【短編小説】再犯率 ゼロパーセント
町の入り口、商店街中央通りはもう随分と寂れていた。なまぬるい風が吹くたび、シャッターの錆がうつろな呻き声をあげる。こういう通りには、杖を突いた老人あたりがお似合いなのだが、それすらもいない。白昼堂々幽霊でもでそうなくらい、鬱屈とした暗がりが四方に立ち込めていた。胡散臭い街だ、と思ったのは今日が初めてではない。引っ越してくる前から、この街の噂は聞いていた。なんでも、「再犯率ゼロパーセント」といわれているらしい。くだらない、どこぞの莫迦が、適当なことを言いふらしているだけだろう、