正しい感情の感じつくし方 浄化ワークのススメ 後編
さていよいよ最終回。
これまでのおさらいをすると、浄化ワークの本質はネガティブな感情が消えるのではなく(というか消えない)、客観視が出来るようになるだけというのが私の主張でした。
では、浄化ワークを通して感情は消えないのになぜ現実が変わるのか。今日はそれに関連する形で「自分の感情の責任を取る」ことについてお話したいと思います。
感情に責任を持つとはどういうことか
例えば自分の嫌いな人がいたとして、ほとんどの人はその嫌いな人をできる限り遠ざけたり、無視しようとすると思います。その理由は当然、その人といると自分の気分が悪くなってしまうからです。つまり、誰かを嫌いになるというのは、ざっくりと表現すれば「コイツのせいで私の気分が悪くなる」=私は被害者ということです。
ですが本当に「コイツ」のせいで気分が悪くなるのであれば、その人は世界中の人間から嫌われているはずです。しかし実際はそんなわけないですよね。貴方にとっては嫌いな誰かにも親友や家族がいることが多いですし、好きとまでは行かなくても嫌いではないと思っている人だっているはずです。
ここから分かることは、嫌な感情の出所は相手ではなく自分に元々あって隠れていただけということがお分かり頂けると思います。これを理解するというのが「感情の責任を取る」ということなのです。
つまり、浄化ワークを通して現実が変わるのは、ネガティブな感情が消えたからなのではなく、感情の責任を取り自分が誰かや何かの被害者でいることを止めるという強力な意識・行動がワークによって身につくからなのだと思います。
その結果、表が消えれば裏が消えるのと同じように、被害者という立場が消えれば加害者という立場が消え、結果としてそれが現実に現れてくるのだと考えられます。
実際にその根拠として、浄化ワークの一つのコツとして良く言われているのは、ネガティブな感情を感じることのみに集中して、それを感じさせてくる人間や出来事は出来るだけ思い浮かべないことが推奨されています。
ここからも分かりますが、自分の感情を相手に擦り付けることなく自分のみで処理(責任を取る)ことが重要だというわけです。
なぜ感情の責任を取れないのか
こうやって文章で書いてみると、感情の責任を取るというのは簡単そうに見えますが、昔の私にとっては実践するのは非常に難しいものでした。
おかしなもので、元々私はスピリチュアルや人間心理を学び始める前から、上で挙げた感情の自己責任のメカニズムについて自力で気が付いていました。
ところが、感情の責任を取ることの重要性を理解していたのにも関わらず、いざ浄化ワークを始めると自分でも気づかぬうちに感情を他人のせいにしてしまい、ワークを始めたての頃は浄化ワークが全く上手く行かないということがあったのです。頭では理解していたけど腑には落ちていなかったのですね。
当時の私がついつい相手のせいにしてしまったのには、今だから分かる二つの理由があります。
・グラウンディングや自分軸が無いため、相手に依存する
自分の感情の責任を取るというのはとても潔いことですが、誰のせいにも出来ないので、その作業はある意味孤独です。逆に言えば、相手のせいにするというのはネガティブで辛い形ではあるけれど、相手と心理的に繋がることが出来るという隠れたメリットがあります。
・自己肯定感が低く、劣等感が強い
人は劣等感が強いと、そのバランスを取るために優越感を求めます。優越感を得るには相手を見下すというのが最も手っ取り早いわけです。
でも、何の根拠もなく相手を見下すのは普通に考えれば気が引けます。そこで、あえて被害者というポジションを取って相手を加害者の立場に置くことで、心置きなく相手を批判し優位に立つことが出来るというメリットがあります。
そんなこんなで、当時の自分は辛い感情を手放したいと願いながらも、上記のような隠れたメリットが深層心理にあったので、結局のところ上手くいきませんでした。
まとめ
全三編にわたって浄化ワークのコツについてまとめてみました。いかがだったでしょうか?もう一度そのコツについてまとめると
①ネガティブな感情が湧いたら、否定せず認める
②出来る限り巻き込まれず客観視する
➂感情の責任を取り、出来るだけ相手のせいにしない
の三点です。
ただ、この三点をしっかりと守れるようになるには、出来る限り強力にグラウンディングが出来ている必要があります。
グラウンディングが出来ていないと、
・ちょっとしたネガティブにも過敏になり、ネガティブを否定してしまう
・すぐにネガティブに飲み込まれて、客観視出来ない
・相手に寄りかかってしまって、感情の責任を取れない
となってしまい、上手く浄化ワークが出来ないわけです。
しかし、浄化ワークを必要とするような人たちは概してグラウンディングが弱いので、必要な人に限ってそれが届かないという何とももどかしい感じになってしまうのです。
ということで、次回はグラウンディングを高めるにはどうしたらよいかについて書く予定です。
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