誕生日を終え、思うところがあり、いま書き残しておかないと忘れ去っていくことが口惜しく、随筆という形で残すことにした。 私的な文章であるため、文法の誤用などがある可能性がある。 わたしはひとつ歳を重ねた。日付が回って一番に祝福の言葉をかけてくれたのは、恋人だった。 夜の静かな部屋のあいだに、恋人の穏やかな声が響いていた。 わたしは精神病を患いながら彼と出会い、いまは心穏やかな時を過ごせている。 それが彼と出会ったからだ、とはわたしは言いたくない。 わたしの苦し
誰も知らぬ丘へゆき、 そこに座って泣いていたい。 涙で水車が回るほど。 ────『siuil a run』 絵画に描かれたように儚く、美しい女性が、遠くの山に隠される太陽をじっと見ていた。 田舎の丘で、誰かを待つようにじっと。 顔を見られたくないらしく、彼女は木の株に小さくなって座り、くたびれた外套のフードを引き上げた。 それでも彼女のさらさらとした金の髪と、小ぶりで綺麗な形の鼻を見ただけで、美人だとすぐに分かる。 王都の人だろうか、と彼は思った。
こんにちは。 ご覧いただきありがとうございます。柳野です。 一ヶ月ほど前に書いた短編小説を少し手直ししたものです。 設定としてはありがちなものですが、文が気に入っているので公開させていただきます。 ジャンルとしては恋愛になるのでしょうか……ファンタジーではなく、二十世紀初頭のヨーロッパの貴族家をイメージしておりますが、ファンタジーとしても読めるかもしれません。 では、どうぞ。 ────── 幸せなんて贅沢なもの、わたしには。 彼女はいつもそう言う。本当は、贅
こんにちは。柳野です。ご閲覧感謝します。 noteをはじめましたので、これからは小説や小説の下書き、詩などをここで綴りたいと思います。 これからですが、年内に長編一冊分の完成をめざしています。おそらく北欧舞台のハイ・ファンタジーになるかと思います。 わたしは少し精神状態が不安定なので、更新は不定期・ゆっくりになります。よろしくお願いします。 以下は簡単なプロフィールです。 ペンネーム:柳野 累(りゅうの かさね) 趣味:絵、文章を書くこと 小説の