【浄土真宗の言葉】#55 その名号を聞きて、信心歓喜せんこと乃至一念せん。至心に回向したまへり。かの国に生れんと願ずれば、すなはち往生を得、不退転に住せん
その名号を聞きて、信心歓喜せんこと乃至一念せん。至心に回向したまへり。かの国に生れんと願ずれば、すなはち往生を得、不退転に住せん
【解説】
今回は本願成就文で、原文は
「諸有衆生、聞其名号、信心歓喜、乃至一念、至心回向、願生彼国、即得往生、住不退転」
となります。
これは普通であれば、以下のように解釈される文章です。
「其の名号を聞きて、信心歓喜して、乃ち一念に至るまで、心を至し回向して、彼の国に生ぜんと願ずれば、即ち往生を得、不退転に住す」
(衆生が阿弥陀仏の名号を聞いて、信心歓喜し、一念にいたるまで真実の心で回向して、極楽浄土に生まれたいと願えば、極楽に往生して、不退転に住する)
つまり、衆生の側が真実の心で回向するわけですね。ここでは主人公は衆生です。
ですがそれを親鸞聖人は、視点を逆にして、次のように解釈されたのです。
「その名号を聞きて、信心歓喜せんこと乃至一念せん。至心に回向したまへり。かの国に生れんと願ずれば、すなはち往生を得、不退転に住せん」
(衆生が念仏のいわれを聞き、疑い無く信じ喜ぶとき、その他力信心は阿弥陀仏が真実の心で与えてくださるものである。極楽浄土に生まれようと願えば、たちまち極楽往生することが定まり、退転しない身となる)
ここでは「回向したまへり」と、阿弥陀仏が主人公になっています。
今回のポイントは、衆生が努力するのではなく、阿弥陀仏の回向による救済だという点です。
衆生から回向するのではない、ということで、これを不回向(ふえこう)と表現します。
聖道門的な発想がある人にとっては、自分が清らかな心で善行や念仏することによって極楽浄土に往生できる・・・と考えるかもしれません。
ですが浄土真宗の救いは、それとは方向がまるで違います。
私たちが起こすような中途半端な善行では、極楽浄土には生まれられません。
あくまでも阿弥陀仏からプレゼントされる清浄な行信だからこそ、極楽浄土に生まれることができるわけです。
原文
http://labo.wikidharma.org/index.php/顕浄土真実信文類_(末)#no61
参考としてこちらもご覧ください。
至心に回向したまへり WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/至心に回向したまへり
本願成就文 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/本願成就文
その名号を聞きて、信心歓喜 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/その名号を聞きて、信心歓喜
本願力の回向 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/本願力の回向
名号 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/名号
信心歓喜 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/信心歓喜
乃至一念 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/乃至一念
信の一念 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/信の一念
至心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/至心
えこう 回向 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/えこう
おうじょう 往生 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/おうじょう
不退転 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/不退転
本願成就文 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/本願成就文
信心歓喜 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/信心歓喜
乃至一念 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/乃至一念
衆生 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/衆生
親鸞 親鸞聖人 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/親鸞
あみだぶつ 阿弥陀仏 弥陀 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/あみだぶつ
不回向 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/不回向
聖道門 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/聖道門
念仏 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/念仏
極楽 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/極楽
浄土 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/浄土
浄土真宗 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/浄土真宗
行信 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/行信
浄土真宗聖典目次 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/WikiArc:浄土真宗聖典目次
【今回の読み仮名】
名号‐みょうごう
信心歓喜‐しんじんかんぎ
乃至一念‐ないしいちねん
至心に回向‐ししんにえこう
往生‐おうじょう
不退転‐ふたいてん
本願成就文‐ほんがんじょうじゅもん
諸有衆生、聞其名号、信心歓喜、乃至一念‐しょうしゅじょう、もんごみょうごう、しんじんかんぎ、ないしいちねん
至心回向、願生彼国、即得往生、住不退転‐ししんえこう、がんしょうひこく、そくとくおうじょう、じゅうふたいてん
衆生‐しゅじょう
回向‐えこう
親鸞聖人‐しんらんしょうにん
阿弥陀仏‐あみだぶつ
不回向‐ふえこう
聖道門‐しょうどうもん
念仏‐ねんぶつ
極楽浄土‐ごくらくじょうど
往生‐おうじょう
浄土真宗‐じょうどしんしゅう
清浄‐しょうじょう
行信‐ぎょうしん
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【聞法している方へ、ご案内】
・『ゼロからわかる浄土真宗』
浄土真宗が基礎からわかるホームページです。
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・note『死ぬのが怖い人へ』
私の聞法の記録です。
https://note.com/ryuun18/m/mdef818dfed16
・「南無阿弥陀仏」の文字が入ったスマホ用壁紙を作りました。
縦横比は以下の2種類。
・2対1 (iPhone11/11Pro/11Pro Max, iPhone XS/XS MAXなど)
・16対9 (iPhone5/6/7/8, Androidなど)
色はウェブサイトでよく使われる12種類。
こちらでダウンロードできます。
http://amidabuddha18.com/kabegami/
・安心論題の話
http://labo.wikidharma.org/index.php/安心論題の話
・光雲な毎日(立読みページ)
http://koun18book1.blogspot.com/
・note『信心獲得したい方へ(浄土真宗の救い)』
信心に悩んでいる方は、こちらのページがおすすめです。
https://note.com/koun18/n/ndbc737a85fa4
南無阿弥陀仏