鯖紀行 サバる世間はサババババーン(鯖サンド)
魚の中でどれがいちばん好きかと聞かれたら、迷わず鯖と答えます。私の鯖好きの原点は意外にも最近で2019年に訪れたトルコで食べた鯖サンドでした。
鯖サンドはトルコの最大の都市、イスタンブールの名物のひとつです。イスタンブール中心部は、海を挟んで新市街と旧市街に分かれ、その間に大きな橋が渡っています。橋の旧市街側のたもとに、ギラギラの船が何隻か浮かんでいます。これがイスタンブール名物鯖サンド(バルックエキメッキ)の屋台です。
船では大きな鉄板で鯖がわんさか焼かれています。我々購買客は船には乗りません。陸から鯖サンドを注文します。メニューは鯖サンド一択。一個か、二個か、それ以上か。
熱々の鯖サンドを得た我々はもう一つ、鯖サンドを楽しむためのマストアイテムを手に入れなければなりません。そう、ピンクのピクルスです。鯖サンドとは別のスタンドで、不機嫌そうなお兄さんが売ってくれました。
パンを開いて塩とレモン汁をダバダバかけましょう。準備はできましたか?あとは大きな口でかぶりつくだけです。
脂の乗った鯖を、少しの野菜とレモン汁が引き立てます。シンプルだから、鯖の味が強く感じられました。
鯖ってこんなに美味しかったっけ。
人生の中で初めて、鯖と真正面から向き合った瞬間でした。
鯖、もっと食べねば。
ここから私の好きな魚は鯖となり、鯖を学び、鯖を喰らう人生が始まったのでした。
ちなみにピクルスはカンカンの日差しにさらされていたため、完全にお湯でした。弁当をレンジで温めると漬物まで温かくなってしまうのが嫌派のみなさん、世界は広いですよ。