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大学院留学、準備の本音【留学理由編】

こんにちは。苦悩な元留学生です。

こちらでは主に、現在日本の大学や大学院に進学され(もしくは進学予定)、今後海外、主に米国大学院への博士号取得を目的とした正規留学を検討されていらっしゃる学生の方々向けに、

留学に向けた準備って実際の所、何が大変なの?何をしたほうが良いの?

といったところを私自身の経験に基づいてお伝えしようかと思います。


今回お話する内容はこちら。

何故留学したいのかをよく考えよう

当たり前のように感じますが、何故これがまず最初に大切なのか。
それは、

  • 留学準備中に折れそうになる心の支えとなる

  • 留学後に折れそうになる心の支えとなる

良いんですよ、テンション爆上げの調子いいときはそんな理由なくても勝手にやれるものです。
しかし、やはり気分には浮き沈みがあり、沈んだ時、支えとなるのは、周りの友、そしてその志の動機の強さ、明確さです。

私は準備中は幸せなことに、同じ志を持って準備していた同期が少なくとも5人いました。挫けそうになっても毎日彼らとともに活動できたことで、なんとか最後までやり抜けました。未だに戦友的な感覚があり、繋がりがあります。

しかし、留学後、孤独になった後(つまり私にはコミュ障で外国の友達なんてできないわけです。喋れないし)、自分を奮い立たせてくれる「何故留学した?」が弱かったせいで、大きな挫折を味わいました。

何故留学したいんだっけ?

これが明確になっているだけで、メリットは沢山あります。

是非とも今回を機に、もう一度自分と向き合ってみましょう。


何故理由を明確化するのか

しつこいようですが、もう一度。

何故ここで自分自身にその理由を問うのか。
それは、

「留学準備中、留学中に挫折しそうになる心の支えとなる」

私の中では、これが一番です。
これを達成するならば、どんな理由でもいいです。

勘違いしてほしくないのは、

崇高な、志の高い理由が必ず必要、というわけではない

ということです。
たとえそんな理由があっても、心の支えにならずにただただプレッシャーになるのであれば、今回の目的には使えません。

反対に、周りからすれば、何だよそんな理由で留学するのかよwwwと言われるような内容であっても、本気でそれで留学して頑張りたい!と思えるのであれば、今回の目的としては最高なのです。

もしパッと思いつかないのであれば、以下のエクササイズを試しにやってみましょう。やってみて、見つかれば儲けもん!くらいの感覚で。


留学志望理由チャート

志望理由チャート

YesとNoの定義は…まぁ雰囲気で行きましょう。


①なんで留学に興味持ったんだっけ?

どんなきっかけで留学という選択肢を知ったんですか?

  • 昔旅行で海外行っていい思い出がある

  • 学校で紹介された

  • 親に薦められた

  • 本で留学について読んだ

  • 語学が苦手で、勉強するなら海外!と思った

まぁなんでも良いです。特にここは取り繕うことなく、なんで今留学したいって思ってるんだっけ?という事を思い出してみましょう。

次に、
なぜそこから、留学してみようかしら、と興味を持ったのでしょうか。

  • 自分の知らない世界を知りたいと思ったから

  • 世界中の人と繋がりを作りたいから

  • 留学すれば就職に有利だから

  • 海外のより素晴らしい環境で勉強したいから

  • いや、かっこいいからでしょ!!

こちらも正直で良いです。そんな崇高な理由なんてなくていいです。きっかけや最初の動機というのは意外と単純だったり、ミーハーな感じが多いものです。

もしすんなりとリストアップできたら「Yes」で②へ
苦し紛れに、自分を偽るかのように、もしくは全然出てこなかったら「No」で④へ


②留学したら何をしたい?それって留学しないとできないこと?

さて、仮に留学できたとします。
その先で何をしたいですか?

  • 外国語を喋れるようになりたい!

  • 最先端の研究をしたい!

  • 将来のビジネスのために、世界中の人と繋がりを作りたい!

  • あの憧れの教授のもとで勉強したい!

  • 現地の学生たちと切磋琢磨して自分を成長させたい!

