100万年後の未来を見た全裸中年男性
※この小説を読むとまれに100万年後が見える秘術を手にした気分になるかも知れませんが、ただの妄想ですので御注意下さい。
コタロウは10歳のころから40年間ひきこもっていた。自宅でずっと全裸ですごしていた彼は、そもそも全裸の何が悪いのかが分からなかった。
ある日、コタロウはおじいちゃんが死んだと聞かされた。東京帝国大学を出たというおじいちゃんは「男ならやりたいことをやれ」というマッチョだった。しかし、女はその限りではない男女差別もあった。コタロウはおじいちゃんが大嫌いだったが親族は「戦前のひとだから」と、馬鹿にしつつも表立って批判することはなかった。
おじいちゃんが死んだと聞かされて、気が抜けたような気持ちになるのを感じた。もう僕を束縛するものはないのだと感じて、ずっと出ていなかった外に出てみようと思った。
ある夜、コタロウは全裸のまま家を抜け出した。端午の節句の飾りの日本刀を持ち出した。飾りとはいえ金属製のリアルな雰囲気の刀を持って全裸で夜中歩き回る自分に陶酔した。
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