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本当にNetSuiteのアノ機能はイケてないのか?①~ケース管理で業務効率化を実現する方法〜
1. はじめに
中小企業のIT部門において、システム窓口としての役割を担うことは重要ですが、多くの企業で課題を抱えているのが現状です。
「現場からの問い合わせ対応が属人化」「対応状況の可視化が困難」「進捗管理が曖昧」といった問題が頻出し、業務効率が悪化しています。
私達、導入チーム内でも、「問い合わせ管理はサードパーティ製のツールを利用したほうが良いのでは?」という意見も少なくありませんが、NetSuiteの標準機能であるケース管理を正しく設定・運用すれば、これらの課題を十分に解決できる可能性があります。
本記事では、一般的な中小企業のIT部門が抱える問題を整理し、NetSuiteケース管理の具体的な使い方や設定方法をご紹介します。
2. 一般的な中小企業IT部門の課題
よくある課題
1. 属人化
IT担当者一人に頼りがちで、ナレッジが共有されない問題が発生します。担当者が不在になると対応が滞り、現場のフラストレーションが溜まります。
2. 問い合わせ対応の記録不足
問い合わせ内容がメールや口頭でやり取りされるため、履歴が残らず、過去のやり取りを振り返ることが困難です。
3. 問い合わせの優先度管理の曖昧さ
重要な案件が後回しになったり、対応が遅れることで信頼を失うケースもあります。
4. 進捗状況の可視化不足
チーム全体で対応状況を共有できず、案件が抜け落ちたり進捗が滞る問題が発生します。
5. 対応スピードの低下
案件が溜まりすぎると、対応のスピードが低下し、現場の不満が増加します。
出典
• 「中小企業のIT活用に関する調査では、IT導入の課題として『IT導入の旗振り役が務まるような人材がいない』が挙げられており、IT部門の属人化が指摘されています。」
(引用元: 東京商工会議所)
• 「中小企業庁の報告によれば、DX推進に関わる人材不足が課題となっており、IT部門のリソース不足が問題視されています。」
(引用元: 中小企業庁)
3. NetSuiteのケース管理が解決する5つのポイント
NetSuiteには「ケース管理」機能が標準搭載されており、問い合わせや依頼を「ケース」として記録し、進捗を追跡することができます。これにより、以下のような課題を解決できます。
ケース管理の具体的な利点
1. ナレッジ共有の促進
全てのケースを記録することで、属人化を解消し、担当者間で情報を共有可能にします。
2. 問い合わせ履歴の一元管理
問い合わせ履歴を自動的に保存し、過去の対応状況を簡単に振り返ることができます。
3. 優先度に基づく対応管理
ケースに優先度を設定することで、重要な案件を迅速に対応する仕組みが整います。
4. 進捗状況のリアルタイム可視化
ダッシュボードで対応状況を一目で確認でき、チーム全体の進捗を管理できます。
5. 対応スピードの向上
ワークフローの自動化や適切なタスク割り振りにより、対応スピードを向上させます。
4. NetSuiteケース管理の設定方法
NetSuiteケース管理を始めるには、以下の手順を実施します。より具体的な手順は、Qiita記事をご参照ください。
初期設定手順
1. ケースタイプと優先度の設定
ケースを分類するためのタイプや優先度を定義します(例: 緊急、高、中、低)。
2. サポートチームの割り当て
各ケースに担当者やチームを割り振る設定を行います。
3. ワークフローの構築
ケースの進捗に応じて、対応フローを自動化します(例: 新規→対応中→解決)。
運用手順
1. 問い合わせを受けたらケースとして登録。
2. ダッシュボードで対応状況を確認し、適切にフォローアップ。
3. 問題解決後、ケースをクローズし履歴として保存。
5.導入後の未来
1. ナレッジ共有の強化
ケース管理を活用することで、問い合わせ対応の情報が全員で共有され、属人化が解消されました。
2. 問い合わせ履歴の参照が容易に
過去のケースがすべて記録されているため、同じ問題に対して効率的に対応できるようになりました。
3. 優先順位に基づく対応が可能に
ケースに優先度を設定することで、重要な案件を迅速に対応し、現場の満足度が向上しました。
4. 進捗状況の見える化
ダッシュボードで対応状況をリアルタイムで確認できるようになり、対応漏れが激減しました。
5. 対応スピードの向上
自動化されたワークフローにより、チーム全体の業務効率が向上しました。
6. まとめ
中小企業のIT部門が抱える課題を解決するために、NetSuiteのケース管理は非常に効果的です。
属人化の解消、問い合わせ対応の効率化、そして業務全体の可視化を実現できるツールとして、ぜひ導入を検討してみてください。
また、導入時には「まずはNetSuiteの標準機能を試してから、必要に応じてサードパーティ製ツールを検討する」というステップを踏むのがおすすめです。これにより、過剰なコストを避けつつ、業務効率化を実現することができます。