具体性があればあるほど良いですが、抽象的でもいいです。

Google Mapのストリートビューで、自分がポンッと海外の大学のど真ん中に置かれたとして、そこから自分は何をしようか…まずは語学スクールにいくか?研究室の扉を叩くか?手当たりしだいに周り歩いている学生に声をかける?そんな妄想で考えても良いかもしれませんね。

さて、ここで一旦、自分自身に意地悪をしてみましょう。

それって、本当に留学しないとできないこと?
(ここの「留学」とは、正規留学、つまり長期で、学位取得を目的とした留学を指します)

ここではその留学理由を全否定する事が目的ではありません。
できれば、意地悪を言うもう一人の自分に対して、当たり前じゃ!留学しなきゃできないわ!と跳ね返すことが目的です。

  • あの研究は、あの大学のあの教授の研究室でしかやってない!

  • まぁ、英語学習なら駅前留学でもOKか…

  • いや、一回駅前留学したけど全然だめだった!やっぱり現地のほうが身が入る!

  • そういえば今の日本の大学、留学生凄い来てるな…彼らとの交流でも輪は広がるな…

はい、留学しないとしたいことはできません!となったら「Yes」で③へ
んー…必ずしもそういうわけではないなぁ…となったら「No」で④へ

ここで「No」となった方、あぁ、じゃぁ留学しないほうが良いのだろうか…と思われるかも知れませんが、そんな事はありません。

きっとここでは、
留学しないほうが絶対いいじゃん!ではなく、
まぁ留学しなくてもやりたいことできるか…
くらいのテンションではないでしょうか。

裏を返せば、留学すれば、もちろんもっと良い!わけです。
留学は必須ではないけど、したほうがBetterだと。

その場合は、まだ留学に関しては前向きに検討するべきです。
このエクササイズの目的は、「挫けそうな心の支え」となる動機を明確にする事です。
留学したほうがBetterだよね、の動機は、挫けてしまう可能性が大きいです。
なんとかしてその動機を留学必須とし、「絶対に留学したい!」とする事が目的ですので、落ち込まずに先に進みましょう。


③将来どんな自分になりたい?それって留学しないと実現できない?

さて、ちょっと話がだいぶ先になってきました。
ある意味これは自己分析に近いところなのかもしれません。
いい機会なのでやってみましょう。

  • 外資でバリバリ稼ぎたい!

  • 海外有名大学の教授になりたい!

  • 留学経験を生かしてベンチャーで活躍したい!

  • 最終的には日本企業で、海外担当としてさらにスキルアップしたい!

  • いや、モテたい!圧倒的にモテたい!

なんか書いててだいぶ薄っぺらいなぁと笑ってしまいましたが…

きっと将来設計をより具体的にできる指南書はたくさん世の中に出てると思いますので、「留学」という枠を一回忘れて、人生設計を一度してみてください。そこから「留学」に関係ありそうな要素をピックアップするのも有効かと思います。

さて、ここで同じ意地悪を。
その将来の実現に、本当に留学って必要なの?

留学とは、あくまで人生で何かを成し遂げるための、一つの手段だと思います。
留学が目的ではありません。留学は手段です。

自分の理想の将来像に、留学という手段は本当に必要なのか?

ここを考えてみてほしいのです。

これは日本の大学受験の時と同じです。
大学に合格、入学することは本来手段であって、その大学で何を成し遂げるのかが重要なはずなのに、つい大学受験時には偏差値だけ見て良い大学に入ることが全ての目標となり、入った後、突然目標がなくなり、遊びに惚ける…そんな学生は多いのだと思います。
海外大学に入って、遊び呆けて卒業できればまだ良いのですが、それは絶対に無理です。無理無理の無理です。

少々面倒くさいかもしれませんが、短期集中で考えてみましょう。

自分の将来に、留学は必要だ!となったら「Yes」で留学を目指しましょう
んー…残念ながら必須ではないなぁ…となったら「No」で④へ

ここで「No」となった方、もっと落ち込む必要はないと思います。

ここまでやっておいてなんですが、別にそこまで首尾一貫した留学への思いがなくてもいいはずなんです。
もっと、本来は気軽に留学できたほうが良いと思います。

んー将来?わっかんないけどさー、なんかプラスになりそうじゃん?だから留学するんだー

それで本人が良いのならそれが一番いいのです。
しつこいくらいにもう一度。
ここでは、「挫けそうな自分を支える」動機を見つけることが目的です。

そもそも挫けることと疎遠な貴方なら、早く準備に取り掛かりましょう。

挫けがちな貴方でも、この理由があれば大丈夫!となっていれば準備に取り掛かりましょう。

もしかしたら心折れる自分がいるし理由も曖昧かも…そんな不安がある方、そんな方はもうちょっとここで自分と向き合ってみましょう。


④それでも、まだ留学に興味がありますか?

