見出し画像

なぜ、魔物は名前を知られたらいけないのか?

潔癖症な社会がもたらすモノ

近年、良いモノばかりを見せるようにして、醜い部分、攻撃的な部分は見せないようにするという風潮が世界的に高まってきている感じがしています。

一例をあげると、配信されているドラマなどのレーティングでしょう。
昭和の時代に子供番組として配信されていたものすら、現代だと飲酒や暴力があるとして、13歳以上にレーティングされたりしてしまうのです。

昭和が良いというわけではありませんが、過度に暴力や性的シーンを制限してしまうと、いざそれを受け取る年齢になった時に、それを受け取りきれなかったり、逆に過度に耽溺したりするというケースも存在しています。

暴力の面でいえば、最近ではナイフが刺さった場面すら地上波などではNGということもあり、自分が振るった凶器がもたらす結果を想像できないということもありえるほどです。

被実在な存在にすら表現規制の声があがるというのは、あきらかに異常な時代だとは思いますが、そういったものへの対策は専門家に任せるとして、僕の専門である解除の分野でも、こういった潔癖症な社会、汚いものを見ないですますという風潮には問題があると思っています。

罪って何の罪?

ここでも、一例を挙げましょう。最近では、一般の人にまで知られてきている「大祓詞」。
Amazonで検索すると、「お清め」「魔法の言葉」「幸せ」「運気」などと、セットにされて大祓詞について書かれた本が存在しています。

そういった本の著者の方とご縁があって、たまたま、講演会を聞く機会があったのですが、神職の方が唱えている大祓を聞いて、違和感を感じました。
それは、罪を省略していること。

どういうことなのか、以下に、その部分を抜き出してみましょう。

天罪 國罪 許許太久の罪出いでむ

大祓詞 (神社本庁例文)
Wikipedia

唱えた方は、神社本庁傘下の神社で奉職されている方なので、当然といえば、当然なのですが、大祓詞について本を書いていながら、省略はどうなんだろうと思ってしまいます。

本来のこの部分は以下のようになります。

天津罪と 畦放 溝埋 樋放 頻蒔 串刺 生剥 逆剥 屎戸 ここだくの罪を 天津罪と法別て

国津罪と 生膚断死膚断 白人胡久美 己が母犯罪己が子犯罪 母と子と犯罪子と母と犯罪 畜犯罪 昆虫の災 高津神の災 高津鳥の災 畜仆し蟲物為罪 ここだくの罪出でむ

六月晦大祓祝詞
Wikipedia

こちら、天津罪は、田畑への攻撃であり、ある意味現代人からすると、取るに足らないことも多いのですが、当時は田は重要な財産であったので、現代でいうと、会社や自宅を壊したり、持ち物を損害したりといったことになるでしょう。

国津罪については、傷つけたり、殺生したりという当然のものから、近親相姦、さらには強姦、獣姦などが入っています。このあたりがあったので、神社本庁版は、そうした野蛮人に見られたくなかったということで、カットされたのではないかといわれています。

ちなみに、諸説あるのですが、串刺や、死膚断は呪詛と関係しているのではないかといわれていますし、畜仆し蟲物為罪にいたっては、そのものずばり蠱毒という呪詛をあらわしているのです。

近親相姦や獣姦は、それこそ世界的にタブーですし、こうやって祝詞にしなければいけないほど、一般的に他者の財産への侵害があったというのは問題かもしれませんが、隠したからといって、現代でもそういった罪は失われていません。

むしろ、隠されているだけで増えているのかもしれないのです。

恐ろしいこと、タブーなことだからといって、隠すのではなく、しっかりと目を向けて、それを認識しなければ、それを祓うことはできないのではないでしょうか?

名前をつけることで存在を固定化する

洋の東西を問わずに、悪魔や悪霊、妖怪といった存在は、人間に名前を知られることを嫌います。

名前を知られたが故に人に服従したり、撃退されたりするという逸話は枚挙にいとまが無いと言ってもいいほど多くありますし、現代でもエクソシストが行う悪魔祓いの基本として、悪魔の名前を知るというものがあります。

なぜ、このようなことがあるのでしょうか?

