、
でも、ゆいなちゃんにキスされながら死ねるなんて、僕は幸せだ。そう、幸せに浸っていると、ドスン!!ドスン!!!!
なんだこの音は、、、、
とんでもない巨体の女性が、どきな!すごく低い声で言った。電車全体に響く声だった。
嫌な予感がした。心臓マッサージの体勢だ。
こういうやつは絶対力加減をわかっていな、、、バキ!!!!!!!!!!!!!
、、、、、、、
、、、、
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