広がるバーチャル、これからのメタバース バーチャルマーケット2021紹介
2021年12月4日から12月19日までの間、オンラインVRコミュニケーションサービス「VRChat」にて、大規模展示会イベント「バーチャルマーケット2021」(以下、公式略称のVket2021と呼称)が開催されています。
今回は2021回目という訳ではなく都合7回目の開催となります。
昨今騒がれているメタバースというバズワードに引かれて右も左も分からないままにこのイベントに乗り込んで来たユーザーに、この記事が「こういったアバターを来てみたい、世界を見てみたい」という参考のための指標となってくれる事を願ってやみません。
そういう訳で新規さんにも一応分かってもらえたら良いなというテンションのもと、このnoteはメチャクチャ砕くところは砕いて書いております。悪しからずご了承下さい。
また一般出展者の方に関してはカタログ検索を行いやすいよう、サークル名を記載しております。
見て回ろう、バーチャルマーケット2021
すべてのエントリーワールド「Ent-LAN-ce」
バーチャルマーケット2021を初めて訪れるという人は是非このエントランスとなるWorld(世界)から入って頂きたいです。
周りに見えるよくわからないサイエンスでファンタジーでサイバーなロゴの下には、そのモチーフが表しているWorldへ繋がるポータル(トンネルとかそういうイメージのもの)が設置されています。
これを潜るとその先の世界へ行けたりしちゃいますし、ちょっと違う青いエフェクトの通路の先にはお約束のクラウドファンディングユーザーのパネルが勢揃い。
こういう今までと違う「本当に見たい人だけ見に行く」という動線を取っているのはVket史上初めての試みです。
何はともあれ入ってみましょう、どこかのWorldにぴょいと行けます。そんな訳でここからは各Worldのおおまかな紹介です。
広がる都市の写像「パラリアルシティ」
パラリアル秋葉原
最初にお送りするパラリアルシティというカテゴリのWorld、その一番手は昨年も色々なギミックが話題を読んだ秋葉原駅周辺の再現Worldとなっています。
今回はSuicaギミック等はそのままに、秋葉原駅周辺の電気街が舞台となる。
前回よりも遥かに広がる移動範囲と、案内がなければ割とガチ目に迷いかけるレベルで企業ブースが散在しているWorldだがその再現度は高いです。
今回のコンビニ枠はローソンさんです。
パラリアル渋谷
こちらもパラリアルシティとしての再現であり、渋谷という場所がVketに登場したのは3(ネオ渋谷)と4(パラリアルトーキョー)に続いて3回目となります。
こちらも現実の渋谷駅から西と北の範囲を再現対象としています。
この渋谷の街についてはネオ渋谷やパラリアルトーキョーとは違いだいたい実寸基準で再現されているため、正直筆者も「ハイハイまた渋谷かよ」と思っていたところ見事に「渋谷じゃん!?」と驚かされました。何でここで本気出しちゃうんですかね。
SMBCのコンテンツは是非必見。ポムポムプリンだけが救いです。
「私立Vket学園"電市祭"」でリバイバル青春
昼の部・夜の部
学校モノという今までありそうで無かったというかそもそも学園生活を振り返るのが辛い可能性もあるWorld。
学校全体を学園祭の会場として使用し、教室内はデコレーションで一杯だったりそれこそ校舎の上から下まで大騒ぎな状況です。
このWorldは出展ブースの違う昼の部と夜の部がありますが、これ実は学内で発生する七不思議も違うバリエーションだったりします。
さすがバーチャルマーケット、今回もこういう所で凝ってくれますね。
不思議の国「はじまりの街アルメア」
旅立ちの春・麦秋の迎え
今回の正当ファンタジー枠のWorldです。
以前もファンタジー系はあったのですけれど、モクリ系と統合されたりされなかったりと回によって結構扱いが変わっていたのですが、今回は特にこれまでの会場とも関係の無さそうな世界が舞台。
2つのWorldについた名前から分かる通り、このWorldの最後まで行くと停泊している船が旅立ち、そして帰ってくる様子が見られます。
空飛ぶ船を見送る春と迎える秋で、単に行き来しているだけとは言わせないフレーバーの妙が感じられるでしょう。多分。
蒸気水葬奇譚「花鐘の蒸都アウルシュネルゥレ」
花鐘の蒸都アウルシュネルゥレ
今回のスチームパンクと若干のケモノ枠を取ってくるWorldがこちら。
とはいえ今回はモクリ成分はだいぶ控え目です。なのでどちらかというと地中海風の海に面した街という印象が強いWorldです。
所々に蒸気機関だったり歯車だったりがありますが、全体的に街の雰囲気は明るめ。観光系Worldとしても割とイケちゃいそうな様相なのが素敵ですね。
海底残街スピスバマラ
Worldのカタログを先頭から数えて恐らく最初の「全く構造が違う同一会場」World。
