2023.07.26 水曜日
「千賀選手、アドバイスください!」
ホークスの育成選手から、支配下選手、そして、先発ローテーションの一角、そしてそして、チームのエース、そしてそしてそして、侍ジャパン日本代表、そしてそしてそしてそして、メジャーリーガーという、誰もが憧れるサクセスストーリー、ここまで順調にステップアップされてしまうと「最初から筋書きが用意されていたのかな?」と邪推したくもなる、そんなプロ野球選手である千賀滉大が出演しているCMの一幕に、僕は「うーん」と、モヤモヤを感じた。
はじめに「なぜタマホームのCMを目にすることになったのか?」について、説明することにしよう。
7月中旬ぐらいになると、高校野球界は、にわかに熱を帯び始める。理由は他でもない。夏の甲子園の代表チームとして出場するための権利を得るべく、全国津々浦々、多士済々の野球部が、各地区のトップを目指して戦い合うからだ。
野球好きを自称している僕としては、当然、胸が高まると言ったもの。「時間さえ許せば全ての試合を観たいんや!」というのが本音なのだけど、考えるまでもなく、そんな願いは叶わない。なぜなら、1日24時間は誰しも平等に与えられており、1人の体は1つしかないのもまた同様だからである。
「考えるまでもなく」とは書いたが、一度、試してみたことはある。「複数の試合を同時視聴するとどうなるのかな…。」と。結果は散々だった。片方に集中していると、もう片方がおざなりになる。おざなりになった片方に意識を傾けると、やはり、残りの片方がおざなりになってしまう。結局、どっちつかずの状態で観戦することになり、試合が終わった時には「疲れた~」という感想しか出て来なかった。
そう。内容はほとんど覚えていないわけだ。強いて挙げれば「Aの試合は両先発がゲームメイクした投手戦だったね」だとか「Bの試合はワンサイドゲームの展開になると思いきや、後半戦に入ってからは、追い上げを見せ始めて、最後、起死回生の一発が飛び出したね」などと言った風に「それ、スコア表を見ただけでも、なんとなくのノリで語れないですか?」と、難癖をつきたくなるレベルでしか、論じることが出来なかったのである。
それどころか、2つの試合の”なんちゃって解説(笑)”を披露するよりも、ただただ疲労が色濃い、という自身のしんどさを優先して説明したい心情に駆られるという体たらくだ。ちなみに「披露」と「疲労」を掛けてみたのだけど、特に意味は無い。変換作業をして「あっ」と気付いたので、敢えて、同音異義語の表現を持ち出しただけに過ぎない。サラッと流してもらって構わない。
ここまで書いてきて「なぜタマホームのCMを見ることになったのか?」という理由に一切触れていないことに気が付いた。ウダウダ語っていないで、さっさと本題に入ることにしよう。
僕は、出来ることならば全ての野球中継を網羅したい、という、叶いもしない願いを抱いてはいるのだけれども、理想は理想、現実は現実、というわけで、毎日、各都道府県の地方予選の日程とにらめっこして、「よし、この時間帯はこの試合にしよう」などと、アタリをつけることにしている。
そのおかげで「聖光学院11-10学法石川」と「横浜5-6慶応」といった、劇的な試合を、ゲームセットまで見届けることが出来た。これはひとえに「じゃあこの試合にするか」とチョイスしてきた僕の眼力にある、とは、微塵も思っていないので、ご安心を・・・。
さて。
こういった地方予選の中継映像を見るツールとして、僕は「バーチャル高校野球」というサイトを利用している。甲子園が開催された頃にお世話になる方が多いかと推測されるが、地方予選の段階から、ある程度勝ち進んで来た試合は全て、実況と解説付きの中継映像を楽しむことが出来る。
その中でも特に印象に残ったのが「大阪大会5回戦」のカードが、実況と解説付きで中継されていたことだ。「なるほど、大阪地区ともなると、5回戦で、この扱いですか…。」と唸ったものだ。大体の地区は「準々決勝」辺りから用意されているように思われるが、参加校が多い都道府県などでは、もっと前から中継が始まっているのかもしれない。
と、いうわけでね。
ようやく本題に入る下準備が整ったね。
最近になって、僕自身、薄々、気が付いてきたのだけれども、いくらなんでも、冗長だよね。スピーキングの際に「冗長な話し方」と自虐する悪癖があるのだけど、ライティングの際にも「冗長な書き方」になってしまうみたいだね。さすがにそろそろ、何とかしないといけないね。本腰を入れてね。必要のない文章ばかり読ませて他人の時間を奪うことにも繋がるし、自分自身の時間も、無駄を省けば、もっと有効活用出来るんじゃないのか、などと、セルフツッコミを入れたくなってきたからね。
コホン。
僕が、千賀滉大選手が出演されているタマホームのCMを見る理由は、バーチャル高校野球の中継映像で、高校野球の地方予選を楽しんでいるためだ。野球観戦を行なう人であれば説明不要と思われるが、イニングの合間に、CMなどの広告を挟んでくるようなシステムとなっており、その一つとして、タマホームのCM広告が流れる仕組みになっているわけである。
