見出し画像

【4335字】2024.06.26(水)|桜桃忌を肴に、くっちゃべる。(七)

<前回までのあらすじ>

『きりぎりす』の「あなたは変わりました」の一文から、同一人物でありながらも別人のような立ち居振る舞いを見せて、僕を戦慄させた人のことを思い出したので、そのエピソードを書き記した。書き終えてから、自身の「先入観・固定観念」が根本要因であると気付くことが出来た。『きりぎりす』の話とは何ら関係が無いことが分かった。”追体験癖”のピントの外れ具合には、ただただ、自嘲するしかなかった。


今回は『千代女』を取り上げよう。

主人公は今18歳の「和子」

「柏木の叔父さん」が、7年前和子の綴方を雑誌「青い鳥」に投書したところで物語が動き始めます。

 12歳の時、投書した作文が一頭に当選し、和子は選者の偉い先生に絶賛されました。

学校の先生もどんどん和子の作文を褒めるようになります。

絶賛が続き、クラスの友達は急によそよそしくなりました。一番仲の良かった人まで、「一葉さん」だの「紫式部さま」だのというようになる。

その環境がとても嫌で、どんなにおだてられても決してまた投書をしようとはしませんでした。

綴方を無理やり投書させた叔父さんに、何かにつけて小説を勧められたりするのも嫌で、小説を嫌いになりました。

 小学校を卒業すると、当選について知っているものは中学校にいなかったものの、柏木の叔父さんはずっと投書を進めるし、不祥事で学校を辞めた小学校の頃の先生が押しかけてくるしで、和子はまた綴方を始めなければいけないようになります。

 和子自身は、それに対して乗り気ではありませんでした。

でも、学校を卒業して時間ができると急に暇になり小説もよく読むようになり、自分から綴方を書くようになります。

時すでに遅し、といった感じでしょうか。書いてみても、あんなに熱心だった叔父さんすら苦笑しながら忠告めいたことを言うように。

リンク記事|「あらすじ」引用文

「うぐいすの音」というサイトの記事を引用させていただいたのは二度目。『燈籠』の時も、良いあらすじを書くなぁ、と思った。僕にこの要約力があれば良かった。僕は生来の”自分”語り癖”がすぐに顔を出して「結局何が言いたいん?」と幾度となく言われてきた。そして口を閉ざすのがデフォルト状態となった。

これ、誇張表現じゃなくて、割とホントの話。だから笑えない。もしかしたら情報発信を頻繁に行う人はその傾向があるかもしれない。いや、良く分かんないけど・・・。僕だけかな。

それはさておき。

う~ん、この話はねぇ・・・、身につまされるというか・・・、ちょっと、今、思考が取っ散らかってるんだけど、二字熟語で表現するとしたら、「才能・期待・重圧・失望」、まぁ、そういうワードが脳裏に浮かんでくる。そんな感じ。

なんだろうな。僕の口癖の一つに「天邪鬼と捻くれ者のダブルパンチ」があるからこそ、主人公の「和子」に想いを馳せてしまうところがあるのかも。その点では、「うぐいすの音」の方は、至って冷静に読解している印象。端的に言うと、僕と、読み終えた後の感想は結構違うなって。無論、どういう読み方が正解とかは無いわけでね。その違いを楽しめる余裕を持ちたいものだ。

この作品が好きっていう気持ちは確かにあるのだけど、どういう風に書き進めていこうかな・・・。

・・・・・(沈思黙考タイム)・・・・・


・・・・・(沈思黙考タイム)・・・・・

・・・よし。

あのね、今年で三十路を迎えるともなると、色々、思うことがあるわけよ。様々な”タラレバ”がさ。「和子」の場合は、それが「綴方」(分かりやすく言えば「物書きとしての才能」と表現しても間違いじゃないと思う)だったわけで。僕の場合は、たぶん、ゲームなんだよなぁって、思う時があって。

ゲーム。とりわけ、やり込んだなぁと思うのは、「格闘ゲーム」(主にKOF)と「リズムゲーム」(主に太鼓の達人)と「オンラインゲーム」(メイプルストーリー)かなぁ。メイプルに関しては、今も活動中だけど。「ガチ勢」じゃなくて「エンジョイ勢」を自称しているので、あくまでも”ただやってるだけ”なんだけどね。

「KOF」ってのは「キング・オブ・ファイターズ」の略ね。多分、分かる人は、KOFで通じるし、分かんない人は、キング・オブ・ファイターズでも通じないだろうから、注釈を加える意味は無いかもしれないが・・・。

「太鼓の達人」は、まぁ、大体の人は分かるよね。たぶん。「メイプルストーリー」は、分かる・・・よね?分からないか?出始めの頃は、北乃きいが「めいぷるめいぷるぷ~るぷる♪」って、CMしてたんだけど・・・。

で。

列記した3つのゲームは、物心が付いた頃には、既にやり込んでいる感じだったの。”昔取った杵柄”と受け取ってもらいたいのだけど、ギャラリーが付くぐらいには。特に「KOF」と「太鼓の達人」は、アーケードゲームだったからね。男子小学生がガチでプレイしているのって、当時のゲームセンター(年代的には2000年前半頃と思われる)だと、珍しい光景だったのかなぁ。

「メイプルストーリー」に関しては、自宅のパソコンでプレイしていたので、不特定多数の人に見られたわけじゃないんだけど、家に来た人には「へぇ~凄いね~」って言われることが多かった。その「凄いね~」は、純粋な称賛というよりも、若干引き気味だったり、あるいは、「子どもにゲームのプレイ時間を制限しないのは親の教育がなっていないのでは?」というニュアンスが込められている気がしたことも、あるにはあったが。(考え過ぎ?)

