「あそこの本屋潰れるってよ」2024.8.21
地元の本屋に行った。帰省して早々に近々潰れるらしいという情報を聞いたからだ。昔から本屋に入り浸っていたから会う人会う人に行ったほうがいいよって言われた。そこまで言われちゃあ、地元から帰る前に一度は行っておかないとなということで今日行ってきた。
そこにはめちゃくちゃ行ってたし、めちゃくちゃ思い出がある。友達がUFOキャッチャーでiPod nanoを200円で手に入れたこともあった。今ではiPod nanoどころかiPodすら製造終了しているのだから時の流れは冷酷だ。思い出だけを残し、早々においていく。
この本屋も同じだ。我が家の教育方針として、本であれば大体なんでも買ってくれて、お小遣いの範疇外でもOKだった。おもちゃはそこまで買ってくれなかったが、本を読んでいれば楽しかったタイプの子供だったのだから非常に有益な制度であった。高校に入り行動範囲が広がるまでは、ここの本屋に入り浸っていた。最低でも週に1度は行っていた気がする。
本屋に行くまでも道中すらも思い出が敷き詰められており、なんともいえない気分になった。小学校の授業で植えた木々や、自転車で爆走した坂道なんかが感情を刺激してくる。夏っていう季節も相まってなんかソワソワしてた。KREVAのイッサイガッサイと同じで、今年は何かしたくてソワソワするあの夏の感じが、ソワソワしたけどなんもなくて夕方に本屋に行っていたあの思い出が蘇ってくる。ここで本屋以外に行っていれば、何かしら恋愛とか冒険とかの青春に発展してたんじゃないかと思えてくるけれど、本屋に入り浸っていろんな本とかマンガとかを読んでいたのも青春になっているんだからそれはそれで悪くないのかも。
店舗に入ってみると、昔とはだいぶ違っていた。まず、文房具やCD・DVD、雑貨のスペースが多く取られており、本が置かれているのは店舗の20%ほど。しかも、その本以外のスペースでは、在庫処分が行われており全体の30%ほどがデッドスペースになっていた。本が売れないせいで結果的に潰れることになったから仕方ないといえばそうなのだが、どこか物悲しい気持ちになる。何か一冊買おうと思ったけど、ここで買ってしまったら一生捨てられない気がして逆に買えなかった。どこまでもついてくるだろうなって思ってしまって。
他にも空き地に家が立ってたり、家が空き地になってたりと変化していてびっくりした。帰ってくるたびに変わらずびっくりするんだろうな。
では、また。