本だけ読んで暮らしたい

本だけ読んで暮らしたい

本だけ読んで暮らしたい。

本棚に囲まれて、いい感じの灯りがついていて、いい感じの音楽が流れる部屋で、コーヒーとか飲みながら、本だけ読んで暮らしたい。

と、ここまで想像してみたものの、あ、なんか、やっぱり嘘。

20代の半ばだったっけ。1か月ぐらい病院に入院していたことがあった。

入院する前は、家と会社を往復するだけの毎日で、やりたいことをやる時間が全く取れなかった。1か月入院する=1か月仕事しなくていいということが急に決まったときは、つらいというよりは正直なところ「ぃやっほーぃ」という感想だった。

これで部屋に積みまくっていた本が読める!見たかったDVDを見れる!ベットの上で、イヤホンで音楽とか聴きながら、好きなだけだらだらしよう。

だらだらした。

それで感じる幸せは、2日ぐらいで終了した。一日中本を読んだり、DVDを見たり、インプットだけしていると、だんだん虚しくなって、だんだん不安になってきた。世間から取り残されている気がして。「おれって今日、何も生み出してないんだなあ」って。

あんなに欲しかった休みなのに、3日目ぐらいからは資格の勉強を始めたり、ブログを書いたり、プログラムを書いたりして、もう退院する日のことを考えていた。

入院後半にはめちゃくちゃ寂しくなってきて、退院したらやりたいことリストを手帳1ページに書き殴っていた。

みんなで居酒屋行って喋りたい。みんなでBBQしたい。みんなでライブ行きたい。みんなで旅行行きたい。みんなでおいしいご飯食べたい。

なんかリストのほとんどが人と会うことだった気がする。

だから、僕のやりたいことは、本を読んで、音楽を聴いて、コーヒーを飲んで、人と会って、喋って、何か作ったり、何か書いたりしながら、家族と元気に暮らすことです。

と、ここまで書いて、これって今の生活とあんまり変わらないな?と気づく。

本だけ読んで暮らしたくない。

Photo by Leah Kelley from Pexels

#エッセイ #読書 #仕事 #人生

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