始まりの苦しみ
一日中座りっぱなしで、冬眠していた脳みそをフル回転させ、授業を受け、宿題をするという10年ぶりの作業。今まで会うことのなかったタイプの人たちとの交流。掃除をできない人とのルームシェア。新しいことの山が短期間に降りかかってきて、精神的に大きくダメージを受けた始まりだった
サマープログラム
朝9時から夕方の6時まで座りっぱなしという環境に耐えられるのかという不安。サマープログラムの授業は経済、統計、ポリシー分析、あとは差別等に関するセミナーやクラス。新しい学びが多く、ついていけるか心配だったけど、なんとかなった
サマープログラムで習ったことが本プログラムで活きたかというと疑問ではあるが、これのおかげで、本学期の多忙な日々への移行が若干スムースになり、かつ、その後も仲良くできる友人ができたので、有意義だった
今まで絡んできた人は、日本人もしくは似た文化から来たビジネスパーソンだが、プログラムの7~8割は政府やNGO機関で働いてる人、かつ全く異なる文化の人。途上国から来てる人の中には、生まれたときからシェフが5人いるとか、自分の鞄を持ったことない人とかいて、物事の価値観とか話す内容とかが全く違って、圧倒された
ハーバードという特殊な環境に来ている人の多くは、競争心が高く、自分を売り込むのがうまい。自己紹介で自分がいかにすごいか永遠に喋るし、授業の質問タイムも、どうにか自分の成し遂げたことについて話を持っていくパターンがよくある(なのでイベントとかでは「自分の考えについてスピーチするのではなく、「?」で終わる質問をしてください」と念押しされたりする)。最初はこの文化が好きになれず、結構イライラの種になった
サマープログラムの休み時間も難しい政策について喋りたがる人が多く、こんな真面目な環境ではやってられないかもと焦った
行く行くは、色々な人と喋る中で、自分と波長が似ている人を探すことができ、自分の居場所を見つけられた
ルームシェア体験
最近の人生で断トツにメンタルを削られた一か月
渡米する2週間くらい前に人に紹介してもらい、相手とは電話一本して入居を決めたので、相手のことは良く知らずに決断を迫られた
ルームメイトは子供が二人いる40‐50代の女性。子供がいるから家事全般できるだろうと思ったら、相当裕福な暮らしをしていた人で、掃除をしたことが一切ないということが判明
到着して通された部屋にあるベッドのマットレスは、髪、ごみ、何かの染みがそこら中に付着していた。今思うと、この状態のマットレスを何とも思わず他人に提供できてしまうという精神が、これから起こるすべてを予兆していた
掃除をしたことがないので、水回りを使った後は非常に汚いし、食器も2‐3日は平気で洗わない。朝から晩までこちらにおかまいなく大音量で音楽を流す。予告なしに一日に何度も友人達が来てはカラオケ大会をして帰っていく。買い物に行こうとすると、ついでにこれもお願いと依頼され、さらにお金は払わない。親しくなろうと相談ごとをすると、上から目線でダメ出しされる。不満が日々募っていった
初めての環境、そして久しぶりの勉強で疲弊している中、本来はリラックスできるはずの家でメンタルが削られ、自分の顔から笑顔が消えていることに気が付いた。このままでは好きな人たちに対しても優しくなれないと危機感を感じ、予算は大幅オーバーだけどオンキャンパスの抽選を申し込むことを決断。当初の予定より早くルームシェアは切り上げ、一人暮らしを開始したところ、QoLが爆上がりした
メンタルヘルスケア
秋学期が始まってから、本格的な授業が始まり、サマープログラムがいかにお遊びだったか気が付かされる。朝から晩までアサイメント漬けの日々。To Doリストから3個消しても、同じ日に新規で5個追加される、終わりの見えないループの日々・・・
ある日、水泳中に考え事をしていたら、心臓がきゅっとなり、手足が冷たくなる現象が起きたので、それを友達に相談したら「メンタルヘルスカウンセラーに相談したほうが良い」といわれ、即予約。結局アポイントメントまで数週間空いたので、その間に人に話をしたり、マインドセットを変えるよう試みたりすることで、自力で解決したのだが、割と精神的にダメージがかかっていたのかなと思う
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