マインドセットを変えるために
マインドセットを変えるということは、考え方を支配している「感じ方」を変えるということだと思うけれど簡単にできることでしょうか。
僕は簡単ではないと思います。「気持ちを強く持つ」とか「気持ちを切り替えて」とか言いますけど皆さんは出来ますか?
気持ちで気持ちを制御するということは、煙で煙を制御すると言っているようなものです。煙を制御するためには煙突が必要なように、気持ちを制御するためにはその発生元である身体感覚を制御する必要があるというのが僕の考えです。
この考えは、整体協会身体教育研究所で30年以上稽古して得たものです。
身体の使い方を変えれば身体感覚は変わる。
原理はとてもシンプルです。
ただし、身体感覚というものは深めれば深めるほど、新しい世界が開かれてくるのでキリがないのですが…
僕は、二十歳前後の時期にいろいろやらかして、心身に著しい不調をきたした時期があります。強度の鬱と体調不良に何年も悩まされ、病院にも通いましたが全く効果なく、絶望の日々を送っていた時に、紹介されて門をたたいたのが25歳の時でした。
今では、落ち込むこともできない、鬱なんて夢のまた夢という状態になっています。
身体、生命というものはブラックボックス
僕は、このブラックスボックスを開く鍵は三つあると思っています。
一つは「恐怖」です。
コロナや、ウクライナの状況を見ればわかるように、恐怖は人の感覚を容易に変えることができます。
二つ目は「物語」です。
サピエンス全史という本の中で、七万年前に人類は話し始めたということが出てきます。そしてホモサピエンスだけが「物語」を理解するようになった、それは「認知革命」と呼ばれているということが書かれていました。物語を理解できる集団とそうでない集団では、一緒に行動できる集団の数が桁違いに多くなるそうです。我々は物語で動く生き物なのです。
そして、三つ目が「型」です。
私が身体教育研究所で稽古し、学んできたのは、「型」です。
私見ですが、型には「法則」「構造」「記号」という三つの機能があると考えます。
身体感覚の法則に基づいて、稽古や練習を通じて感覚を構造化していくと新しい感覚が発生するようになります。これはスポーツ等でも普通に起こることです。練習を重ねると意識してやっても出来なかったことが無意識に出来るようになってくるということと同じです。そして、その感覚は記号として他者に伝えることができます。人形小瑠璃を観ているときに、人形がある仕草をすると悲しみが伝わってくるという体験をしたことがある人もいると思いますが、それです。
無意識の領域に形成されたブラックボックスに影響を与え、マインドセットをしたいなら、知識をいれたり励ましたりしても効果は限定的で、身体感覚を変える必要がある。そして、身体感覚を変えるためには「型」の習得が必須となると思います。
コロナが始まった頃、書き始めたマガジンがあるのでリンクを貼っておきます。
誰にでも出来る簡単な「型」の稽古法をいくつか挙げてあります。
興味のある人は覗いて、納得したら日常に取り入れてみてください。
きちんとやればキチンと変わる。
それが身体のありがたいところです。
型が習得できるようになれば、ヒューリスティックのアップデイトもできるようにになってきます。繰り返しになりますが、勉強して知識を得ても身体感覚が変わらなければ何も変わりません。
今、型を習得するための稽古会の開設準備をしています。
リアルとリモートの両方で検討しています。
また、お知らせしますので、関心のある方はご参加ください。