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福島弾丸旅行記

ポコっと一日空いた休日。唐突な思いつきでアクアマリンふくしままで日帰り弾丸一人旅を敢行した。展示中のオオメンダコに会うためだった。

前回サンシャイン水族館のメンダコに会った時のレポートはこちら↓↓↓

5時半に起きて準備をして家を出る。上野から常磐線で1本。3時間ほどで福島に着くようだ。

うえのin上野

ただメンダコに会うためだけにこんなに時間と交通費をかけて何をやっているんだ俺はと自問するが、もう乗りかかった船だ。電車で読もうと思っていた本を忘れてきてしまったので車内では窓の外をぼんやり見たりあらゆるソシャゲを周回したりして過ごし、目的の駅に着いたのは9時過ぎだった。

アクアマリンふくしままでは駅から路線バスが出ている。しかし本数が少ない。それもちょうど特急の到着時間に合わせているのだろう。到着してすぐにバス停に行けばスっと乗れたはずなのだが、駅でトイレに行っているうちに1本逃してしまった。30分バスを待つ間駅前を少しだけ散歩する。猫がいるのを見つけたのでこの待ち時間は有意義だったということにした。

壁の汚れと同化してゴンさんみたいになった猫

バスはSuicaやPASMOは使えず入口で整理券を取るタイプだった。緊張する。慣れない路線バスはどうしてこんなにも落ち着かないものなのだろう。旅先で知らない街の景色や人を見るのが好きなのだが、バスの値段と降りる停留所を気にしていたら景色を楽しむ余裕なんて全くなかった。それでも無事にお金を払い、アクアマリンふくしま最寄りのデカいイオンモールの停留所で降りる。いよいよだ。

わーい!!

アクアマリンふくしまは、水族館と海洋博物館、科学館の特長を併せ持つ施設として作られたようだ。他の水族館と較べると、屋外展示が多いのが興味深かった。しかし暑い!順路通りに回っていると、暑い屋外エリアと涼しい屋内エリアが交互にやってくる。魚や水棲生物の展示に一喜一憂しながらも、暑さと人混みに挫けそうになった。夏休みということもあって館内は地元の家族連れで賑わっていて、耳慣れない福島弁が飛び交っている。みんなアルコ&ピースの平子さんを濃くしたような訛り方だった。

ついに!!

お目当てのオオメンダコにたどり着いたのは40分ほど回った辺りだったろうか。深海生物がたくさん展示されたコーナーの端っこ、小さな暗い水槽に、オオメンダコちゃんは静かに鎮座していた。

オオメンダコ、直径40センチぐらいある。

デカい。普通のメンダコよりも明らかにデカい。肉厚な手足と耳がかわいかった。ほとんど微動だにしなかったが、メンダコというものはあくせく泳ぎ回っている時よりもじっとしている時の方が状態がいいと聞く。このまま元気に長生きして欲しいと願ってオオメンダコちゃんとはお別れした。

またね(´▽`)ノ

他にも面白い展示はたくさんあった。深海生物コーナーにはオオグチホヤ。大きなトドはちょうどエサやりの時間だった。マグロの回遊水槽。捕鯨文化を紹介したコーナーには日本の捕鯨舟のミニチュア模型があってテンションが上がった。海のゴミ害を紹介したコーナーには実際に海洋生物の胃から見つかったプラスチックが展示されていて胸が痛かった。思い返すと海洋博物館としての側面がどれも興味深かったように思う。2時間半くらいぐるぐる回って、最後にもう1回オオメンダコちゃんに挨拶をして出た。オオメンダコちゃんは最初に見た時と全く同じ形のままだった。

回遊水槽
オオグチホヤ
ニホンウナギ
勢子船!!かっこいい!!

海辺にあった施設で海鮮丼を食べて、海を見ながらソフトクリームを食べて、クソデカいイオンモールを少しウロウロして、これまた全然来ないバスを待って温泉街まで出て(映画『フラガール』の元になったハワイアンスパがある街のようです)銭湯に入って帰ってきた。突発だった割には大いに楽しめた。遅れてきた夏休み。いい旅だった。

ソフトクリームと海
海鮮丼とかに汁

そう言えばちゃんと福島に来たのはこれが初めてだった。津波がここまで来ましたよという表示があったり、イオンモールの店内でも地震や津波があった場合は屋上に避難してくださいと繰り返し店内放送が流れていた。帰りのバスは住宅街を抜けて走ったのだが、途中、妙に綺麗な家が立ち並んでいるエリアがあった。何でここだけ?と不思議に思ったのだが、地震で家をなくした人のための新興住宅地なのだとしたら合点がいく。ちょうど処理水の海洋放出が世論を賑わせているタイミングでもある。全然金を落とさない貧乏旅行で申し訳ないが、きっとまた遊びに来ようと思った。

福島でも、そこに向かう電車の車窓からも、綺麗な空がとても印象的だった。そう言えば空の写真は1枚も撮らなかったので、記憶の中だけにそっと残しておいて勝手に美化してもらうことにしようと思う。

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うえぽん
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