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気候に合わせた「パッシブ」な建築とは?
こんにちは。建築学科三年目のRyukiです。学校自体は現在夏休みですが、友達とコンペに応募したり建築を見に行ったり、デザイン事務所でのバイトをしたり、それなりに忙しい毎日を送っています。
さて、本題に入りたいのですが、今年の夏の暑さは異常ですよね。パリ協定では世界の平均気温上昇を産業革命時の2℃より低く抑え、かつ1,5℃未満に抑えることを目標にしていますが、一部の機関の発表では、2023年は一年の三分の一がその1.5℃目標を上回る気温をたたき出していたそうですね。
こうも目に見えて暑くなってくると、環境問題も他人事とは思えません。
気温が高く湿度も高いと、街を少し歩くだけで汗も止まらず、寝るときも冷房をつけなければならなくなります。さらに、冷房を使ったものの湿度はあまり下がらず不快感が消えなかったり、部屋を冷やしすぎて疲れが取れなかったりと、気候変動への対応は小さなスケールでも意外と難しく、住空間の基盤が崩されてきていることを感じます。
吉田兼好の「徒然草」でも、家は夏のことを考えて作れ、と言っているくらいですから、現代の夏に合わせた住宅を再考する必要があるのではないでしょうか。
気候状態も変わり、今後も変化していく事が予想される現状の中で、僕たちはどのように自分自身の暮らす空間を作ればいいのでしょうか。従来の量産型の住宅やオフィスビルで、エアコンをガンガンに効かせてとりあえず室内は涼しくしよう、といった考え方も、結局は都市空間の気温を上げることに繋がり、もはや通用しなくなってきていると言えるでしょう。
その中で、今僕自身改めて注目したいと思っている建築の概念があります。それが「パッシブ建築」です。
パッシブ建築とは、言葉の通り受動的な建築のことを意味しますが、さらに具体的に言うと建築の立つ場所の自然環境に技術で抗うのではなく、自然の持つ「力」を受け流すようにして活用していく建築のことを指します。
産業革命が起きたり、冷房技術が発達したりする以前の「建築家なしの建築」では、そうした知恵が建築には詰め込まれていたのではないでしょうか。
例えば、僕は小学校の社会の授業で沖縄の民家のつくりを学んだ記憶がありますが、あそこでは暑い気候の中で直射日光を避け、台風ら住宅を守りつつも、空気の流れを生み出すための間取りが伝統的に組まれてました。
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パッシブ建築の名作として、建築を学ぶ人なら多くが知っている「聴竹居」という建築があり、あります。これは藤井厚二先生が約百年前に設計されたものですが、日本の風土に適した建築とは何かを追求した末に強いこだわりを持ってたものです。
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この建築、僕はまだいけていないのですが、京都にあるらしく、実際に訪れた人の声によると、湿気のある夏でも室内はさっぱりとした涼しい環境が保たれているそうです。工学的な解析がされているのかなどはあまり把握しておりませんが、こうした建築の在り方が見直されてもいいのではないかなと、非常に強く感じます。
他にも、東南アジアの国々は、今の日本のような高温多湿な環境で何年も生きてきたわけですから、日本の建築に取り入れられる要素も大いにあると感じています。近いうちに、そのあたりについても調査し、いろいろと考えていければなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。