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【完全感覚宮古方言】忘れられないバッシライン

完全感覚宮古方言 Vol.1
「忘れられないバッシライン」

※「バッシライン」とは宮古方言で「忘れられない」という意味。

あらすじ
この物語は、沖縄県宮古島の美しい自然の中で、4人の高校3年生の友情、挑戦、成長の旅路を繊細に描き出します。ソラト、カイト、リクト、そしてミナミ――彼らの絆とそれぞれの夢はどこへ向かうのでしょうか。

登場人物
ソラト
明るく活発で強気な性格で誰とでもすぐに仲良くなれるような人物、嘘がつけない性格で少し口が悪いので、ケンカになる事もある、女好きで軟派な性格。
カイト
クールな性格で人付き合いは悪いが、仲良くなった人物には情が厚い、相手が男性でも女性でも関係なく接する、友達は少ないが女生徒からの人気は高い。
リクト
温和で優しい性格、体は鍛えられており、全日本学生重量挙げで2位の記録を持つ、女性と話すのは少し苦手、ソラトからもカイトからも信頼の厚い人物。
ミナミ
父親の仕事の関係で1年だけ宮古島に転校してきた。都会の大人びた雰囲気をもつ彼女に多くの男子は恋心を抱く。他の女子たちからは憧れと嫉妬を同時に集める。


第1話:ずっと好きでした


海の匂いを運ぶ風が心地よいある日、宮古高校で幼馴染み3人組のソラト、カイト、リクトは、高校生活の集大成として「バッシライン」というバンドを結成して卒業前に一度きりのライブを成功させることを夢見ていた。彼らはそれぞれ異なる性格と才能を持ちながらも、音楽という共通の情熱で結ばれていた。ギターボーカルのソラトは明るく人懐っこい性格で「プロの歌手になって世界中を回るんだ!」というのが口癖だった。ベースのカイトは物静かで一見クールだが情に厚い。ドラムのリクトは優しい性格で二人の間をよく取り持っていた。そんな中、東京から転校してきたミナミが彼らの高校に加わる。都会的で大人びた雰囲気のミナミにクラスの男子は色めきだった。自己紹介したミナミを一目見るなりソラトは立ち上がり「ずっと好きでした!」と告白し、ミナミはごめんなさいと即答する。クラスは笑いに包まれた。


第2話:それは、、、顔


ミナミの転校初日からソラトはミナミにアプローチをし始める。「私のどこが好きなの?」とミナミが聞くと、「それは、、、顔。」と答えた。クラスの女子たちからも「サイテー」と言われる始末。カイトはミナミの表面的な性格に疑念をもち、あまりミナミのことは好きではない。カイトはソラトに「ミナミはやめておけ」と忠告するが、「いやーそれは無理だね。オレ忘れられないもん。ミナミのこと。」とソラトは答えた。その後、ミナミはリクトを遊び半分で誘惑し、カイトに厳しく嫌われることになる。


第3話:トラウマ


ある日、ミナミが過去に東京でアイドル活動をしていた事実が学校中に知れ渡り、教室が混乱に陥る。ミナミは当時歌手を目指していたがアイドル活動の中で自分の顔だけが注目されて、自分の歌なんて誰も聞いてないという過去のトラウマから歌手の夢とアイドル活動を休止していた。クラス中がざわつきミナミを生徒たちは取り囲んだ。見かねたリクトがミナミの前に割って入り静止しようとしてると、後ろの席でソラトが歌い出した。それはミナミが顔を隠して配信していたインディーズ時代に作った歌だった。「なんで、、、その歌知ってるの、、、?」という問いに「あー。バレちゃったか、、、。オレ、ファンだったのよ。ミナミ」と恥ずかしそうにソラトは笑った。「なんだよお前知ってたのかよ」と周りの生徒は呆れた様子。「同じ年ですげえ歌上手くって憧れたわ。急に新曲が出なくなって寂しかったけど、きっと何か理由があったんだろ。みんなも自分がされたくない事すんなよ。」と言われ周りは静まり返った。廊下に集まっていた他のクラスの生徒に「そういう事だから。自分とこクラスに戻れよ。」とカイトが促した。