①②③で「No」となった方へ。

この質問は少し挑発的に聞こえるかも知れませんが、その意図は全くありません。純粋は質問です。

明確な理由がなくても興味はあるのです。
いいじゃないですかね。興味あるんだもん。

物事に興味持たないと、もっと色んなことに興味持ちなさいって言うくせに、興味持った途端に、ちゃんとした理由なしで手を出すな!みたいな、まじでなんなん?うるさ。

くらいのテンションでもいいです。

興味あるものはある、あるんです!の場合は「Yes」で⑤
よくよく考えたらあまり興味ないなぁ、の場合は「No」で他の道を模索しよう。


⑤まずは国内で出来ること、もしくは短期留学で試してみましょう

④で「Yes」の方、国内にも国際的な交流、体験、経験ができる場が沢山あります。

まずは自身の大学内で国際交流できる場がないか、学生課とかに行って確認してみてはいかがでしょうか。留学生との交流会や、英会話スクール、もしかしたら一部英語で授業をしていることもあるかもしれません。

そこを体験してみて、良いと思うか、別にーと思うか、これで意外と満足と思うのか、物足りないと思うのか、実際に体験して感じてみましょう。
まずは小さく、気軽にその機会に触れてみることが大切です。実際に触れてみないとわからないことは山のようにあります。

もちろん大学内だけでなく、その他の体験サービスや機会を求めてみることも良いでしょう。英会話教室や、もしかしたら留学生とシェアハウスをしてみるのも良いかもしれません。国内留学というのもあるようですね。
おそらくだいたいの機会はお金がかかると思います。それを払ってまでやるかどうかは皆さん判断ですが、実際に留学をするより遥かに安くすみます。

最初に申し上げたとおり、実際の留学には多額の費用がかかります。
仮に奨学金が出たとしても、例えば渡航費や家賃、生活環境をイチから整える費用、もしかしたら車が必須かもしれません。そう考えると考えている以上にお金がかかります。

多額の費用をかけて、結果、
あーーーーーーーーーもういやだ!!!!!!!
となる前に、事前の自己投資と思って国内で体験することは非常に意義があると思います。

いや、もうちょっと本場の環境でトライしてみたいという方々へ
短期留学、交換留学、ダブルディグリー・プログラム等にチャレンジすることもおすすめです。是非とも大学の学生課でどんなプログラムがあるか確認してみましょう。

短期留学であれば、夏季休暇の数ヶ月でいける内容もあります。
交換留学であれば半年~数年とかの単位で現地で勉強ができ、その単位も日本の大学で認められるケースもあります。
ダブルディグリー・プログラムとは、海外の大学で数年学ぶことで、日本と海外の大学両方の学位が取れる超お得なプログラムです。

こういった、大学側が準備してくれている機会を、使わない手はありません。
なんならそれらへの準備は、正規留学準備より楽なケースがほとんどです。
(することは沢山ありますが…)

試してみましょう。殆どの場合、一緒に行く学生がいますので、なんとか支え合いながら生き延びれます。

留学は目的を達成する一つの「手段」です。
こういった機会を通して、

  • あ、留学って良いな!正規留学してもっとこういう事したいな!

  • なるほど、自分のやりたいことって○○留学で十分に達成できるな!

  • ん〜…残念ながら自分には合わないな…

どんな結論に達しても、何もしてない自分より遥かに有意義な結論が出せているはずです。

その結論を胸に、⑥へ進みましょう


⑥やっぱり、それでも留学したい?

最後の問いです。

もうあまりここではごちゃごちゃいう必要はないと思います。
自分自身に問いかけて見てください。

行きたい、留学したいんだ!となったら、留学を目指しましょう。
いや、それは必要ない。他でも十分なりたい自分になれるんだ、となったら、そのほかの道に進みましょう。


いかがでしたでしょうか。

どんな結論に達したとしても、別に優劣があるわけではありません。
もしあるとしたら、

自信を持ってその結論に達したのなら「優」
どの結論でも、その背景が全く無い、説明もできないなら「劣」

くらいです。その説明はロジカルでなくても良いです。
うるせぇ!留学してやらぁ!が自分の中で通るならそれでいいのです。

これらで、少しでも留学に興味がある方々の不安やもやもやが解消されることを祈ります。

以上、ありがとうございました。

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