アル中ヒストリー#6 アルコール外来
ダラダラと2ヶ月の日常を過ごしていると、本屋でそのクリニック先生が書いた本を見つけた。これも何かの縁だと思って試しに読んでみることにした。
前半は減酒治療、後半はガチのアルコール依存症者のモデルケースが紹介されていた。
わしは圧倒的に後者の部類に近い。 途中出てくるγ-GTP4桁でぶっ倒れて入院したサラリーマンの話なんて、他人事とは思えない。
ここで、少し断酒治療について書き記しておきたいのだが、わしはいち経験者であって専門家ではない。
ここに書いた内容も100%誤りがないとは言えないし、他のクリニックではまた別なアプローチをしているかも知れないので、その点はご承知願いたい。
まず、通常のアルコール依存症の治療というのは、完全な断酒を目的とする。
離脱症状を抑えるためにベンゾジアゼピン系の安定剤を処方し、必要があればノックビンやシアナマイドなどの坑酒剤(飲むと酒を受け付けなくなる薬)を使うなどの方法が定番だ。
これに自助グループへの参加が加われば、治療としてはかなり適切なものと言える。
これに対して、減酒治療というのはハームリダクション。つまり、「やめられなのならダメージだけでも減らしていきましょう」と言う考え方で、飲酒をコントロールしていくものだ。
従来、アルコール依存症になると飲酒はコントロールできないものとされていた。
故に目標は断酒になるのだが、減酒治療の場合は薬や記録を使って飲酒量を抑制しようという方針だ。
現在、新しい薬として「セリンクロ」というものがあり、これを飲むと途中で「もういいかな」という気分になって総合的な飲酒量が減るという薬だ。
わしも試してみたが結構効力の強い薬で、4/1に割ったくらいでもしっかりと作用が現れる。だが、その反面副作用が強く自分の場合は若干めまいがして気分が悪くなることが多いので、現在は服用を中止している。
もう一つは「減酒にっき」という大塚製薬のアプリを使用して飲酒量を記録していくというものだ。
あくまで自己申告になってしまうので、嘘をつくようになると意味がないのだが、わしの場合はこれがあることによって常に減酒を意識づけることができた。
断酒派の方々から見れば「甘い!」と言われそうな話だが、それでも今までからみれば上出来だ。
というのも、通ってからは圧倒的に飲酒量自体は減っていたからだ。
あれだけ四六時中止まらなかった飲酒だが、昼間は極力飲まない、サボらず記録する、という単純なことを守るだけで、γ-GTPもすぐに1310→189→105とスルスル下がって行った。
現在の話に続きます。