アル中ヒストリー#5 それでも止まらない飲酒
禁酒を始めたとは言うものの、今思えば形ばかりと言わざるを得ないものだった。数日はノンアルコールビールで乗り切ったがどうしてもたまに本物が飲みたくなってズルをしてしまう
今通っている心療内科もここを出ていずれ専門医と繋がるように言われていたので内科の先生にも聞きながら自分なりにアルコール科を探してみた(この心療内科、なぜそんなにアル中が嫌いなのだろうか?)。
HPにアルコール科と書かれた病院があったので電話で問い合わせて見たが、入院前提の人しか診ないとソッコーで断られた。門前払いならぬphone前払いである。
どうしても完全に酒が止められないので、10年ぶりに以前通っていたAAミーティングにも顔を出してみた。
かつての知り合いと束の間の再会をしたり、何ヵ所か周って新しい仲間にも出会えたが、どうも以前のようにしっくりこない。
気分を変えて、オンラインミーティングというのもやってみた。スマホでZOOMを設定して、海外のミーティングなどに顔を出してみた。
自助グループを否定するつもりはないのだが、どうも前ほど仲間に入り込めない。どこかで疎外感を感じてしまうのだ。
おそらく、自分はみんなのように断酒しきれていないという後ろめたさがあったのだろう。
気がつけばモチベーションを失ってつい酒を飲んでしまうこともあった。
そんな時、外来減酒治療を行なっているアルコール専門医の存在を知った。このまま飲み続けても具合が悪くなるだけなので、とりあえず電話してみることにした。
コンビニで買った缶チューハイ片手に電話かけてみると受付の女性から「最短でも2ヶ月後の受診になりますがよろしいですか?」と言われ、一瞬躊躇った。
「2ヶ月か…長いな。それまでに余計体調が悪くなりそうだ」
それでも乗り掛かった船だ。このまま中途半端にしていても仕方ない。
当初の約束通り、最終的にはアルコール専門外来に通院することが最善だろうと思い、2ヶ月先の予約を入れた。