第4話:ヘタクソ


バンドメンバーは卒業ライブに向けて練習を重ねる。ソラトはミナミの歌に一目惚れしていた。実はソラトが音楽を始めたキッカケがミナミの歌に出会った事だった。ミナミに音楽についてのアドバイスを求めるが、ミナミは厳しい言葉を投げかける。「あなたの実力じゃプロになんてなれない。特に歌はヘタクソ。」と言われてもソラトは諦めない。ソラトのしつこさを嫌がりつつもミナミは歌の練習に付き合ってくれるようになる。ソラトはミナミからのアドバイスを胸に、歌の練習に励むが、3人とも高校卒業後の進路を決めなくてはいけない時期に入り、夢と現実の間での葛藤が深まる。カイトは家業の漁師を継ぐ決意を固め、リクトはスポーツ推薦で進学に向けて準備を進める。4人の関係は、徐々に変化していく。

第5話:告白


4人は学校生活をドタバタしながらも練習の合間にライブのチケット売り出しを開始した。ライブのチケットを自分達で苦労して売り切った4人は来週のライブにそなえる。その日の夜、ソラトはミナミに告白する。ミナミは断るが、ソラトの情熱に心を動かされる。ソラトは「オレが世界で活躍して、世界中の美女からモテモテになって、後悔しても知らないからな!」と笑った。ミナミは「そんなのありえないから」と微笑んだ。ソラトは笑顔で去っていった。雨が降り始めた。

第6話:犠牲


次の日の朝、ソラトが交通事故にあった事を3人は知る。トラックにはねられそうになった子供を助けようとした結果だった。ソラトを失ったショックに3人は襲われる。特にミナミは最後にソラトにツラい言葉を言った事を強く落ち込み、部屋に引きこもるようになる。ミナミの家にカイトが訪ねてきてミナミに厳しい言葉を投げかける。「もし本当に申し訳ないと思ってるなら、お前が歌え。」と言って、ミナミにボーカルをするよう提案する。

第7話:ライブ


ライブ当日、天気は曇り、ボーカル変更という報告に困惑する観客が暗い雰囲気に包まれる中、ミナミが歌い始めると雲の隙間から晴れ間が広がっていった。最初は戸惑っていた観客も、ミナミの感情に訴えかける歌声で徐々に観客は心を掴まれ、会場は盛り上がっていった。ライブは大成功に終わり、ソラトへの思いを込めた歌声は、忘れられない思い出となり、みんなの心に刻まれた。

第8話:忘れられないバッシライン


時は流れ、大学卒業から10年後、リクトはオリンピックのレスリング男子77kg級で銅メダルを獲得後に選手を引退し、自身の経営するパーソナルトレーニングジムの10店舗目のオープンのために宮古島に来ていた。仕事を終えたリクトはミナミの経営する民謡居酒屋に入った。座敷にはカイトが五歳になる息子のミナトと共に座っていた。席にミナミも合流し、思い出話を楽しんだ。「ソラトが旅立ってもう10年か。なんだかあっという間だね」とリクトがつぶやくと、「その間にお前はオリンピックに出場して、今では社長か」とカイトが笑った。「あれから本当に色々な事があったね。」とミナミが微笑んで話すとテレビに顔を向けた。画面に映る音楽番組でアーティストが紹介されている。そのアーティストは高校卒業後すぐにメジャーデビューし、3年後に渡米、海外の様々なアーティストから愛されコラボを続ける日本人ギタリスト。10年ぶりの日本帰国のタイミングで懐かしのデビュー曲を演奏する。司会者が曲の紹介に入り演奏が始まる「さあ皆様お待たせしました。沖縄県の宮古島から世界に羽ばたいた彼が帰ってきました!次はこの曲、「忘れられないバッシライン」です!」 


あとがき

最後まで読んで頂きありがとうございました!
この企画は沖縄の株式会社琉縁(りゅうえん)という会社で
宮古島になにか貢献しよう!という想いで始めました。(社長の故郷)
宮古方言ってコトバの響きが面白くって、それを単純に楽しんでもらい、
あわよくば覚えてもらおうと考えて楽曲〜物語までAIを活用して制作しました。この活動を応援してくれる方は下部より投げ銭(購入)お願いします。
「完全感覚宮古方言」

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