年越しver.2023。
※以下、12月下旬に執筆したもの
刻々と時間が過ぎ去っている。
2023ももう終わる。
ゆく年くる年。
時間の流れを知らせる鹿おどしが、優雅なように見えて、目の下に隈をぶら下げながら、うかない表情をしている。
欲望に塗れたこのまちで、除夜の鐘は煩悩を吐き出す。
そして闇が深くなる。
そんな年越しの繰り返し。
吐息が体を襲い、心まで蝕む。
北風がより一層それを促進する。
この眩暈や睡魔が兎の年のメタファーとなっている。
無の境地。虚無を体感した一年。
超人になれなかった一年。
ニーチェに向ける顔がない。
感情に流されやすいのが人間というもの。
年の瀬においてはより一層感傷に浸ってしまう。
眩しすぎるほどの液晶によって、濃淡がくっきりと出来上がる。
昔はウキウキだった年越し。
日付が変わる瞬間にジャンプした日。
友達に一斉にメッセージを送信した日。
今ではそれらも虚像と化す。
なぜこんなにも卑屈になってしまったのだろう。
こんなにも複雑な時期になってしまったのだろう。
あぁ。あぁあぁ。
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