「考え過ぎ?」とか言ってるけど、それが通常運転なんだよな。それこそ、物心付いた頃から「深読み・裏読み」の癖がある。僕レベルになると「深読みと裏読みの違いとは?」とか考え出す始末。

僕的には「深読み」は「相手はなぜこの言葉を僕に投げかけたのか?」と深く考えることで、「裏読み」は「相手のこの発言は何か裏があるんじゃないか?」と字義通りに受け取らず、文字通り”言葉の裏を読む”と解釈している。辞書的な定義は、良く知らない。そう考えるのが一番しっくりきたから。

・・・まぁ、メイプルストーリーにおける「凄いね~」の話は置いといたとしても、「KOF」と「太鼓の達人」に関しては、僕がプレーしていると、勝手に人だかりが出来ることも、結構あった。アレは、子どもながらに、緊張するものだ。まぁ、まんざらでもなかったけどさ。ぶっちゃけね。

なぜか無性に覚えているのが、「太鼓の達人」をプレイしていて、僕の十八番曲、THE BLUE HEARTS『TRAIN-TRAIN』を、フルコンボ、且つ、「良」のパーセンテージ多めで終えた時、後方で僕のプレイを眺めていた女子高生と思しき3人組が「すごーい!すごーい!」と、スタンディングオベーションをしてくれたこと。多分、一生、覚えていると思う。なんなら、死ぬ間際に「後にも先にも『黄色い声援』を受けたのは、あの瞬間だけだったなぁ…。」と、懐かしみながら、あの世へと旅立っていく気がしてならない。

「立ったまま見てたんだからスタンディングオベーションもクソもねえだろ」っていうツッコミはよしてくれ。

「KOF」の場合は、格ゲーという性質上もあるのか、上述した「黄色い声援」とは皆無の世界だった。男、男、男である。ゲームセンターの一角の格闘ゲームコーナーではなく、格闘ゲームの筐体(きょうたい)がズラリと並ぶエリアに入室してプレイしていたのもあるだろう。そこに居るのは”ゲームをプレイしに来た人”ではなく”格闘ゲームをプレイしに来た人”のみだったわけだから。

格ゲー好きの女子が居たらごめんなさい。ジェンダーフリーにそぐわない発言だったかもしれません。格ゲー好きの女子が居たらお近付きになりたいです。いや、それもジェンダーフリーに反している?重ねてお詫び申し上げます。

謝罪になってねえんだよ

格ゲーの筐体がズラリと並んでいるエリアは、性別もさることながら、年齢層も高めだった。パッと見た感じ、20~30代の男性が中心だったろうか。居たとしても、40代以降のジェントルマンぐらいで、僕のような、10代、それも、小学生と思われる、10代前半の人は、ほぼ、見なかった。いや、一人も見なかった、と言っても過言ではない。

それもあってか、僕がプレイしていると、頻繁に「挑戦者あらわる!」とか「NEXT CHALLENGER!」といった表示が出たものだ。要するに「乱入対戦」のことである。

ちなみに、僕が通っていたゲームコーナーは、筐体の設置の仕方が、横に対応するのではなく、縦に対応する仕組みとなっていたので、いつ、どのタイミングで、どんな人が乱入してきたのか、全く分からないようになっていた。今考えてみると、良く出来ているなぁと思う。

分かんないけど、横同士だと、負けた腹いせで八つ当たりして、「リアル乱入対戦」になったりして、縦に変えたのかもなぁって、今、思った。

「なぜこうも乱入対戦が多いのか?」については、考えるまでもなく、合点がいった。一言でいうと、舐められているのだ。「なんかガキが迷い込んでるなぁ!軽く捻ってやるぜ!」と言わんばかりに。今考えても、多分、そうだと思う。

で、記憶ベースで申し訳ないのだけど、僕は、数多の乱入対戦で、負けた覚えが無い。多分、負けず嫌い気質は有している僕のことだから、負けてたら、脳裏にこびりついているはずなんだけど、大体、勝ってる。それも、危なげなく、勝ってたと思う。

これに関しても特に疑問を抱くことはなかった。もしも、僕の仮説通り、挑戦してきた人が「プレイする姿」を見て挑んできたのではなく「プレイする人」を見て挑んできたのだとしたら、「子どもだからといって簡単に勝てると思うなよ?」である。「よくも舐めてくれましたね?」という思いも添えて、返り討ちに遭わせてやろう、そう意気込んだものだ。

で、多くの場合、乱入対戦が終わった後、困惑した表情で、僕がプレイしている様子を見に来る。まるで「おい!替え玉してんじゃねえだろうな!?」と言わんばかりに。しかしプレイしているのは僕のまま。頭を捻りながらその場を立ち去っていく。それを横目に見やることに、一種の快楽を覚えたものだ。


・・・なんか、この話、どういう着地点を迎えるのか、よくわかんないんですけど、『千代女』の内容に寄せられるよう、明日の自分が頑張ると思うので、ココでバトンを渡すことにします。

すいません、なんか、手前味噌な感じになっちゃって。まぁでも、「和子」の「綴方」の話に共感させられるのって、多分、このエピソードが、原体験になってると思うんですよ・・・。

なので、大目に見てやってください。m(__)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?