🍺2024年5月12日(日)｜「ホロ苦すぎる」ってなんやねん

阪神が「三重苦」で首位陥落　７点差から悪夢の大逆転負けに岡田彰布監督も苦々しい口調…先発も救援も苦投、守ってはリーグワースト２２失策

苦しさが３つも重なれば、７点差だってひっくり返る。苦投する先発、足を引っ張る守備陣の苦しいプレー。最後は救援陣がホロ苦すぎる３発を浴びて、最大７点リードからの逆転負けで首位陥落だ。岡田監督の口調も当然、苦々しかった。

阪神が「三重苦」で首位陥落｜一部抜粋

ほろ酔いなう。
母の日おめでとう。

今朝、ＵＰされていた記事なので、タイムラグはそれほどないはずなのだけど、阪神に代わって首位に浮上した巨人がヤクルトに負けて、逆に阪神はDeNAに勝ったため、“一日天下”で、再び阪神が首位に再浮上したので、「首位陥落」の文字が虚しく聞こえてくるのだが、今回取り上げたいのはソコではない。

▶最後は救援陣がホロ苦すぎる３発を浴びて

“ホロ苦すぎる３発”

「３発」とは、３本のホームランのことを指している。１発目が蝦名達夫選手の同点２ランホームラン、２発目が筒香嘉智選手の勝ち越しソロホームラン、３発目が牧秀悟選手のソロホームランである。ちなみに、牧選手のホームランは、筒香選手の直後、いわゆる、二者連続ホームランである。

サンケイスポーツの記者の方は、この惨憺たる状況を「ホロ苦すぎる」と形容したわけだが、僕には、どう考えても「ホロ苦い」という言葉の範疇を超えている気がしてならない。

いや、まあ、範疇を超えているからこそ「ホロ苦すぎる」と書いた、そんな見方も確かに出来る。なぜなら「すぎる」なのだから。「この結果はホロ苦いでは済まないよ！」というニュアンスが込められているとも言えよう。

だが、もしそうだとしたら、僕は、わざわざ「ホロ苦すぎる３発」と言わずに、「痛恨の３被弾」とかの方が、スンナリと頭に入ってくる気がするのだが、みなさんはどうお考えだろうか？

そんなの誰も気にして読んでねえよ。

誰もツッコミを入れてくれる相手が居ないので、十八番の“打ち消し線・セルフツッコミ”を繰り出したわけだが、僕は、こういう、しょうもないところでつまずいては、ウンウン考え込んで、今現在、為すべきことに集中出来ないことが、しょっちゅうある。具体例を挙げていけばキリが無いほどに。

今回のような“言葉選び問題”も沢山ある。お店で、スタッフの接客の言葉遣いが、やたらと丁寧で、「恐れ入りますが…。」とか言われたら、僕は、心の中で、「ホンマに恐れ入ってんのかな…。」と思ってしまったりするのだ。

僕自身、「そんなん接客マニュアルに書いてあるから言う通りにやってるだけやろ！」と、やはり心の中で、セルフツッコミを入れるのだが、それでもどこか、引っ掛かりを覚えたままで、会話の内容に集中しきれぬまま、コミュニケーションを終えることになるケースが、しばしばあるのだ。

この感覚、どう説明したら良いのだろう。「言葉狩り」とも「揚げ足を取る」とも、ちょっと違うような…。でも、確かにある。言いようのない違和感が。「不束者ですが…。」とか。「つまらぬものですが…。」とか。枚挙にいとまが無いほどに。

僕自身、頭の中では分かっているつもりなのだ。日本人特有の“侘び寂び”であることは。誤解を恐れずに言えば、「本当にそう思っているのか？」が問題なのではなくて「謙遜する物言い」こそが尊いのだ。日本人らしい奥ゆかしさなのだ。少なくとも僕はそう心得ている。にもかかわらず、「う〜ん…。」と思い煩ってしまう自分も居るのだ。我ながら、しち面倒臭いことこの上ない。

今回の話題に戻そう。

“ホロ苦い”

