Ryu Ishihara

編集者 / @RtIs09

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最近の記事

じいちゃんと、30歳の誕生日

今年の1月、じいちゃんが死んだ。急性肺炎だった。年末に帰省して、元旦を迎えるまではピンピンしていたじいちゃんが、1月4日に入院してそこから急にだった。 ちょっとした体調不良だろうと深刻に考えていなかった自分は、じいちゃんが入院した翌日に金沢へ小旅行をしていた。入院して2日後、母から危篤の連絡を受けたとき、自分は石川県最北端の街にいた。本当はもう一泊する予定だったが、速攻でホテルの荷物をまとめ、タクシーのお釣りも受け取らずに金沢行きのバスに乗り、地元の駅へと急いだ。なんて交通

    • アーティストにはなれないけど、ストーリーを伝えることはできる〜勝手に編集後記

      「僕は、"伝える"というのベクトルの始点と終点にいる人が少なければ少ないほど、純度が高く、強くなりやすい、と思っています。「自分のこの気持ちをあの人に伝えたい」という強く、そして個人的なベクトルこそが、結果的に多くの人の心に残るのだと思っています。」 伏し目がちに、でも明らかに語気を強めて、写真家・映像作家の奥山由之さんが発したその一言は、今回の特集に対する編集部、そして私自身の姿勢を象徴していた。 Forbes JAPANに転職してちょうど1年たったくらいから、担当デス

      • シーン別。元女性誌編集部アルバイトが選ぶ、99%喜ばれる手みやげ

        何でもない日に、手土産を人にあげるのがすごくすきです。 私は銀座にある某女性誌編集部で4年間アルバイトをしていました。雑誌編集の現場では、様々なシーンでちょっとした手みやげが活躍します。 私がアルバイトをしていた出版社では2誌で定期的に手土産特集を組んでいるので、その号のアシスタントで入ったときは指示された各所へピックアップしに行っていました。そのおかげもあり、おいしいけど高すぎない、お手頃だけどなんとなく”知ってる感”がある手みやげのお店を覚えました。 いくつか挙げる

        • 心に余白がないと良いものと出会えない

          日曜日、熱めのお風呂にゆっくり浸かり、テレビを見ながらダラダラして22時には寝た。月曜日は往々にしてどこか気だるさがあるのに、今朝はすっきりと出勤できた。 その気持ちよさが忘れられず、今日は早めに退社。帰宅後すぐに熱めのお風呂でのぼせるまで浸かり、からからの喉を潤そうと常温の水をごくごく飲んだ。すごく気持ちがいい。新調したシャンプーの香りも最高だ。 自分ごとではないから同感はできないけれど、とてもテンポの良い、心地良い文章だなと思った。同時に、最近こういう文章に出会ってな

          1年半で1記事単価が1,500円から50,000円になったライター業と、卒業に向けての雑感

          卒業も間近に控え、春が目の前で足踏みしている今日このごろ。遅く来た花粉症、鼻づまりでご飯の味がしません。辛いです。 タイトルですが、大学生活をぱらぱらと振り返ってみたくなった大学生の日記ですのであしからず。あと長いです。 私の大学生活はずーっと「メディア」に関わり続けた4年間でした。意識が高すぎて結果的にぽきっと折れてしまった学生団体時代は広報でサイト運営に関わり、その後は各ウェブメディアやファッション誌・ライフスタイル誌の編集やライティングなど。幼少期から本が大好きだっ

          1年半で1記事単価が1,500円から50,000円になったライター業と、卒業に向けての雑感

          親離れできない自分と、子離れできない両親

          私は、長期休みになると時間をとってなるべく実家へ帰るようにしている。実家が好きだからということはもちろんだが、なにより祖父母や両親が帰省を待ちわびているからである。 たまにくる両親からのLINE、祖父母からの電話。東京での生活を案じてか、かなり心配してくれている様子。実家から東京へ戻る日になると、祖父母は「せっかく来たのに、もう帰っちゃうんかい。今度はいつ来る?早く帰っておいで。」と言って寂しい顔をする。それを見て、なんだか私の心も締め付けられる。今回の帰省では、昼間からべ

