病床にて
久しぶりにしっかり体調を崩して3日も伏せっていた。幸いコロナもインフルも陰性で、どうもお腹から来る風邪だったようだ。何とかほぼ平熱には戻ったが、まだほんのりお腹が痛いのと全身に倦怠感が残っている。あとは多分寝すぎたせいで身体の節々が痛い。
最近はこんな風に体調を崩すのもせいぜい数年に1回だが、小さい頃は身体が弱かった。よく風邪も引いたし、ぜんそく持ちでたびたび学校も休んだ。体調を崩して家で大人しくしている、というのは僕にとって幼い頃の原風景のひとつでもある。熱に浮かされながら、何となく懐かしい気持ちでベッドに収まっていた。
小児ぜんそくは本当にしんどかった。呼吸が出来ない苦しさ。腹筋が筋肉痛になるくらい咳が続く。席の合間を縫って、ゼーゼーヒューヒューと一生懸命に息をする。あれは命にしがみつくような時間だったなと思う。両親はよく辛抱強く看病してくれたものだと感謝しているが、そもそも小児ぜんそくになったのは父親のタバコのせいなのでは?と気づいてからは何だか複雑な気持ちでもある。実家を新築にして自分の部屋を持つようになってからは段々とぜんそくは良くなっていった。やっぱりタバコのせいじゃねーか!息子がぜんそくなんだからタバコやめなさいよ!タイムスリップが出来たなら父親に言ってやりたいが、そんなこと言ったらぶん殴られそうだなとも思う。
しんどい身体を起こしてうどんを作って食べた。玉子を落として柔らかく煮込んだうどんは、風邪を引いた時によく母親が作ってくれた懐かしい食べ物だ。これもうどん県ならではなのだろうか?お粥とかおじやとかの方がメジャーなのだろうか?そんなことを想いながらうどんを啜った。長く煮込んだ結果熱々になってしまったうどんで少し舌を火傷した。昔はそんなことはなかった。母親はちゃんと冷ましてから出してくれていたのだろうか。遠き故郷の母の優しさに数十年越しに感謝をした一人暮らしの病床だった。
よろしければサポートいただけると、とてもとても励みになります。よろしくお願いします。