実は、この表現、野球界では、割と聞く機会が多かったりする。一番使われやすいのは、ルーキー選手や若手選手の一軍デビュー戦で、望ましい結果が出なかった時だろう。「プロの洗礼を浴びる」と並んで「ホロ苦デビュー」もよく見る。と思う。ごめん。経験則でモノを言っている。あながち的外れではない、はず…。

そのたびに、僕は、ちょくちょく気になっていた。「いや、さすがにこの結果は、“ホロ苦い”どころじゃなくね…？」と。

ここまで書いて、我らが広島東洋カープ、塹江敦哉選手のことを思い出したので、今回の内容と合致する記事を引用することにしよう。

防御率162・00…広島塹江が大野超え？初登板 - 野球 : 日刊スポーツ

広島塹江敦哉投手（１９）がホロ苦いデビューを果たした。７回にプロ初登板。しかし初球を巨人長野に左中間スタンドに運ばれた。その後も亀井に左前打を打たれ、坂本、阿部に連続四球。村田は遊直に抑えたものの、満塁からギャレットに中前２点適時打を浴びた。さらに代打大田に中前適時打を浴び、ノックアウト。１死しか奪えず６失点。マウンドをオスカルに譲った。

防御率162・00…広島塹江が大野超え？｜一部抜粋

▶１死しか奪えず６失点

「１死」とは「１アウト」のことである。つまり、塹江敦哉選手は、１アウトしか奪えぬまま６失点を浴びて、一軍デビュー戦を終えることになったのだ。

▶広島塹江敦哉投手（１９）がホロ苦いデビューを果たした。

「ホロ苦いデビュー・・・？」
「悲劇のデビューでも良くね・・・？」
「苦いで通すなら苦々しいとか・・・？」

いや、もしかしたら、僕が、「ホロ苦い」という言葉の定義を履き違えているのかもしれない。僕が思うよりも、もっと、シリアスなニュアンスを孕んでいるのかもしれない。今一度、辞書を引いてみることにしよう。

ちょっと苦みがある。なんとなく苦い。「—・い味わい」「—・い初恋の思い出」

ほろ苦い｜デジタル大辞泉（小学館）

「う〜ん・・・」
「思ってた通りの意味合いだ・・・」

残念ながら、辞書を引いても、判然としないままである。なぜ「ホロ苦いデビュー」なのだろう。塹江選手自身も「ホロ苦い」とは言わないのではないかしら。「デビュー戦で打ち込まれた記憶は一生消えないでしょうね・・・」と、神妙な面持ちで語るのではないかしら。それに対して「あの時はホロ苦いデビュー戦でしたねえ」と返すと、場の空気が「んっ？」となりそうな気がしてならないのは、僕だけかい？

▶最後は救援陣がホロ苦すぎる３発を浴びて

そこに来ての「ホロ苦すぎる」である。

これはちょっと変化球的な用法だ。僕は色んな野球記事に目を通して来たが、ちょっと記憶に無い。「自称・ホロ苦いにうるさい男」の僕としては、一度見たら「うん？なんだこの使い方は？」と、鬼の首をとったように反応を示しそうなものだが…。

“ホロ苦い”

なぜか野球界でよく見る気がするこの言葉。好んで使われる理由をご存知の方が居れば是非ともご教授願いたい。僕のしがない想像力では、「ホロ苦いと書くことでオブラートに包んだ感じの表現になって、読み手や当事者（選手）の心情をグサッとエグらないだろう」ぐらいが関の山だ。

まぁ、仮にそうだったとして、気遣いの精神から、オブラートに包んだ表現を用いたとしても、僕のような、言葉選び一つにいちいち引っ掛かりを覚える面倒臭い連中に、「なぜホロ苦い？」「その表現は適切ではないのでは？」と詰問を浴びるのだから、ライター業も大変だなぁと思う。

まっ、そんなこと、井の中の蛙状態の底辺日記noterが言うセリフじゃないよな。失敬、失敬・・・。