          親離れできない自分と、子離れできない両親

          「憧れの世界」は1ヶ月に1度くらいがちょうどいい

           自分を取り巻く世界は、1割の憧れと9割の現実でできている、と最近感じる。  忙しなく動いていたこの1ヶ月間。その鬱憤を晴らすように、一段落した週末に、本を3冊読んだ。同じ棚の前で1時間近く立ちすくみ、じっくり考えて選んだ本だ。  私は、本を読む環境をすごく大事にしている。本を読むとは、すなわち別の世界に入り浸るということ。つまり、本を読む周りの環境も、いつもとは違った世界でなければいけない。  ということで、私は毎月買っている雜誌・アンドプレミアムのような世界観に

          「憧れの世界」は1ヶ月に1度くらいがちょうどいい

          節分の豆

           私が小学生3年生くらいの頃、節分といったらそりゃもう一大イベントだった。2月2日の夜、寝る前から胸を高鳴らせていたものだ。 それはなぜか。小学校の給食に、「節分の豆」が出るからだ。私の地区では、ただ煎っただけのなんでもない「豆」が、献立表上では、給食の目玉であるプリンやゼリーと同じ「デザート枠」に登録されていた。 「デザート枠」で登場するデザートたちは、クラスの男子からはもれなく愛され、食べることを放棄した数名の女子からいかに頂戴することが出来るかということが、クラスの

          薄いコナコーヒーと、騙すこと

           今日は成人の日。あれから2年も経つのかと思うと、時の流れが早いと思わずにはいられない。数年ぶりにあう友人達だらけだったあの日は、「おれ、東京でこんなに頑張ってるんだゼ」とやけに自慢していた気がする。地元に残る人が多かったので、大都会・東京で何かをしているということだけで誇らしさを感じつつ、ちょこっと挟む大袈裟なウソ(別に言っても分からないからいいだろうと思っていた)に、ほんのちょっと罪悪感を感じながら。  2015年の成人の日は、朝起きてからそういえばと気づいた。いつもよ

          薄いコナコーヒーと、騙すこと

          初夏の匂い

          テスト勉強をする、レポートをするという口実で、特に予定を入れずまっすぐ家へ帰る。帰ってもすぐに勉強するわけじゃないのに。 大学のキャンパスでは蝉が忙しなく鳴き、ベンチに座っている学生たちは夏の陽気につつまれながら、テスト勉強に追われていた。そんな人達を横目に、そそくさと家に帰る。 電車内ではYouTubeを見ていた。そのまましばらく揺られていると、オレンジ色の光が電車内をぱっと照らした。電車が地上に出た合図だ。住宅街を走る電車の窓から見える夕日と、夕日が照らす川や街並みが

          初夏の匂い

          言葉に疲れた自分を癒やすのは、言葉でしか無かった

          タイトル通り。 最近は雑誌の方で知り合いを増やすために無理矢理つなげてもらって話したり、インターン先でがむしゃらに仕事をしている毎日。本当に、表情には出さないけど、毎日打ちひしがれてる。想像以上に厳しい現実と、自分の何も出来ない無力さに絶望し続けている毎日だ。 大好きなTwitterと、数少ない知り合い頼みの細い糸をフル活用して、いままで会ったことのないようなジャンルの人達と積極的に会ってきた。彼らは自分に対して、本当に色々な言葉をかけてくる。時には悪魔の囁きのような

          言葉に疲れた自分を癒やすのは、言葉でしか無かった

          レモンスカッシュみたいな音楽

           先週の日曜日、METROCKという野外フェスに行ってきた。もともと1人で参加しようと思っていたのだが、偶然同じフェスに来ていた友人とその友人と合流し、3人でフェスを回ることにした。  2日目はウルフルズからのスタート。メンバー達のカラフルスーツと力強く男臭い、かつとても繊細な音楽に散々酔いしれ、僕らのフェスはこれ以上無い良いスタートを切った。次のアーティストは、僕ら世代の「THE 青春」といっても過言ではない、フジファブリックだった。  ボーカルの志村さんが亡くなってか

          レモンスカッシュみたいな音楽