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音楽1 listude『HOUSE』

listude。奈良の四条大路にある音工房。
ここで開催されるライブに足を運ぶと、いつも音の銀河を旅しているような夢見心地になる。

今夜の演目はHOUSE。
阿部海太郎さんと武田カオリさんが十余年の時をかけて紡いだ、ある架空の女性のポートレート。武田さんの心に光を点すような歌と朗読が、残されたモノたちに宿った記憶の欠片をきらめかせる。

前半はピアノと弦楽四重奏が奏でる密やかな調べ。
悲壮、哀惜、風化。
ひとり、向き合う孤独。
心の波は叙情の歌となり、揺れ、揺れる。

一転して後半。
クラリネット、ハープが加わり、思い出たちは多才な表情をのぞかせる。
愉快、稚気、戯れ。
遊び心がメロディーに乗る。
水、波、焚火。
集い、交歓に踊る。 

この思い出をたどる旅路が永遠に終わらないでほしい。
浸り、揺蕩い、沈んで……。

オルガンの音色が響く。
それは天へと昇る階段。彼女は、惑いながらも、一歩一歩昇っていく。
魂は天へと昇り、地のHOUSEでは、残されたモノたちが、ときおり囁やきを交わしながら、ひそやかに眠る。

最後の一音の余韻から覚めたとき、また音の銀河を旅していたことを知った。

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