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陵は完全に意識を取り戻した。知らない場所だ。そのことを確認した陵は怪訝な顔で呟いた。 …
「大塚くん。今日、家に戻らなくて平気?」 家から少し歩いたところで結衣が唐突に言う。何…
「うわー、なんか異世界に行ってた気分」 夕方の人混みの中でそう呟き、陵は鞄を抱えてもう…
「及川さんこんにちは。大塚さんは、初めまして。私立清陵高等学校の生徒会長を努めている市ノ…
何度か制服を着る練習をして数日後、陵は再びあのカラオケ屋で結衣と会う約束をした。他の場…
結衣とたくさん話が出来て、浮かれた気分で家に戻ったところで陵は怒鳴り声を上げた。 「何…
テーブルの上のかごの中にワイヤレスマイクが入っているのを見て、陵はここがカラオケ屋だった事を思い出した。最近、カラオケルームを秘密の話ができる個室として使っている気がする。ふと思いついた秘密という単語に、陵の心がざわめいた。 「大塚くん……あの……」
「実は、この前、帰って確かめたら、こういうことになってて」 空になった食器をテーブルの…
勇気を出して結衣に電話をかけ、待ち合わせの約束をした場所に着いて十分が過ぎた。さすがに…
リビングに入ると、母親は浮かれまくっていた。そして、清陵高校から送られてきた入寮パンフ…
「な、なんかどさくさ紛れに告白して、ごめん」 ほとんど無意識にぽろりと告白してしまった…
今日はカラオケ屋も暇なのか、二人だというのに案内された部屋はかなり広かった。おしぼりを…
隣のクラスのとある女子……同じ学校の生徒だけじゃなく、他の学校の生徒も密かに狙っている…
人々の怒声、甲高い悲鳴、半狂乱の泣き声。それらがあっという間に街を埋め尽くした。どこからともなく現れた異形は、あるモノは昆虫にも似ていて、あるモノは獣にも似ている。様々な形のソレに共通するのは、人間を捕食する習性を持つ、ということだった。 それらは俗に魔と総称されている。一目ですぐにこの世界に相容れない異物と判るためか、自然とそれらの存在は魔と呼称されるようになったのだ。