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3x3トーク vol.1 〜3x3は個人技ばかり?〜

こんにちは。

タロウです。

そろそろ本業である3x3について書いていきたいと思います。(そう言えば今まで一度も書いていなかった笑)

これから3x3について書いていくときは”3x3トーク”としてシリーズ化していくのでお付き合いいただけたら嬉しいです。

というわけで今回はvol.1、サブタイトルは”3x3は個人技ばかり?”です!

ちなみに今回書いていくきっかけとなったのは、以前3x3クリニックで高校生を教えた時に先生から言われた『3x3でドリブルからの1on1の力をつけさせたいんだよね。』という一言です。

僕としては3x3をプレー上で重要なのは、状況判断する力、スペーシングの取り方、DF強度、外からのシュート力などその辺りなのかなと感じています。(他にもたくさんある)

この辺りを中高生に体感してもらうことで、3x3という競技の普及はもちろん5人制にいい影響があるのではないかと感じていたわけです。

しかし、その先生の中には3x3=ドリブルで1on1というイメージがあったようです。もちろん3x3においても1on1は必要なスキルであるので要望通り教えさせていただきました。ただし、それだけでなく3x3という競技のそれ以外の良さをお伝えさせていただき実践していただいたところ、『3x3がこんなに考えることが多くて5人制に生きるとは思わなかった。3x3という競技について全然知らなかった。』というお言葉をいただきました。

この出来事は、まだまだマイナースポーツである3x3に対する世の中の認識と現場でプレーしている僕たちの3x3に対する認識にギャップがあるということを教えてくれました。同時に僕としては、3x3の良さをもっと広めていかないといけないなと感じました。

というわけで今回はそんな3x3における個人技のイメージを覆していきたいと思います。

では行ってみましょう!

1on1は体力的に限界がある⁉︎

3x3では一人に求められる役割が多いです。チームにも依ますが時にはシューター、時にはスクリーナー、時にはハンドラーなど5人制よりもオールラウンドな役割が求められます。これらを3人という少ない人数で常に動きながら行わなくてはならないので相当な運動量が必要です。

3x3をプレーしたことがある人ならあのキツさがわかるかと思いますが、本当にキツいんです。初めてプレーした時はこれを1日に何試合もするとか頭いかれてると思いました。笑

また、3x3では5人制よりもDFのファールがなりにくいです。(ファールの基準が違いう)そのためレベルが高くなればなるほど、ボールをもらう前にも後にも相当なプレッシャーを掛けられます。

ただでさえ激しい運動量を求められるのに、異常に激しいプレッシャーの中で1on1をするのは相当ハードです。笑

また、3x3ではOFだけではなくDFにも力を入れなければなりません。3x3はどちらかが21点を先取した時点で試合終了というルールがあります。もしハイスコアで競ってしまうと運による要素が勝敗に大きく影響してしまうので、失点はなるべく抑えたいのです。そのため、自分たちがDFの時は逆に激しいプレッシャーをかけることが求められます。

こうした理由から、OFを1on1中心に組み立てるのは体力的に限界があるのです。

個人技よりも個人戦術が必須

3x3において1on1は、先ほど述べたように体力的に厳しい場合が多いです。そんな状況で1on1からシュートを打つ場合、DFを抜き去るのは難しいでしょう。ほとんどのシュートがDFによる影響を受けるかと思います。

こうしたシュートは期待値が低くなります。

では、どうするか。

3x3において狙うべき期待値が高いシュートとは次の2つです。

①フリーのリム周りのシュート

②フリーの2ポイントシュート(5人制で言う3ポイントシュート)

まずは①について。3x3では5人制よりも一人当たりのスペースを広く使えます。そのため、スペースを使ったプレーが有効です。例としては、バックカットやP&Rによるスペースへのダイブなどです。簡単に抜ける相手と対峙した場合の1on1や体格差のあるマッチアップでのポストプレーもここに含まれます。

次に②について。フリーの2ポイントシュートを1人で作り出すには限界があります。プルアップで打つにしてもDFはまず2ポイントを消してくるので、相当な技術差がない限りそう簡単には打たせてくれません。ここで有効なのがキックアウトとスクリーンを使った動きです。

ま、簡単にいうと、ノーマークのゴール下かノーマークの2ポイントを作りましょうという話です。笑

これら①②のシュートを作り出す場合、多くの場合2人以上のプレーの関与が必要です。そしてそれらを再現性のあるものにしていくためにチーム戦術が存在します。しかし、チーム戦術を遂行していくためにはそもそも個人戦術が必要なのです。

ここで言う個人戦術とは、オンボール、オフボールに限らず、個人として意図持って正しい状況判断を行い実行することを指します。

例えば、バックカットについて考えてみても、DFの位置、身体の向き、ボールマンの位置など考えなくてはいけないことがたくさんあります。もしDFが下がっているのならその場でもらってシュートを打った方が良い場合もあるでしょう。また、P&Rにおいても同様に、相手のDFの種類、スクリーンの角度、飛び込むスペースなど考えることがたくさんあります。

こうした状況判断を個人個人が適切にかつ瞬時に行い、最適な動きを実行する個人戦術が、より期待値の高いシュートを作り出すために必要なのです。

実際に3x3のトップチーム同士の試合を見てもらえればこれが分かるかと思います。派手な1on1はあまり起こらず、ぱっと見スキルのある選手もそう多くはないのですが、一つ一つのプレーの判断と精度は抜群です。僕個人としてはこうしたスキルこそが本質的に個人技と呼べるのではと考えていますが、多くの場合、個人技と言うと派手なドリブルやパス、難しいシュートを決めきることを指しているのではないでしょうか。

また、これは5人制においても同じことが言えると思います。

もし『あいつ試合に出ているけどあんまりバスケ自体は上手くないんだよな〜』と言う選手がいたらその選手は個人戦術が高いレベルにあるのかもしれません。

試合に出れずに悩んでいる選手は、そもそものプレーの判断は正しかったのかどうかなど、個人戦術について考えてみることをお勧めします。

そして3x3は個人に与えられている判断の裁量が5人制と比べてより大きいので個人戦術を磨くにはもってこいです!おまけに人数も少ないのでシュートを打つ機会も多いです。控え選手という概念もないので全員が主体的にプレーすることができますよ!

最後に

今回は3x3における個人技による1on1の有効性について考えてみました。

誤解されないように言っておくと、僕は1on1は必要であると考えています。ショットクロックが残り少ない場合やスクリーンでのズレを作ってからの1on1など1on1が有効な場合は多々あります。一選手としてはそうした機会をより有効にするためにも個人技を磨く必要があると考えています。しかし、あくまで最初に狙うのは期待値の高いシュートです。マッチアップによっては1on1の方が期待値が高い時があるかもしれませんが、実際はそうではない場合が多いので、まずは個人戦術を磨いて適切な判断をしながらチームとしてより期待値の高いシュートを作り出しましょうというのがここでの結論です。

1on1はあくまで手段であり、目的は再現性のある期待値の高いシュートを作り出すことなのです。

また、再現性の高いOFを目指すことでIQが高まり、DFの読みにも繋がります。

バスケットボール選手として成長するために皆さん個人戦術を高めましょう!

そのための手段として3x3が有効ですので是非コロナ明けの練習に3x3を取り入れてみてはいかがでしょうか?

自粛明けのクリニックのご依頼もお待ちしております!笑

では、また次回!

(面白いと思ってくださった方はスキをお願いします🙇‍♂️)

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