オリエント工業展の思い出
老舗ラブドールメーカーのオリエント工業さんが、代表の土屋さんの引退に伴って事業を終了することになるらしい。もう7年も前のことになるが、渋谷でやっていた創業40周年記念の展示に行ってとても良かった思い出がある。とても寂しいなと思う。
展示に際してチラシに寄せられていた、社長のメッセージがとても素晴らしかった。
性処理のためだけの道具ではない、「ラブドール」という理念に対する矜恃。シンプルだが力強い文章に感嘆したものだった。
狭い展示会場には見事なラブドールがいくつも展示されていて、スタッフ証を提げた解説の方がおひとりいらっしゃった。なにしろ展示物がラブドールである。解説員さんに何か質問するにもはばかられる場合もあるだろうし、女性のお客さんもそれなりにいる中、解説員さんがずけずけと話し掛けてきたのではセクハラにもなりかねない。そんな中、適切な距離感を保ちつつ、柔らかい物腰で丁寧に、流暢に、ユーモアを交えて解説してくれる様子にはとても好感を持った。後から知ったのだが、その解説員さんが社長の土屋さんその人だった。あぁこの仕事に誇りを持って取り組んでいるんだなぁ。きっといい会社なのだろうなと思ったものだ。
オリエント工業はラブドール事業を畳み、上野にあるギャラリー&ショールームは9月20日で閉鎖、工場も10月20日で閉鎖になるようだ。どこかでタイミングを見つけてギャラリーには足を運んでみようと思っている。
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