「出す」ことは「めぐり」 気持ちよく過ごすために大切なこと
あの日、ぼくは耐えていた。
闘うという段階はとうに過ぎて、ただ耐える。そんな状況だった。
耐える、耐える、耐え続けるのはつらい。
目に見えない、静かな抵抗。
だが、決して挫けてはならぬ。
「ならぬものはならぬのです!」
綾瀬はるかの励ましを受けて、ぼくは耐える。
社会的尊厳を失わぬために。。。
「おしっこしたい、、、」
まだ陽射しがゆるむ気配のない夏の昼下がり、ぼくは尿意に耐えていた。
すでに外濠、内濠は埋められ、城門も破られつつある。
何度も繰り返される丸太を使った突撃。
和戦交渉をしようとも決して受け入れてくれない。
電車の揺れが何度も囁く。
「出しちゃいなよ」
ああ、甘美な誘惑。
しかし、その揺れは同時に開放へのカウントダウンでもある。
少しずつ、少しずつ近づいてくるその時。
最寄駅のホームに滑り込む電車。
頭にトイレの位置を思い浮かべる。
もう少しだ!しかし、まだ油断してはならない。
歴戦の勇者は、一瞬の気の緩みが命取りになることを知っている。
心身一如。
気の緩みはPC筋のゆるみ。
これまでの努力を無駄にしてなるものか。
はやる気持ちを押さえつけ、一心不乱にトイレへと向かう。
そこで待ち受けているのは天国か地獄か。
少し変な歩き方でトイレに飛び込んだぼくの眼前にあったのは、白く光り輝く便器さま。
INAXの文字が神々しい、、、
INAXさまの白いもろ手に抱かれ、ぼくはすべてを放出した。
「か・い・か・ん☆」
「出す」って気持ちいいですよね。
今回はおしっこの話でしたが、涙も鼻水も大きい方も精子も、なんだって出すのは気持ちいい。
からだって管、パイプなので、滞りがある方が不自然で、流れているのが自然。
そして「出す」って出して終わりじゃなくて、それが「めぐり」になっている。
入ってきたものを貯める、滞らせるのではなくて、出すことでめぐらせていく。
だから「出す」って行為に快感が伴うんだと思う。
じぶんが「出す」ことで世界はめぐる。
出してますか?!