ノンアルコール飲料及び低アルコール飲料について、私が思うこと
さて、先日は私のアルコール依存症における経過を書き綴った。
後半の減酒治療のところでも書いた通り、アルコール依存症なのは間違いないが、今のところ断酒は行っていない。
飲酒量を記録して、可能な限り休肝日を取るようにするというだけだ。そして定期的な血液検査を欠かさない。
そんな私も断酒を試みたことがあって、その頃からアル中界隈ではアルコール0.00%や0.5%などのノンアル/低アル飲料についての是非が度々話題になっていた。
今日はその頃の経験と現在の状況を踏まえノンアル/低アル飲料についての私見を述べてみたいと思う。
毎度のことながら私は単なるいち当事者であり、ここにおける発言はいかなる医学的根拠にも基づかないことをお断り申し上げる。
早速だが結論から行くと両方とも飲まない方がいいようである。
これから酒をやめようという人間にアルコールの味を思い返させるのはもちろん、わずかでもアルコールの入った物を摂取するのは全く賢明な策ではない。
ノンアル/低アルをきっかけにスリップした人も見てきた。
しかしこれだけでは話が終わってしまう。
そこでどのような人がどのように使うべきなのか？その点について私の意見を書いてみたいと思う。
【断酒ごく初期の場合】
自分の経験から言って、断酒の初期おいていきなりお茶や水だけで過ごすのは困難だ。特に初日などはどうしても飲酒欲求というものが生じる。
そして、街を歩けばコンビニや飲食店など誘惑がそこかしこにある。
ここでその場の欲求をやり過ごすために0.00%のノンアル飲料を利用するのはさほど問題ではないと思う。
しかし、断酒を継続するならばいずれそれすらもやめる覚悟でなくてはならないと思う。なぜなら自分の場合は最終的に本物が飲みたくなってしまい、ワゴンから落ちて(スリップして)しまったので。
また、私は数週間の禁酒期間中に500mlのノンアルコールビールを毎日12本飲むという本末転倒な生活習慣に陥ってしまったので、ノンアル飲料もなるべく最初の3日くらいまでにとどめておいた方がいいような体感がある。
【休肝日の場合】
これはもう、どちらも大いに利用して構わないと思う。なぜなら休肝日というのはその後で本物の酒を再び飲むという前提で行われるものだからだ。
最近の低アル飲料はかなり本物っぽい商品もあるし、それでその日飲まずに過ごせるのなら十分だと思う。
厳密には0.00%でなければ休肝日とは呼ばないのであろうが、わしはそこまで厳しくする必要はないと思う。
中には厳しく自分を律する方もいるだろうし、自分の周りにもそういう意見の人もいた。
しかし、厳密に我慢し過ぎてかえって連続飲酒に陥った方を間近で見ているので、自分の性格やペースを考えて、慎重に見定めた方が良いように思われる。
【そもそもお酒が苦手な方・飲めない方】
たまにビールは好きだけど酔ってしまうので飲めないという方がいる。このようなタイプはどちらも大いに利用するべきではないだろうか？
私は酒が飲める割に昔から酒席はあまり好きではないのだが、逆のパターンで「飲めない飲み会好きさん」も結構いるようだ。
最近やお店にもノンアル/低アル飲料のラインナップが増えて来たので、このような商品が市民権を得ていくのは非常に良いと思う。
なんらかの理由で一時的に禁酒している酒飲みにとっても非常に嬉しいことではないだろうか。
【まとめ】
繰り返しになるが断酒を決意したアルコール依存症の方にはノンアル/低アル飲料はおすすめできない。
日常的に飲酒をしていると脳の神経回路が変性されるらしく、0.00%のノンアル飲料でも飲むと一瞬ほろ酔いになったような、いわゆる「空酔い」という現象がおきる。
アルコール依存症と診断されるようなレベルの方ならいわずもがな。おすすめはしない。
例外として断酒最初の数日を挙げたが、ノンアルに頼るくらいなら心療内科でベンゾジアゼピン系の薬を処方してもらってしばらく飲んでいた方が安全だと思う(断薬時の離脱症状などを訴える人もいるので、できればアルコール専門の先生と相談した方が良い)。
ベンゾジアゼピン系の薬物は脳のGABA受容体という、普段はアルコールと結びつくところに入ってくれるので、断酒の苦しさを和らげてくれる可能性がある。
今調べていてわかったのだが、ウイスキーなどの香気成分もGABA受容体に作用するらしい。熟成期間が長い物の方が効力が強いそうなので、断酒/禁酒中に関わらず匂いを嗅ぐような行為も避けた方が良さそうだ。
以下にそのソースとなるリンクを貼っておく。
(全然関係ないけど、この論文によると食品からGABA受容体を活性化させるのは難しいらしい。そういう商品あったような気がするが…？)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/103/4/103_4_208/_pdf
本日もお読みいただきありがとうございました‼️