解除師の立ち位置から説明すると、人に害をなす想念の集合体、穢れや呪詛といったものがあった場合、エネルギーとして捉えれば、そのまま、エネルギーの強さ弱さで対処することができます。

これは力と力の対決になるので、純粋に力が上回れば勝ちますし、下回れば取り除けないということになります。そこで、力を上回らせ成功率を高めるために、対象の性質を良く知るということが重要になってきます。

例えば、燃えている火があったとして、そのエネルギーを打ち消すためには、風で吹き飛ばす、水をかける、土をかけるなど様々な方法があります。
ただ、火の強さによっては、風では消えずに大きくなったり、土をかけても中でくすぶるかもしれません。
対象が火だとわかっていれば、水をかけるのがベストなのですが、目には見えないエネルギーだと、それを火だと断定するのは、なかなか難しいので、自分のエネルギーが勝つ場合は、力尽くで対処してしてしまいがちです。

実際、それでも、ある程度のレベルまではなんとかなりますが、物理的に考えれば、水を使った方がいいのは自明の理であり、エネルギーを適切に扱うためには、きっちりと、対象を分析し固定することが大切になるわけです。

ざっくりとした罪を祓うと意図するのと、他者からの財産の侵害、人の心にある獣性、呪詛そういったものを祓うと具体的に意図するのと、どちらが力が強いかは、ここまで読んで下さった方ならば、わかっていただけると思います。

穢れも複雑化する現代

大祓詞の作られた時代は、罪も比較的シンプルでした、とはいえ、現代人でも忌避したいようなタブーもあり、それを祓うというのは、相当胆力がいるので、きちんと意図したからといって、誰もが唱えられるものでもないし、魔法や幸せとは違うというのがわかると思います。

現代の大祓詞に言いたいことは色々とありますが、これ以上は専門家に任せるとして、本題に戻りましょう。

現代社会は、情報伝達速度があがり、人口も膨れ上がっています。そういった部分は発展しながらも、大祓詞の罪が現代でもあるように、人間の心は特に進化していません
むしろ、より多くの悪意や罪が生まれてきているといっても過言ではないでしょう。
そんな時代だからこそ、悪意や悪い想念といった穢れや呪詛に対応するためには、そういったものに分析し、対処する方法が必要だと思っています。

その一環として、昨年から「解除初級講座」として、宗教との繋がりが薄くなった現代人でもできる、対処方法をお伝えしてきました。

さらに、そういった悪いモノを察知して分析するための手段として、「禍事符」という新しいカードを作るためのクラウドファンディングを行っており、おかげさまで、3月の生産が決定しています。

事前に穢れを察知するというのは、霊的な部分でとても有効なのは、ご理解いただけたかと思いますが、実は物理的な部分でも有益です。

些細な違和感を見逃さないことが護身に繋がる

僕は5年ほどクラヴマガという、軍隊格闘技がベースの護身術を学んでいたということもあり、護身といった部分に興味を持つようになって、クラヴマガ以外にも、ペンを使ったり、身の回りの道具を使ったりするという護身を研究しています。

そういったこともあり、龍音堂の護符は、単なる護符ではなく、いざという時には身を守る一助となるようなデザインのものも多く存在していますが、実際に護身術を学んだり、そういった道具があるから身を守れるかというと、かなり難しいというのが現実です。

もちろん、なにも学ばないよりはましですが、いざ使えるかどうかというと、その場になってみないとわからないことが多いのです。

その人の資質や、性格にもよるので、練習では完璧でも、実際に襲われたら硬直してしまうということもありますし、逆にやり過ぎて、こちらが警察のお世話になる可能性もあります。

こういったこともあり、護身というのは非常に難しいのですが、「禍事符」のようなアイテムを使って、ある程度、穢れや悪意を前もって察知しておけば、その日に気をつけることがわかるようになります。

このあたりは、「禍事符」の発売後に講座で詳しく紹介しますが、予め想定しているのと、そうではないのでは、動きや反応に格段に差がでますし、霊的な部分でいえば、火に風をぶつけて消すようなことをしないでも、簡単に水で対処するようなことができるようになるのです。

ということで、引き続き、禍事符のクラウドファンディングをよろしくお願いいたします。

邪悪な兆しをいち早く察知する『禍事符』を作りたい


解除初級講座も、毎月開催中ですので興味を持たれた方は、チェックしてみてください。

解除初級講座


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?