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11/24「在日サッカー、国境を越える」筑摩書房発刊 「ぼくは挑戦人」河出書房新社発刊テーマ 『 夢を叶えるために、できること』ゲスト: 安英学さん ちゃんへん.さん聞き手: 木村元彦さん 報告レポート

今回は初めての試みでした。隆祥館書店の多目的ホールでちゃんへん.さんのジャグリングと安英学さんのリフティングの競演を行ったのです。

通常ですと、椅子をすべて前面に向けて並べるいわゆるシアタースタイルですが、やはり、ジャグリングもリフティングもスペースが必要になります。

何日も前から椅子をどのように並べるか、何度もシュミレーションして考えました。オンラインで参加して下さる方々にもできるだけそのパフォーマンスの凄さを伝えたい。全身を撮るためには、どこから撮るのが理想か?設営も当日まで悩みました。

結局、第一部は、トークで、第二部の休憩を挟んで、椅子をさらに移動させて、パフォーマンスをできやすい場を作る。そのような形で臨みました。

さて、第一部のトークの方ですが、今回のテーマは、「夢を叶えるために、できること」でした。
聞き手を、「在日サッカー、国境を越える」著者で、ちゃんへん.さんの「ぼくは挑戦人」の構成された木村元彦さんがつとめて下さり、おふたりのこれまでの人生について、本を読んでいない方々にもわかるように、丁寧に伝えて下さいました。

おふたりの共通点は朝鮮半島にルーツをもつ在日であること、そして二人とも母子家庭、そして、運命を変える人との出会いがあったことでした。



ちゃんへん.さんは、幼いころ壮絶ないじめを受けていましたが、真屋さんというひとりの人間と公園で出会うことで、人生が変わります。

保護者などから、怪しいおじさんとして敬遠されていた真屋さんは、酷いいじめに遭っていたちゃんへん.さんをミニ四駆作りに誘います。

「まさ君、説明書通りに作っても、全く同じ速さのミニ四駆は絶対に作られへんねんで。人間も一緒やで。同じ育て方をしても、全く同じ人間には絶対にならへんねん。まさ君、今、色々しんどいやんな。でもな、人生今だけを見たら、しんどいかも知れんけど、人生長い目で見たら幸せやなって思える時がきっと来るから、死ぬとかそんなこと絶対考えんといてな!」と励ましてくれます。そこから好きなことを突き詰めてジャグリングのプロになって行く道を目指すのです。



ちゃんへん.さんが米国へ行くために韓国パスポートを取るときのエピソードは涙が溢れました。


安英学さんは、高校でもうサッカーを引退しようとしていたときに親戚のお兄さんにかけられた「本当はサッカーを続けたいんだろ。プロになるためにやるだけやって、それでだめなら胸を張って帰って来い」という言葉と、闘将こと、朴さんという、献身的な指導をしてくれた先輩との出会いで、Jリーガーにまで登りつめます。


印象に残ったことは、安選手と朴さんとの一対一の練習でのことでした。
相手が蹴りやすいように、右足に出すのか、左足に出すのか、センチの単位まで意識していたと言われました。一本一本を大切に、いい加減な気持ちでキックしたことは、一度もなかったそうです。



19歳の段階で無所属でサッカーで生きていけるかも何の保証もないのです。そんな中でも毎日、懸命にボールを蹴り続けた安選手。

朴さんの思い、安選手を魂で育てる真剣な気持ちが安選手にしっかりと伝わっているのです。この時、シンクロの井村先生が、マンツーマンで指導して下さった時のことを思い出しました。

努力が実って大学卒業後、アルビレックス新潟に入団し、悲願のJ1昇格に貢献しチームからもサポーターからも愛される選手になります。そして北朝鮮代表に招集されます。そこでも最初はお客さん扱いだったのですが、ついにレギュラーの座を勝ち取ります。


お話を聞いているうちに、安英学選手の、どんな逆風にも負けないその精神力、そして原動力は、いったいどこから来るのか?聞いてみたくなりました。

幼いころからお兄さんに鍛えられて負けずに嫌いになったこと。そして、何よりも自分が頑張ることで、同じような逆境の中で頑張っている子どもたちの目標になることを意識されたのです。ご自身が闘将に指導してもらったことを、今、少年サッカーの子どもたちに引き継がれています。



第二部では、いよいよジャグリングとリフティングのお披露目です。

やってみて成功でした。ジャグラーとして世界チャンピオンのちゃんへん.さんのディアボロ、そしてW杯南アフリカ大会に出場した北朝鮮代表選手の安英学さんのリフティング、ともに大きく盛り上がりました。

ちゃんへん.さんのジャグリングは、単行本で発刊された時に、ドーンセンターという天井の高いところで実践していただきましたが、今回は、天井が低いのです。当然その方がやりにくい。

パフォーマンスを後ろから真近で見ていると、天井から、5センチぐらいのすれすれのところで、必ず止まってボールが回転しています。その身体能力、再現性、恐るべしです。

全神経を集中させて手を動かさなければならないのです。まさに神業のように感じました。


その後もトークは楽しく続きました。安英学さんのW杯予選での中東におけるアウエイの洗礼の話はとても興味深く、真剣勝負の世界をあらためて知りました。

今回は、お聞きしたかった「もうひとつのW杯」=ConIFAのことまで時間がありませんでしたが、沢山のリクエストもいただきましたので、継続して開催し、次回、ぜひお聞きしたいです。


安英学さん、ちゃんへん.さん、木村元彦さん、ありがとうございました。

ご参加下さった皆さまありがとうございました。

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