一緒に居たいよ…-父へ-
夕暮れの田んぼ、夜の空気、虫の声、月明かり。
お父さんと一緒に、そこに、居たいな。
施設での生活で、ゆっくりと夜空を見上げる時間はありますか?
外の空気を自由に感じられますか?
私は毎日、当たり前のように、季節の移ろいに癒され、新しい空気を味わっています。
ごめんなさい。
って、言いたくなかったけど、やっぱり、可能性がある限り、それを叶えないのは私の意思が働いていること、否めない。
大好きなんだよ。ものすごく感謝しているんだよ。
なのに、やっぱり、ごめんなさい。
幼かった私を見守る優しい眼差しも、
不器用にアドバイスをくれた時の心配してくれる気持ちも、
趣味で植えた珍しい植物を教えてくれる時の控えめな得意顔も、
お母さんのご機嫌をとる時のおどけた笑顔も。
数えきれない愛しい想い出を、感謝の気持ちを、
ただ、電話口で、またね、ごめんね、で伝えられるわけがない。
施設に入る前まで一年半、一人暮らしを頑張っていた時、様子を見に行く私に、何度も何度も言ってくれた、「ありがとね」と「気を付けてな」の言葉。
あの生活が良かったよね。
ならば一緒に住む覚悟をすれば、と、誰もがそう思うだろうな。
言ってる気持ちと行動が矛盾してる。
でも結局、行動は私が自分で決めてるんだよ。
家族のせいにして、自分の都合で。
いっその事、入居出来るという選択肢を奪われてしまえば、いろんな事を犠牲にして、こんな中途半端な私に喝が入るだろう。
ただ、自分が情けないから、悔しいから、書いてるだけなの。
顔が見える人に話しても、困らせるか、余計な時間に付き合わせてしまう。答えが欲しいわけじゃない。
ここなら書いてるだけ、って言えるから。
厳しい言葉も、聞こえないふりもできそうだし。
でもさ、ここに吐き出して、気持ちが落ち着くのは、私だけなんだよ。お父さんの気持ちはどうするの。
でも書いてたら、今、気付いたの。
まだ生きてるんだから(!!)
伝えようよ。
言葉だけでも。
もっともっと。
拒否されても、通じてなさそうでも、電話でも。
余分な事言うと、話がこじれて施設のスタッフさんに迷惑かけちゃうかもなんだけどね…
もう少し、伝える努力をしてみる。
結局、言葉、だけか。
一時凌ぎの気休めですか。
また、きっと、同じ思考を繰り返す。
そしたらまた、書くだけなのかな。
※介護施設では入居者への対応に限界があることを当然と考えての文章です。父がお世話になっている介護施設のスタッフさんを信頼していてとても感謝しています。