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初めての猟(鳥撃ち)、そしてジビエ
バーン!!!
乾いた銃声が空に吸い込まれた。
イメージ通り、現場での一発目は外した・・・。
狩猟免許を取得し、猟銃の所持許可を経て、やっとここに立てた。
そう、これがやりたかったんだ!
狩猟歴10年の師匠と狩猟歴数年の先輩に連れられて猟場にやってきた。
狙うはキジバトとヒヨドリである。
最初に撃ってはならない方向や複数人での猟場の歩き方などのレクチャーを受けながら歩みを進める。
警戒心の強い鳥はこちらの動きを察して、直ぐに飛び立ってしまう。
師匠は早々に飛び立ったヒヨドリを撃ち落としてしまった。
「撃ってもいいよ」と言われるが、なかなか引き金を引けない。狙いを定める前に視界から消え去っていくのだ。
1時間程歩きながら、数発撃ったが当たらず・・・。
本来、キジバト猟などは鳥が群がる木を探し、飛んできた時や枝にとまった時に撃つ待ち猟が主流だ。
ここで師匠から3エリアに区切っての待ち猟をやろう、と言われた。
通常、新人には付きっ切りでレクチャーするそうだが、僕の銃の取り扱いが安全だった為、この体制になった。
鳥が集まる木の近くに、ひっそりと佇む。
来た。ヒヨドリだ。
枝にとまると狙いやすい。30mか。
照星を合わせ、ゆっくり引き金を引く。
「バーン!!!」
撃ち落とした! 回収。
次はキジバトがきた。35mか。
ヒヨドリより大きく狙いやすい。
風で枝が揺れる、鳥が見え隠れする。
飛び立つなよ。
「バーン!!!」
撃ち落とし、回収。
飛んでいる鳥にも何度か撃ってみたが、当たらず。
その後、枝にとまったヒヨドリを撃ち落とし、今回の獲物は3羽となった。
皆で獲物を持ち寄り、羽をむしる。
この時間が感慨深い。
自分で獲って、自分で食べる。
命を頂き、自分の命を繋いでいく。
そう、これがやりたかったんだ!
ジビエ
ジビエとは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉。
かつて人類は狩猟採集民として命を繋いできた。
農耕や家畜が発達し、定住するようになり、文明が発達した現代ではスーパーに当たり前に肉が並ぶ。
その肉が、どうゆう行程で生産され、屠畜され、解体され、スーパーに流通しているのか、知っている人は少ない。
獲物は持ち帰って調理した。
首を落とし、内臓を抜く。
胃からは自然界の木の実や果物が出てきた。
不自然な家畜肉とは違う、自然で育った肉だ。
だから野生肉は旨い。
【ヒヨドリ】
柑橘系を好み、尻に脂肪を蓄える。
この脂肪が美味。
【キジバト】
赤身肉。脂肪がほとんど無いので低温でゆっくり加熱。
ご馳走様でした。