そして、タマホームのCMに出演している千賀滉大選手を、野球少年と思わしき子どもグループが発見し、一人が「あっ、千賀選手だ!」と気付き、周辺に居た少年たちも「千賀選手~!」と群がっていき、最初に声を掛けた少年が、千賀滉大と目の前で対面しながら、こんな要望を出したわけだ。
「千賀選手、アドバイスください!」
さて、皆さん、一度、じっくりと、自分の頭で、考えてみて欲しい。見ず知らずの少年が自分のもとへやって来たかと思えば、開口一番「アドバイスください!」と、懇願される状況を。
もしも僕が千賀滉大であれば「・・・。」と、しばらくの間、直立不動で、硬直状態に陥った後、怪訝な表情を浮かべながら、おそらく、こんなことを言うのであろう。
「・・・何を?どうやって?」
「・・・アナタ自身は、どうしたいの?」
「・・・そして、どうして欲しいの?」
と。
・・・。
ちなみに、CMの中の千賀滉大選手は、屈託のない笑みを浮かべながら、純粋な心で「アドバイスください!」と言ってきた少年に対して「品質も、価格も、諦めない。それが、タマホームだよ」という言葉を返している。
なお、言葉だけを切り取るのはアンフェアだと思われるので、それ以外の振る舞いも付記しておくと、千賀滉大選手は、少年と目線を合わせるために、自分の体を折り曲げ、且つ、相手の目をジッと見つめて、一言一言、ハッキリと口に出している。
・・・。
さて、僕と千賀滉大選手、果たして、どちらのアンサーが、より適切と言えるのだろうか?
それを決めるのであれば、前情報は、過不足なく出しておかなければ、正式なジャッジが出来ないことに気が付いた。というわけで、僕が、前述したセリフを少年に伝える場合は、どういう言い方をするのかについて、サクッと考えてみた。おそらく、千賀滉大選手のように、少年と目線を合わせる、などといった行為は一切行おうとせず、ぶしつけに、且つ、ボソボソと、言い放つかと思われる。
・・・。
こうやって書いている時点で「圧倒的に千賀滉大選手の方が少年に優しいアンサーをしているじゃないか…。」ということに、僕自身、気が付いてしまった。そう。このクエスチョンに100点のアンサーを出そうとすること自体が、そもそも間違いだったわけだ。
CMをボンヤリと眺めているだけでは「千賀滉大に何を言わせてるんだタマホームさんサイドは…。」などと憤慨してしまいかねないと感じていたが、よくよく考えてみると、千賀滉大選手のアンサーは「ベスト」ではないが「ベター」と言えるではないか。そして付け加えておくと、このクエスチョンに、ベストのアンサーは、事実上、存在していないとも言えるのだ。
なぜそう言い切れるのかと言うと、僕が、もし返事をするのであればこんなアンサーになるだろう、と予測した際の言葉にあるように「何を?どうやって?」などなど、言葉不足としか思えない懇願であるがゆえに、ポンと回答することは実質不可能だろう、と推測されるからだ。
”人を見て法を説け”
千賀滉大選手ほどのトップクラスのプロ野球選手であれば「自分にとって最善の方法の見つけ方」であれば、本人の中では「コレだ!」と感じるチェックポイントなどを熟知していると思われる。また、現状に甘んじることもなく、日々ブラッシュアップし
て、進化成長を絶えず続けていきたい、といった向上心も持ち合わせていることだろう。
しかし「千賀選手、アドバイスください!」と言ってきた少年は、当たり前のことではあるが、千賀滉大選手と同一人物ではないわけだ。ゆえに、千賀滉大にとっては正しいが少年にとっては間違い、なんてことも、無数に出て来るのは、想像に難くないわけで。
そういった諸々に頭を悩ませてしまったが最後、僕は、答えに窮してしまう。また、クエスチョンとアンサーの間隔を適切に行えなかったが最後、会話のキャッチボールが成立しなくなり、僕にクエスチョンを行なった相手は「この人、私が質問しても、何にも言ってくれないのね。不親切な人だわ…。」などと、僕のことを蔑み、汚いモノを見るような目で、コチラを一瞥した後、スタスタと去っていくわけだ。
僕は、そういう苦い体験を、数限りなく、いや、これだと誇張表現になってしまう、そもそも僕は人とコミュニケーションを取った数自体が少ないのだから、せいぜい、片手で数え切れないか、あるいは両手で数え切れるか、程度の体験数、数字で換算すれば、6~8回辺りが大体の相場といったところだろうか、そんな些末なことはともかくとしても、ある程度は、したくもない体験をして、感じたくもない感情を感じている始末なのだ。
ふう。今日はなんだか、いつにも増して、自分が話したいと思ったテーマから、ドンドン、ドンドン、脱線してしまった感が否めない。いいや違う。「感」ではない。なぜなら、実際に脱線してしまっているのだから。
そんなわけで、全く話がまとまらなかったのだけど、キーボードを打つ手が疲労感を覚えているのは紛れもない事実なので、サジを投げる形で、今日の日記を終わらせていただく。ごめんあそばせ。
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