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2023.07.13 木曜日


恋人と電話を繋いでいる際の出来事。

「引き笑いをする時があるけど、その笑い方は、好きじゃない」

という指摘を受けた。

僕は「(※)そうだな。自覚はしている。『自分で言って自分で笑うのってどうなん?』というダメ出しも再三やってきた。だが、現状は、あまり上手く言っていないようだね」と答えた。

※こうやって文字に書くと「お前は恋人に対してそんな物言いなのか?違うだろ?もっと距離感が近そうな言葉遣いだろ?」と思われる方が居るかもしれないけれど、言葉を発した本人が責任をもって声明するが、だいたい合ってる、と思う。一字一句間違いない、とは言えないが、だいたい合ってる、はずである。

※また、僕の他人行儀ともとれる言葉遣いに対して、恋人から「そういう話し方やめてほしい」だとか「私に敬語で話すのはさすがに違うんじゃない?」だとか「『アナタ』じゃなくて『〇〇(恋人の名前)』で呼んでくれない?」などなど、数多くの物言いも受けているのだけれど、根本的な話し方自体は、あまり改善していなさそうだ。ちなみに「敬語」と「アナタ呼び」は、軋轢が生じている時でもない限りは、概ね矯正出来た、と僕の中では思っている。相手がどう考えているかは聞いてみないと分からないのだけれど。

僕は「ゆえに、引き笑いを、今すぐやめることは難しいんじゃないかな。『自分だけじゃなく恋人にまで指摘されたぞ』という意識は新たに働くことになるから、今よりも改善の見込みはアップしたとは思うけどね」と続けた。

恋人は「いや、別に、なおして欲しい、と言ったつもりはない。ただ率直に『その笑い方は好きじゃないなぁ』と感じたから、そのまんま伝えただけ」と言った。

僕は「そうか。分かった。なら、意識し過ぎない範囲で、頭の片隅に留めておくことにするよ。だから、過度な期待はしないでおくれ。泥船に乗ったつもりで、ね」と返した。

そこで引き笑いに関する話題は終わった。

改めて、会話の大まかな流れを振り返って感じたのは「彼女は本当に引き笑いの癖をやめてほしいとは思っていないのだろうか?」ということだ。

結論から述べると、僕は、割と強く、という枕詞を付けて良いレベルで、引き笑いはやめてほしいんじゃないのか、と考えた。

ならば、なぜ、否定したのか?

考えるまでもない。僕の勿体ぶった言い回しに辟易として「あぁ、強く言うのはやめておこう」と、自ら身を引いたのだ。

いや、僕は彼女ではないのだから、言い切った表現は、本来、不適切である。それを踏まえた上で、僕は「自ら身を引いたのだ」と、断定口調で書いたのだ。ひいては、僕自身への当てつけとして。「お前、大切な人を閉口させんなよ!」と、自らを叱咤激励するために、そう書いてみたのだ。

”言われるうちが華”

正直、僕はこの言葉をあまり好いていないのだけれど、今回のケースを当てはめると「どうせ言ったとしても馬の耳に念仏だろう」と彼女の中で諦めの念が生まれ、口を閉ざしてしまった、という見方も出来る。それは寂しいことだ。恋人関係において。「どの口が言ってるねん」と、脳内セルフツッコミの声が今にも聞こえてくるのだけど。それでも、寂しいことだ、という感情は、僕の中で強くある。

だからこそ、自らに「言われるうちが華だぞ」と、電話越しに「引き笑いは好きじゃない」と伝えてくれた彼女に「言いにくいことを直接伝えてくれてありがとう」という感謝の気持ちをもって、自らの行動で報いなければならない、とも思うわけだ。

無論、冒頭に記したように「自分で言って自分で笑う」といった癖は、いわば、筋金入りの悪癖、みたいなものだ。ゆえに、一朝一夕でなんとかなるものではない。こびりついているのだから。だけどそれを「仕方ない」で済ませるのではなく、会話を行なうたびに「今、引き笑いが出たんじゃないか?」などと、余念なくセルフチェックを欠かさず行うことを、この場でお約束したい。

「何日かかるか、何週間かかるか、何ヶ月かかるか、何年かかるか、それは誰にも分からないけれど、でも、いつかきっと、自分で言って自分で笑うという悪癖を完全に矯正することを、ココに誓います。」

この場をお借りして、所信表明を行わせてもらった。

元来、僕は「不言実行」タイプだと心得ているのだが、ココに書いてしまった以上「有言実行」を実践しなければ「ダサいやつ」になってしまう。それだけは避けたい。僕は「ダサい」ことを極度に恐れている。まぁ「ダサい」の基準は人それぞれだと思うし、今、僕が書き綴っている文章を見て「ダサい」と感じる人も居るのかもしれないが、あくまでも「僕の基準によるダサさ」として、言っている。

そしてまた「言行一致・言行不一致」に関しても目ざといタイプでもある。「コイツ、言ってることとやってることの乖離が甚だしいやんけ」と感じた瞬間、その相手に対して、僕は、なおざりな態度で接するきらいがある。「まぁコイツにはこの程度でもええやろ」「どうせアイツもその程度なんやから」といった具合だ。紛う方なきレッテル貼りである。我ながら良くない性分だと思うが、実際に行なってしまっている以上、カミングアウトする他はない。なぜなら、僕は「嘘をつく」ということを、何よりも毛嫌いしているからだ。

以上のことから、僕は、恋人に「引き笑いするの好きじゃない」の一言を伝えられたことを契機に「自分で言って自分で笑う」という、内心では、一生なおらないだろうな、と思っていた悪癖の矯正に、再度、取り掛かることを決めたのだった・・・。

今日は、そんな一日でした。

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