【長編小説】レーゾンデートル
―存在理由― 巻末手記
~俺の存在理由~
ああ、そうだ。
きっと世界はいつまでも同じじゃない。旧世紀でもそうだった。
人は戦いを止められなかった。あらゆる方法で人を殺し続けた。
でも、どこかで分かっていたんだ。こんな方法は、間違っている。
人が変わるには、まだ時間が必要なのかもしれない。
その道中で、たくさんの命が犠牲になるかもしれない。
それでも「いつか」目指していた世界がやってくる。
戦争のない平和な世界が。
人々が本当に分かりあえる世界が。
だから「今」ここに俺がいる。
「いつか」の世界のために「今」俺が生きている。
「今」「俺」が成したことが、「いつか」の世界の糧になる。
それが。
それこそが。
俺の 存在理由 即ち「レーゾンデートル」なのだ。
レーゾンデートル