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かつて苦手なりしもの

The SECOND関連のyoutube動画で、優勝したガクテンソクさんがシャンプーハットさんの話をしているのを見て、そういえば小さい頃シャンプーが苦手でシャンプーハットにお世話になっていたことを思い出した。

シンプルにシャンプーが垂れてきて目に入るのが嫌で、いつも泣いて嫌がっていたような記憶がある。おそらくまだ幼稚園に上がるよりも前、3歳くらいの頃の話だ。シャンプーが顔の前面に垂れて来ないように少し顔を上に向けるだとか、そんな工夫も考えつかなかったのだろう。シャンプーハットを買ってもらって、これでもう目にしみないぞと嬉しかった。シャンプーを流すお湯がシャンプーハットに当たると雨粒が傘に当たるような音がして、なんだか自分が無敵になったような気がしたものだ。

小さい頃に苦手だったものと言えばエスカレーターもそうだ。流れるエスカレーターにタイミング良く跳び乗るのが下手で、いつも手前で立ち止まってエイヤっと立ち幅跳びのように跳び乗るか、父や母と手を繋いで助けてもらっていた。いつの間にか自分ひとりで乗れるようになった時はしみじみと嬉しかった覚えがある。ちなみにエレベーターは閉じ込められたらどうしようと怖くて、これは今でもちょっと苦手なままである。小さい頃から想像力は旺盛であったようだ。

牡蠣も苦手だった。これは所謂食わず嫌いというやつだ。うちは父親が牡蠣が苦手で、これは若い頃に牡蠣に当たってえらい目に遭ったことが原因であった。父が苦手だった牡蠣は我が家の食卓に並ぶことはなく、父からはたびたび牡蠣に当たった時の話を聞かされた。しかもあの見た目のグロテスクさである。食べようとさえ思わぬまま大人になって、ようやく牡蠣を食べたのは20歳を超えてからだった。初めて食べたカキフライは旨くてびっくりした。今でも生牡蠣はちょっとだけ苦手である。

昔は苦手で、でも今はすっかり克服して何でもなくなったもの。掘り返せばまだまだたくさんあるように思う。しかしそのほとんどは苦手だったことさえ忘れて思い出せないくらいになっている。人はこうやって大人になってゆくのだろう。

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うえぽん
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