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1/13『あまから手帖』1月号谷町特集&『食べる仕事 門上武司』発売1周年記念イベント クリエテ関西発刊 テーマ【大阪の食文化と谷町の思い出】ゲスト:   フードコラムニスト 門上武司 さん 報告レポート


今回のテーマは、「大阪の食文化と谷町の思い出」でした。

門上さんは、いつも正装で来られるとのことで、今回は、お正月ということもあり、お着物で、お迎えしました。


イベントは何度やっても毎回緊張するのですが、門上さんはどのような質問にも分かりやすく応えて下さる引き出しの本当に多い方でした。


谷町の〝タニマチ〟と言われた由縁について、門上家の母方のお墓のあった谷町のお寺さんは、相撲の春場所の時に稽古場となっていたそうで、毎年春になると、お相撲さんが沢山来られたと話して下さいました。思わず隆祥館書店にもよく来られていたお相撲さんのことを思い出し、懐かしくお話しました。


また、谷町筋に建てられた都住創というゼロから構想して建てて下さる住まいのお話など谷町ならではの話をお聞かせくださいました。

他にも谷町の思い出として学生時代に行かれたジャズ喫茶、POKO(ポコ)、サブの話、をして下さいました。


そこで、ご著書「食べる仕事 門上武司」の中に書かれていた門上武司という人間を形成したという伊丹十三さん、澁澤龍彦さん、加藤和彦さんのことを、お聞きしたくてたまらなくなったのでした。

多感な青春時代の門上青年に大きな影響を与えたのが、伊丹十三氏。

澁澤龍彦氏の描くエロティシズムに衝撃を受け、氏の執筆したものを片っ端から読み漁り、著者目録まで作成したというからすごい。受験生でありながら、ジャズ評論家の久保田高司氏と同人誌を立ち上げた門上青年は、澁澤氏のインタビューを取り付けられたそうです。お聞きしていてその行動力に、圧倒されました。澁澤氏との出会いは、門上さんのライフスタイルに大きな影響を与えたといいます。


また、ファンレターを出したことで佐藤隆介氏(東京大学教養学科(フランス科)卒。広告代理店のコピーライター、編集者を経て、池波正太郎の書生を10年間務めた)と知己を得られます。親しくなってからは、門上さんが雑誌などの執筆をする際、いつも佐藤氏が添削をしてくれたというのだから本当に縁にも恵まれておられます。その後50年近く師弟関係が続くこととなったそうです。


イベント事業を展開され、その接待の中で美味しいお店にお連れするということを長年続けられていた門上さん。阪急百貨店の周年記念のイベントの時には加藤和彦さん、安井かずみさんもゲストとして呼ばれたそうです。そうこうしているうちに大阪に、食の面白い記事のかける人間がいるということで、マガジンハウスのBRUTUSの連載の原稿依頼が来たそうです。


当時は、出版業界が、右肩上がりだった頃で、マガジンハウスからの原稿料の収入が、ご自身の会社の年収を越えたというから雑誌黄金期の時代だったと思います。

このような人への興味と食を通じた縁を通して「門上武司」という存在が形成されたのです。



第二部では、藤原辰史さんの縁食論について、お聞きしました。

縁を繋いでいく食という藤原辰史さんの研究や、考え方に大きく共感されたと仰る門上さん、この本のコンセプトにしたいと思われたと話されていました。

子どもたちが何もないところから集まってきて、気が付けば家族ぐるみで付き合って、生きる力になる子ども食堂のこと、また、食事は誰と共にするか?ということも大きな要素であると思ったのでした。


谷町の美味しいお店から、岡山県、静岡県、北海道など、全国の美味しいお店を写真を見せて下さりながら丁寧にご紹介下さいました。本当に贅沢な時間でした。(一部掲載させていただきます)


会場の皆さんは、スマートフォンで、バシャバシャ写真を撮っておられました。

365日のうち350日は外食と仰る門上さん

おうちでは何を召し上がっておられるのか?

ゲノム編集された食物の安全性についての研究は進んでいるのか?

など質問も多岐に渡りました。

最後に、これからの食についてお聞きすると、食事を楽しむことだとお応えくださいました。

門上さん、ありがとうございました。

クリエテ関西の高橋さん、ありがとうございました。

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