新富にもアートはある
はじめまして、宮崎県新富町の地域おこし協力隊の甲斐隆児といいます。
元々、宮崎県出身ですが、新富町に住むのは初めてです。今年の4月に着任して思うのは「このまちにもアートはある」ということ。そのアートを届ける、伝える”LOCAL Curation”をやっていこうと思っています。このnoteもその一環です。
LOCAL Curationは、ぼくが勝手に作った言葉です。美術館や博物館の展覧会の企画や、展示物・作品の魅力の伝え方を考え組み立てるキュレーションと、ある視点・視座から情報を収集・編集・発信し新たな価値を持たせるCuration。この2つを組み合わせ、地方・地域のアート性を発信していきます。
現在、新富芸術祭の準備を進めていて、会期は2021年11月3日から2022年1月30日まで。「地域の暮らしや営みがアート」をコンセプトとし、合言葉は「ありがとう」です。アートと感謝の視点で捉えると、宮崎・新富にはすごく魅力的なもので溢れてると思います。星が瞬くように。それを伝えていきます。芸術祭は今回が初めてで、どこまでそのメッセージを表現できるかわかりませんが、このまちで挑戦します。”しんとみアート”の表現や発信にチャレンジです。
今日は、お気に入りのしんとみアートをひとつ紹介します。
●LOCAL Curation「湖水ヶ池」
防風林を挟んで海のすぐそばにある湖水ヶ池。水沼神社の御神体である周囲1kmのこの池は、夏のこの時期は大きなハスの葉と白い花が覆います。冬にはこの池でしか収穫できない糸引きレンコンが獲れます。
今は青々としてますが、レンコンを収穫する秋から春くらいまでは枯れ葉や茎ばかりです。季節とともに巡る景色があります。景色だけでなく、そこに住む生きものたちにも四季を通して変化があるはず。湖水ヶ池の民話や季節の行事や慣習が今も残り、水の神様と拝まれてきました。昔からまわりの方々にとって特別な場所だったと思います。生態系、人の営みや文化が関わり織りなすフィールドです。直にこの場所に立ち、地域の方々から話を聴くと、ここがたくさんの要素が重なり形成されていることがわかります。
葉が茂り勢いがあるときもあれば、静かにたたずむような、眠っているのではと思うときもあったり。一年の変化も湖水ヶ池の魅力だと思います。その変化は物語のように感じます。
湖水ヶ池には、こゆ財団の観光チームが架けた浮き桟橋があります。ぼくはこの桟橋は「インスタレーション」だと思います。湖水ヶ池を体感するアートです。もちろん、観光チームのメンバーはそのつもりで設置したわけではありませんが、彼らはアーティストです。このインスタレーションをきっかけに、そもそも湖水ヶ池自体がアートなんだと思うようになりました。
宮崎や新富、そのほかの地域にもこんなアートやアーティストはいると思います。いろんなところにアートはあります。
これからも、しんとみアートや地域のアート性を発信していきます。
掲載した写真は、同じく新富町の地域おこし協力隊でカメラマンのマーシー(中山雄太)が撮影したものです。とても魅力的な写真を撮ります。ぼくは勝手に彼も魅力的なローカルキュレーターの一人だと思っています。
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