自動翻訳主義者へ
ー「寝耳に水だった。」
久しぶりにオロオロしている彼を見た。
「OT社のことかな」
ー「そう!」
日本と海外の常用派遣を行なってるOT社が、中東の雇用会社に買収された。
「皆、予想できてなくて慌ててるね。」
ー「予想できた口ぶりだなあ。。」
「まあ、英語やっとけという話だよ」
ー「どうゆうこと?」
「会社の会議はどんな感じ?」
ー「え? いきなりだな。
M社がVR会議プラットフォームを作ったから、絶賛利用中だ。」
「翻訳はどうしてる?」
ー「全自動翻訳だよ。もちろん。あれはやばい。延滞ない。」
「それだよ。」
ー「もうちょい、説明してくれ。」
「翻訳は、話した内容をサーバーに送って、人工生命に処理させてる。
その過程を中抜きすれば、何話してるかわかるだろ。」
ー「え、でも、セキュリティは専用の人工知能がやってるだろ。」
「こっそり、教育して盗聴だけを穴空けとけばいい。」
ー「まるで見てきた口だな。」
「友人に、重要な情報を管理してる奴がいてな。詳しいんだ。
彼曰く、
一番セキュリティ高いのは、対面でこっそり話すことなんだって。」
ー「どこで話せばいいんだ?
口の動きを読み取って、話を聞く監視カメラがいるのに。」
「ここらなら、祇園だな。あそこは1,000年分の秘密を吹き込まれてる。」
ー「やっぱ、京都怖い。」
「まあいい。
で、外国の企業と極秘で話そうとしたら、
機械なしで祇園に行くのが最適なんだ。
そうするには、英語しゃべれないとな。そらで。
時間あるなら、中東の言葉も覚えると需要高くなる。」
ー「はあ。。今から頑張るよ。」
「あとは、聖徳太子できるようにしとけ。」
ー「また、なんで??」
「話しながら、世界の状況がわかるからな。
ああ、来季もT大統領は続投だ。
全く、今時、自動翻訳主義の大統領とは大変だ。」
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