大丈夫です、別のWorldとかVket会場外とかそういう事はありません、ここもれっきとしたVket会場です。たまにやるんですよこの運営。
打って変わってこちらはタイトル通り海中都市が舞台となります。海の中ということもあり全体的にアンダーザーシーなどこか幽玄とも取れる雰囲気を漂わせる会場ですが、最後にはきちんとお迎えのモクリが控えてますので恐らく無事地上に帰れるのでしょう。
このWorldに即した展示は他のWorldとは一線を画するものもあるので、じっくり見てみる事をオススメします。
「鉄鴉の戦場バトルフィールドオブマキナ」魂の在り処
鉄火武闘マキナアリーナ
誰ですかVket担当スタッフにアーマード・コアVやらせたの。もしくはデモンエクス・マキナでもいいです。そういう感じにむせるWorldがこちら。
自分のアバターを中央に表示できるギミックもそうですが、会場全体がメカ同士の戦闘を行う為のアリーナとなっているのも興味深いWorld設定です。
各々が思い思いのロボアバターで中央に立ってキメポーズを取っても良いかもしれません。ただしシステム上メチャクチャ酔うらしいので、酔い止めのご用意を忘れずに。
貧窮街ボトム
誰ですかVket担当に装甲騎兵ボトムズとか太陽の牙ダグラムとか見せたの。こちらのWorldはマキナアリーナとは打って変わってゴミ溜めという言葉がふさわしいレベルでジャンクパーツが「落ちてくる」エリアが会場です。
どういう事かというと実際にメカが上空を飛び交い、破損したパーツが会場内に降ってくる演出があります。危ないとかそういう次元じゃなく、過去イチで参加者の身の安全を考えて無い設定のWorldです。人の命が相当安い世界。
Children’s dream.「nowman's Toy Factory」
トイトイファクトリー サンタレス・クリスマスパーティー
あわてんぼうのサンタクロースと言いかねないレベルで会期は19日までですが容赦なくクリスマスにブチ込んでくれるわという気概が感じられるWorldです。
このWorld2つはToy Factoryという名称で囲われているとおりおもちゃ工場の中をひたすら走って走って最深部に向かっていくWorldとなります。
道中に佇むブースは、これからアバターを買うあるいは買ってもらう人へのラッピング待ちなのでしょう。
なお、トイトイファクトリーとサンタレス・クリスマスパーティーはささやかながら違いがあります。探してみるのも良いかもしれません。
アバターカルーセル
こちらは先の2つと違う完全に別構造のWorldです。さっきもこういう展開がありましたが、今回のVketでは2例目です。
カルーセルという名の通り、巨大なメリーゴーランドにアバターブースが搭載されている仕様です。
このメリーゴーランドは回すことも出来、好きなブースが目の前に来た所で回転を停止させることも出来ます。
なにげに初めての「動かないけれど複数のブースを見ることが出来る」という試みを実装した意欲的な構造のWorldですね。
電脳構築いざ尋常に「復刻江戸城城下町」
Re:エド城下・Re:エド華街
こちらは今回の和モノ枠のWorld。
舞台とするのは「電子の世界で再現された江戸の街」です。そのため実際の江戸の街とは構造が異なり、展示Worldを一周する周回ルートを取る区画が行動範囲となります。
昼と夜ではその顔が変わり、街に灯る明かりのせいか活発な街が町民の熱気に支えられる様な幻想的な街並みが見られます。
和モノというだけあり装飾にこだわるブースも多く、一番Worldとの雰囲気がマッチしているブースが多いと言えるでしょう。
「Poppin' Jump」Lighting Booth
ネオンパープル・リッチゴールド
いかにもテンアゲな名前を提げるこのWorldは、前回までのデフォルトキューブ系の流れを汲む「大型のブースを出展したいユーザー向け」の会場です。
会場の中には5つのポータルがあり、対応する場所へ転送後にブースの生成が行われ眼前に出現するという方式を採っています。
前回までが1ブースずつの選択式であったことを考えるとだいぶ見やすくなっているのと同時に、転送先毎の人数なども確認できる親切仕様のため他のユーザーと合流しやすいのも特徴です。
よりダイナミックなブースを見てみたいという方は是非ともこちらのWorldをオススメします。
あとがき
いかがでしたでしょうか。駆け足で語ってきたため言葉足らずかもしれませんが、今回の企業会場の凝りようもそうですが一般会場も様々な部分でだいぶ熱が入っているのではと感じさせられます。
Facebook社がMeta社と改名しメタバースという言葉がにわかに騒がれましたが、いまいちどういう物か分かっていない方もいるかと思われます。
是非とも「すべてではないけれどその一端と呼ばれるもの」に触れて、新しい感性を花開かせてはいかがでしょうか。
何にでもなれる世界が、あなたの到来を待ち受けています。