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第3回 8小節アワードに寄せて #1「あの日には帰れない (+α) 」

第3回 8小節アワード

クロスフェーダー様が主催する「第3回 8小節アワード」に、Ryuseiが2曲参加しました。

去年noteでアホほど擦った拙作「頭痛薬 ランバダS」を作ったきっかけが、他でもない前回の「第2回 8小節トラックアワード」でした。

その縁もあり、迷いなく今回も参加を決めました。

しかも、今回は協賛元に「TuneCore Japan」様など多数の音楽系企業がついている上、審査員にm-floの☆Taku Takahashi氏やMAN WITH A MISSIONのDJ Santa Monica氏などなど著名なミュージシャンが複数任命されるという華々しいリニューアルがなされています。注目度が高まる事間違いナシの素晴らしい機会となりました。

ちなみに「tunecore」は私も利用しています。

帰れないから今を真面目に生きる


前置きはここまでにして、この記事ではRyuseiとして発表したうちの1曲「あの日には帰れない」を紹介します。

特にネタとかウケ狙いのないインストです。

タイトルは、夕焼けを見ながら昔の日々を懐かしがるような情景をイメージしています。

あの日には帰れない。
来るのは今日という日だけだ…

と、過ぎゆく時の残酷さと愛しさを込めたつもりです。

現在29歳の私が10年前(19歳)の私を懐かしがるように、10年後(39歳)の私が現在の私を懐かしむかもしれません。今どんなに願っても10年前の私に帰れないのと同じように、10年後の私は現在の私の元に帰ることはできません。

今の私をいつか残酷なまでに愛しく思えるようになれるなら、もっと充実した今を生きていかねばと強く思います。

3拍子で3連

音楽的な話をするならば、Aマイナー(イ短調)で3拍子、さらに3連符(ハネたリズム)を基調に作ったという点に関して、研ナオコ「あばよ」にもろに感化されています。

「あばよ」は中島みゆきが作詞・作曲し、素朴でありながらも悲しみと強がりの感情をありありと描き出した”フラれ歌”です。個人的に3拍子ソングの名作の一つとして数えています。

また、20年近く前にテレビで見た大塚美容形成外科のCMにピアノを基調としたBGMが使われており、マイナー系のインストとして強烈に印象に残っています。曲名も作者も不明ですが、この曲も3拍子で3連符が使われているので、少し意識していました。

余談ですが、このCMの別バージョンでは

「私の胸が、あとちょっとだけ大きかったら
 私の目が、あとちょっとだけ大きかったら
 私の鼻が、あとちょっとだけ高かったら
 この世界も少しだけ、変わるかもしれない」

大塚美容形成外科 CMより


というモノローグが入っています。これもだいぶ印象的でした。

「あばよ」も「大塚」も恐らく4分の3拍子として作られた曲だと考えております。しかし、「あの日には帰れない」を4分の3拍子でカウントすると16小節になってしまい、8小節の曲でなくなってしまいます。8小節にこだわるからこそ、何として16分3連符が中心の8分の6拍子としてカウントさせなければなりません。
そこで、具体的には、0:12あたりのメロディに1発シンコペーションを入れ、8分の6拍子特有の大きな2拍子に聴こえるようにしました。

そう考えると、スネアドラムを3・6拍目ではなく4拍目に置いた方がもっと8分の6感が出ただろうなと今更ながら思ってます。

裏話(没になった話)

もし去年「頭痛薬 ランバダS」が見向きもされなかったら、私は「あの日には帰れない」のトラックにモノローグを乗せて応募したと思います。

そしてそのモノローグのインスパイア元は、ノスタルジックなCMでおなじみの「大分むぎ焼酎 二階堂」です。

大塚美容形成外科ではありませんが、要するに凝りもせず架空CMの系譜に追い縋っていたと思います。

実現しなかったのに、この記事を書く前に
”かなえ酒造 「本格麦焼酎 鼎」CM”
という没題を思いついてしまいました。

実現しなかったので、この記事で細々と発表して供養しようと思います。

寄せては返す、海岸線。
あの日と同じ、波は来ず。
たった一度の、今日が来る。

本格麦焼酎「鼎」

BGM: ♪あの日には帰れない/Ryusei

「あの日には帰れない」そして「来るのは今日という日だけ」という内容です。

「かなえ酒造」という社名は自社製品の「本格麦焼酎 鼎(かなえ)」に由来していますが、設立当初は漢字で「鼎酒造」という社名でした。鼎(かなえ)という字が読みにくい・馴染みにくいという認識が持たれているという世間の意見を受け、平成時代にひらがなの現社名へ変更しました。

現社名時代と旧社名時代とを区別する際、某アイドルユニットの旧称よろしく”ひらがなかなえ”と呼ぶ社員がいるとかいないとか。

「本格麦焼酎 鼎」の生みの親と呼ぶべき人物が、現社長・現社長の父親(現会長)・A氏(故人)の3人です。この焼酎は、3人が地元由来の素材や製法にこだわりつつ、知恵と絆、そして努力を持ち寄って生まれた賜物です。

そもそも「鼎」という字は、古代中国に伝わる金属製の器を指します。その器は3本の脚で支えられているのが特徴です。そして、焼酎の名および製造元の企業名としてこの字を与え、たった一文字の命名で「3人が支える味」という意味を込めてのけたのが、9年前に他界したA氏でした。

また、3人で語り合うという意味の「鼎談(テイダン)」など、”3”にまつわる熟語に「鼎」の字が使われる場合があります。

余談ですが、現社長夫人の名前は早苗(さなえ)といい、「鼎」と読みが一字違いです。これを指摘されると、「そうそう、全くの偶然なんだよ」と照れ笑いを浮かべる現社長なのでした。

最後に

気づけば、裏話が膨らんでしまいました。
特にネタとかウケ狙いはない…という最初の文句は何だったのでしょう??

以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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