みんな笑顔で嘘をつく
皆さんは嘘をついたことがあるでしょうか。
『嘘』と一括りに言っても、悪い嘘、優しい嘘、面白い嘘。
色々とあると思います。
もし、この世に一度も嘘をついたことが無い人がいるとしたら一体どんな人なんでしょうか。
少なくとも、私の周りには嘘を一度もついたことが無い人はいないと思います。
なぜそんなことを思ったかと言うと、まず私が嘘つきだから。
「え?こいつ嘘つきなの?」
そう思われても仕方ない。そのくらい嘘をついて生きている。
嘘とも言えるし、隠し事とも言える。
例えばある日、ひどく辛くて悲しいことがあったとして
それでも仕事で人に会わなきゃいけない。
そんな時に、「今日は誰にも会いたくないし、喋りたくもないんですよ~」
なんてわざわざ口にする人は、なかなかいないと思う。
辛いことも悲しいことも笑顔に隠して、いつも通り振舞う。
そんな場面が幾度となくある。
周りからは「いつも明るいよね」「楽しそうだよね」なんて言われているけど、実際はめちゃくちゃネガティブで暗くて何やっても楽しくない時の方が多い。
隠し事なんて山ほどあるし、キレイ好きの振りして部屋のなかはグチャグチャだし。
そんな自分を知っているのは自分くらいだろう。
電車に乗って、辺りを見回すと
そこには私の知らないところでそれぞれの人生を歩んできた人たちがいるんだなって想像することがよくある。
この人の中には、今も苦しくて死にたくて生きていくのがやっとの人もいるのかな。
友達と仲良さそうに話している子たちを見て、家庭環境に恵まれた子もいればそうじゃない子もいるんだろうな。
無駄に想像力を働かせて、勝手に人の人生を作り上げてしまう。
実に失礼な話だけど。
でも、そうすることで辛いなか生きているのは私だけじゃないんだと思えて前向きになれる時もある。
私は、小学校3年生くらいから不登校になった。
正確に言えば、保健室通いからの相談室通い。
別にいじめられていたわけでもない。
クラスの皆と仲が悪かったわけでもない。
ある日の出来事がきっかけで、人前でご飯が食べられなくなっただけ。
(この話はまた別の機会に)
どちらかと言うと、女子特有のグループに属すのが嫌いだったから色んな子と遊んでた。
もちろん、それをよく思わない子もいた。
そういう子とは、よく喧嘩した。(親まで出てきた)
でもだいたいそのタイプは、時にいじめの主犯格になる時がある。
だから余計に喧嘩をよくしてた思い出がある。
今思えば、それをすることで「強い自分」みたいなのを作り上げていたのかもしれない。
大人にも平気で意見を言ったし、自分が正しいと思ったことはどんなに周りが敵だらけになろうとも頑なに意見を曲げる気はなかった。
めんどくさい子供である。笑
小学校5年生の時、林間学校に行った。
寝たり、ご飯を食べる時だけ保健室の先生と一緒という特別待遇で。
夜のキャンプファイヤー。ある一人の女の子が悲しそうな顔をしていた。
周りではその子を見ながら「クスクス…(笑)」って笑ったり
その子に聞こえるように「毛深すぎてゴリラかよ」なんて声も聞こえた。
彼女は何も悪いことをしていないのに、なぜそんなこと言われなきゃならないのだろうと不思議に思った。
それを見ていた私は、居てもたってもいられず
ズカズカと影口を叩いてる子に近づき「なんでそんなこと言うの?全然毛深くなんてないじゃん。」と、周りの空気をぶった切るように発言していた。
たぶん、いつもは歯向かってくる人がいないのだろう。
真正面から意外な人物が現れたことにより、悪口を言っていたグループはピタッと何も言わなくなった。
なんで他の皆は何も言ってあげないのだろう、なんでこの子は何も言い返さないのだろう。
クラスで過ごすことからかけ離れ、保健室で過ごす私からしたらそのちっぽけな狭い世界のことなんて何も考えてはいなかった。
そのあと、別の友達から「りゅいちゃんはすごいね。あーやって言い返せて」と言われた。
その時は何がすごいのか自分でもまったくわからなかったけど。
むしろ、言い返してやれとまで思っていたけど。
でも私は、この林間学校が終わればまた保健室に通う日々。
その子たちは、いじめっ子たちと共に時間を過ごさなきゃいけない。
後先考えずに、あの時に意見をしてよかったのだろうかと大人になった今でも反省することがある。
もし私がかばったことで、あの子へのいじめがもっとひどくなってたらとか、そんなことを考えるほど大人ではなかったし無責任だったなと。
勝手な正義感を押し付けたような気もする。
勝手に助けた気でいたような気がする。
電車に揺られていると、そんな昔の話がふと蘇ったりして
あの子は今、幸せかなとか
悪口を言ってた子たちはどんな大人になってるんだろうかとか
思い出す。
例えいじめられてても、いじめられている方は何故か
平気じゃないのに平気の顔をする。
そして周りに居る誰かも、見て見ぬ振りをする。
いじめる方の気持ちはわからないけど
みんな、自分の気持ちに嘘をついて人とかかわっている。
心に苦しい思いを抱えていればいるほど、笑顔に隠す人もいる。
だから自殺のニュースを見るたびに「そんな子じゃなかったのに」なんて言葉が、周りの友人知人たちからあげられるのだろう。
私も、死にたいなんて思う時はたくさんある。
この世から消えてなくなりたいこともいっぱいある。
でもたぶん、私に関わる全ての人は私がそんなことを考えている人間だなんで微塵も思わないことだろう。
きっと私がこの世からいなくなった時に
「いつも明るくていい子でした」
「そんなに悩んでいるとは思いませんでした」
「なんであの子が」
なんて言葉が、出てくるんだろうなと思う。
自分で言うのも変だけど。笑
でも逆に、いつも楽しそうにしている友人のなかにも
そういう辛さを抱えている子がいるかもしれなくて
私だってそれを見抜くことができなくて
誰かに話すことすらできない人も大勢いて
信頼できる友達も家族もいない人たちはみんなどこかでひとりで苦しんでて
みんな笑顔で今日も嘘ついて生きてるんだと思う。
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