龍神物語②:巫女と白龍
「私も・・・じいさまの言葉に氣付かせてもらいました。」
童の後ろにいた母親は息子の肩にそっと手を乗せてつぶやいた。
「自分たちだけが幸せであれば
他の村がどうなっても関係ない。
恥ずかしいお話ですが、さっきまでそう思っておりました。
巫女さまも白龍さまも私たちのもんだ!
よそに持って行かれるだなんて
悔しくてたまらない!
そんな強欲なことを思っていたのです。
でももし、私たちの村がタカの村と同じような状況であったとき
同じ人間が助けてくれたなら
こんなに心強く嬉しいことは