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【雑談】社労士試験に挑戦したきっかけとか【与太話】
高い志や崇高な理由ではなく、不純な動機から挑戦することになった社労士試験。でも今、労務管理や人事コンサルのことなど四六時中考えています。
医療保険の売り込みを土壇場で断る
数年前、大手民間保険会社から医療保険のセールス攻勢に合い、その度にはぐらかしてはその場を凌いでいたのですが、ある日、喫茶店でその保険外交員と1対1で対峙するという状況を作り出してしまったのです。
それまで医療保険に加入したことはなく(ましてや国民皆保険という語彙すら持ち合わせておらず、)予備知識がない中であの「不安を煽り、安心を届ける」という『感情』を標的にした謳い文句によって激しく心揺れ動かされ、まさに印鑑を押す寸前のところまで詰められていました。勇気を出して一日待って欲しいと伝え、その時は難を逃れることに成功します。言葉で表せない何かが脳裏にこびり付いていたからです。
翌日目が覚めてもモヤモヤ感で覆われ心までも曇るばかりでした。意を決して断りの電話を入れたところ、まさかのまさか、想定外に激昂され、預かっていた資料を取りに自宅に来るや否や強烈な一言を放たれたのです。
とある一冊の書籍と出会う
あの日あの場を作り、貴重な時間を浪費させ、相手のプライドを傷つけた自身の行いについて深く反省しました。彼女の怒り心頭ぶりに心打ちひしがれ、勧められた提案書を眺めては意気消沈を繰り返しました。それでも拭えないモヤモヤ感、言葉を選ばず言えばこの胡散臭さの正体を探るべく書店へ足を運んだところ、一冊の書籍と出会ったのです。
手にしたもの、それは目の前の靄を一瞬で吹き飛ばす論理爆弾と呼ぶに相応しいシロモノでした。
統計学や認知心理学、行動経済学を多用しながら数学的事実と『論理』によって目の前の複雑怪奇な提案書をぶった斬る、それはまさに痛快の書でした。「安心を買う」だの「保険はお守り」だの「勧められた時が加入どき」だの常套句を無力化し、胸に引っ掛かる何かを的確に言語化してくれるため、それは読んでいて気持ちよくて気持ちよくて仕方ありません。
偏向的読書に夢中になりマネーとかに興味を持つ
人間には自身の信念に一致するように行動する「一貫性の原理」が備わっているとおり、また、時同じく失恋による感傷も相まり、自己認識の整合を保つことに躍起になっていました。反対派の意見を受け入れる度量と器量を持ち合わせることこそが知性の要件だと今は思うのですが、その時はこの麻薬的快感に耽溺し、自身のあの判断を後押しするようなものばかり読み漁りました。
保険本に多く触れたことで傷病手当金、高額療養費、障害•遺族年金など社会保障制度の基本をようやく知り、自身がその被保険者であることを確かに認識します。その流れでマネー論、投資経済論など無関心だった領域にも手を広げ、元々興味のあった世界システム論を深掘りし、思想哲学の分野に至るまで少々背伸びしながら高次元の専門書に手を伸ばす時期もありました。
FP2級の資格を取ろうと思い立つ
狂信的な読書熱によってせせこましい知識を積み重ねるも、一部の友人を除いてそれについて語り合える機会もなく消化不良が続きました。自己の正当化が目的として根幹にあったからです。
そんな中、確定拠出年金への加入を推すとある著作家がファイナンシャルプランナーなる肩書で活動していることを知ります。調べてみるとお金にまつわる悩みの解決や資産計画のアドバイスを売りしている職業のようで、件の保険外交員もその資格を保有しており、どうやらその界隈においてはマストの資格らしい。
そんなこんなで、自身の偏向的知識と世間一般に認知された専門資格との組み合わせはなかなかオモシロイではないかとFP2級の勉強を始めることになります。
これまで資格試験には挑戦したことがなかったため、新鮮でワクワクしながら珈琲店に通ってテキストを読み込んでいたことを思い出します。それまでの読書で得た知識を問う内容も試験範囲に点在し、それはそれは順調な滑り出しだったのです。
社会保険労務士を知る
ところがその FPの勉強を始めて3〜4週間程経過した頃、学習を進める中で「なんだか、これは簡単に合格できそうだな・・・」と根拠のない自信が突如として沸き起こったのです。退屈にも似た感覚があり、もっとパンチの効いた難しいものに挑戦したくなったのです。
中学1年生の時、担任の先生が課題の出来の悪さをクラスのみんなに晒すという出来事がありました。その悔しさをバネに大嫌いだった勉強に向き合い、僅かながらも結果を出して達成感というものを知って以来、勉強すること自体好きではありました。
そしてFP2級のテキストを本棚の奥へ追いやり、あのやたらに分厚い資格ガイドを手に取ります。難関資格、保険にかかわるもの、それなりに知名度のある国家資格がいい、、、士業、、、なんだかカッコいい響きだな。
シャカイホケンロウムシ、、か。見聞きしたことがあるし、保険を語るには、まずこれを取らなくてどうするのだと。どうやら合格率も低いようである。これは挑戦し甲斐がある。試験日から逆算すると800時間を確保できる、よし。
資格テキストを求めて再び書店へ走り出したその時は平成27年3月のどこかの昼下がり。
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その後にメインテキストを買って本格的にシャロウシ試験に打ち込みます
あとがき
個人の感覚で民間の医療保険や生命保険の商品を訝しいものとして取り上げましたが、あらためて思うことを平たく言葉にするなら、これら商品は“決して不要なものではなく、中には要らないものがあるから注意が必要”ということです。
それら商品のおかげで療養に専念することができ、難病を克服された方がたくさんいることも事実ですし、ましてや現在の社会保険制度が賛美称賛されるものでもありません。
つまるところ個々の事情とライフステージによって選択基準は異なるのだし、一概に良し悪しは語れないのでしょう。
と、判然としないまま簡素に締めに入りましたが(笑)、これについては長くなりそうなので別の機会に再考したいと思います。
最後まで拙文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。