金木犀
ドアを開けた瞬間、何かが僕を包み込んだ。
それは、とても温かい香りだった。
ふんわりとしていて奥ゆかしい、それでいてどこか可愛らしい、そんな香り。
突然の出来事に驚いている僕を横目に
「金木犀だ!どこ!」
なんてキョロキョロしてたね
今まで意識したことなんて無かった。
何気ない日々に埋れてきた中のひとつ。
それなのに、あれから無意識に探してしまう。
“きんもくせい”
名前すら愛おしく感じる
きっと君のせいだね
だって、見つけるたびに君のことを思い出すから
金木犀みたいに可愛い君の笑顔を
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